IM:MI Coffee Roasters——ホーチミン1区路地裏、チェスボードの焙煎所でシングルオリジンに没入する

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グエンチャイ通り269/2——路地裏に焙煎の音と香りが満ちる

ホーチミン市1区グエンチャイ通り269番地。この番号の奥に延びる路地の2軒目に、「IM:MI Coffee Roasters」はある。2026年初頭にオープンしたこの焙煎所カフェは、入った瞬間にコーヒー豆が焼ける甘い煙の匂いに包まれる。

手がけるのはNguyen Hoang Trung Hung氏。ホーチミンのカフェ好きなら知っているS’mores Saigon Caffeの創業者だ。S’moresで築いた「空間とコーヒーの融合」というコンセプトを、IM:MIではさらに先鋭化させた。

「Immersive × Mimesis」——名前に込めた哲学

IM:MIという名前は「Immersive(没入)」と「Mimesis(模倣・再現)」を掛け合わせた造語。「日常のなかの見過ごされた瞬間を、コーヒーの香りと音楽で再現する」というのがコンセプトだ。

キーフレーズは「Sitting with yourself」。スマートフォンを置いて、自分自身と向き合う時間。ホーチミンの喧騒から切り離された路地裏という立地が、このコンセプトを物理的に支えている。

空間デザイン——チェスボードとビニールの迷宮

IM:MIの内装は、チェッカーボード(市松模様)をモチーフにしている。床、壁面、カウンターに反復する白と黒のパターン。そこに配されたチェスのポーン(歩兵)のオブジェは、「一歩ずつ前進する」というメッセージを空間に刻んでいる。

素材は木と石を中心に、温かみのあるイエローの照明が柔らかい影を作る。2階建ての空間は1階が焙煎エリアとカウンター、2階がゆったりとしたラウンジ。庭付きのテラス席もあり、路地裏とは思えない開放感がある。

音響システム——District Mが設計したビニール体験

IM:MIのもう1つの柱は音楽だ。音響設計はホーチミンの音響専門チーム「District M」が担当。

機器 詳細
スピーカー Vestlyd V12C 同軸スピーカー(1F・2Fに各2台)
アンプ Pro-Ject / Eversolo
対応フォーマット アナログレコード・CD・オープンリールテープ・デジタルストリーミング
レコードコレクション 創業者の私物コレクション(数百枚)

壁一面に並ぶレコードジャケットはインテリアとしても機能し、CỌIリスニングバーのようなリスニングバーの系譜に連なる「耳で楽しむカフェ」の文脈に位置づけられる。ジャズ、シティポップ、アンビエントが時間帯によって切り替わり、コーヒーの味わいと音楽が共鳴する設計だ。

コーヒー——焙煎の現場で飲むシングルオリジン

メニューはスペシャルティグレードのシングルオリジンが中心。焙煎機が客席から数メートルの距離にあり、焙煎のクラック音や煙が空間の一部になっている。

ベトナム産のアラビカ(ダラット、コントゥム)に加え、エチオピア、コロンビアなど世界の産地も取り扱う。ウェルネスコーヒートレンドの記事で取り上げたベトナムのウェルネスコーヒートレンドとは異なるアプローチで、IM:MIは「純粋なコーヒーの味」に集中する。

価格帯は5万VND(約290円)前後から。ホーチミンのサードウェーブカフェとしては標準的な設定だ。営業時間は8:00〜23:00と長く、朝のモーニングコーヒーから夜のリラックスタイムまでカバーする。

現地の声——「ここはカフェではなく、瞑想室」

  • 「路地裏に入った瞬間、ホーチミンの騒音が消える。チェスボードの床を歩いて2階に上がると、自分だけの時間が始まる感覚」(在住日本人デザイナー)
  • 「S’moresが好きだったけど、IM:MIは明らかに次のレベル。音響がすごい。レコードの音を聴きながら飲むコーヒーは格別」(ベトナム人コーヒー愛好家)
  • 「焙煎している最中の香りがそのまま空間に広がるのが贅沢。5万VNDでこの体験は安すぎる」(韓国人観光客)

日本人旅行者へのアクセス

グエンチャイ通りはホーチミン1区の中心部、チョロン(中華街)方面に延びる大通り。ベンタイン市場からGrabで10分、約2万VND(約120円)。路地の入口は見つけにくいが、Google Mapで「IM:MI Coffee Roasters」と検索すればピンが立つ。無料駐輪場あり。

ホーチミン・サードウェーブコーヒーの現在地

ベトナムは世界第2位のコーヒー生産国だが、国内消費はロブスタ種のコンデンスミルクコーヒーが主流だった。ここ数年、ダラットやコントゥムのアラビカ種に注目するサードウェーブの波が急速に広がっている。

IM:MIは、タオディエンのカフェ記事で紹介したタオディエン地区のおしゃれカフェ群とは一線を画す。路地裏の隠れ家で、焙煎の現場に身を置きながらシングルオリジンを味わう——それはベトナムコーヒーの「生産国としての本気」を肌で感じる体験だ。

基本情報

項目 詳細
店名 IM:MI Coffee Roasters
住所 269/2 Nguyen Trai, Cau Ong Lanh Ward, District 1, HCMC
営業時間 8:00〜23:00
価格帯 5万VND〜(約290円〜)
創業者 Nguyen Hoang Trung Hung(S’mores Saigon Caffe創業者)
コンセプト Immersive × Mimesis(没入と再現)
音響 District M設計 / Vestlyd V12Cスピーカー
駐車 無料駐輪場あり
Instagram @immi.coffeeroasters

まとめ——路地裏で「自分と座る」時間

IM:MI Coffee Roastersは、ホーチミンのサードウェーブコーヒーシーンの最新到達点だ。焙煎の香り、ビニールの音、チェスボードの空間——五感で味わうコーヒー体験を、1区の路地裏で。ホーチミンのカフェ巡りに、この焙煎所を加えない理由はない。

引用元

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この記事を書いた人

ベトナム・ホーチミン在住3年目|旅行で来るだけでは知ることができない、現地にいるからこそわかるローカル情報を中心に発信していければと思いベトナム旅行の専門情報サイトを立ち上げました。

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