ハノイのバス24路線が距離制に、降車タッチ忘れは終点運賃

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ハノイで路線バスに乗るときの運賃の決まり方が、2026年7月17日から変わった。これまでは路線ごとに決まった均一運賃を払えばよかったが、この日からハノイの24の路線・支線が、乗った距離に応じて運賃が上下する距離制へ切り替わった。初乗り3,000ドンに、走った1kmごとに450ドンを積み上げる仕組みだ。日常的にバスを使うハノイ在住者や、市内をバスで移動する旅行者にとって、「短く乗れば安く、長く乗れば高くなる」という料金体系への転換になる。円換算では初乗りが約18円、1kmあたり約3円という水準だ(2026年7月時点、1円≈約162ドンで概算)。

目次

何が変わったのか、ひと言でいうと

従来のハノイの補助金対象バスは、路線の長さで運賃が決まる均一制だった。40km級の長い路線なら、たとえ数駅しか乗らなくても路線の定額を払う仕組みで、短距離利用者ほど割高になりやすかった。7月17日から一部路線に入った新方式は、この「路線いくら」を「距離いくら」に置き換える。運賃の計算式はシンプルで、運賃=初乗り3,000ドン+乗車距離(km)×450ドン。5km乗れば5,250ドン(約32円)、10km乗れば7,500ドン(約46円)という具合に、自分が動いた分だけ払う形になった。

この距離を正確に測るために、電子カードやスマホでの決済では乗車時と降車時の2回タッチが前提になる。乗るときにタッチして仮の金額を確保し、降りるときにタッチした地点で最終額が確定する仕組みだ。現金で払う場合は距離が測れないため、乗車地点から終点までの距離で計算され、1,000ドン単位に切り上げられる。つまり現金客は事実上いちばん高い運賃を払うことになり、制度は電子決済への移行を強く促す設計になっている。

背景にあるのは、交通のデジタル化と一体化

この距離制は突然出てきたものではなく、ハノイが進める「交通ICの一体化」という大きな流れの一部だ。市内では7月1日に紙の月間定期券が役目を終え、ICチップ入りの交通カードやバーチャルカードへの移行が始まっている。バスとメトロを同じカードで乗り継げる「乗り換え連携(liên thông)」の整備も進み、運賃を距離で正確に測るには、この電子タッチのインフラが土台として必要だった。距離制は、その電子化が実際の料金体系にまで及んだ段階を示している。

バス網そのものの近代化も同時に進む。今回距離制に加わった路線には、VinBusが運行する電気バスのE01・E03・E04・E06・E10などが含まれる。ハノイが路線バスの電動化を大きく打ち出している流れ(ハノイの路線バスが電気に、17路線281台が変える在住者の足)と、この運賃デジタル化は同じ方向を向いている。車両を替え、払い方を変え、乗り継ぎをつなぐという複数の施策が、市の公共交通を同時に更新している。

数字で見る、旧運賃と新運賃の距離感

新方式が短距離利用者にどれだけ効くかは、旧来の均一運賃と並べると分かりやすい。ハノイのバスは2024年11月の改定で、路線の長さに応じて8,000〜20,000ドンの均一運賃が設定されていた。長距離路線に数駅だけ乗る人にとって、この定額はかなり重かった。

乗車距離 新・距離制運賃 円換算(約)
1km 3,450ドン 約21円
2km 3,900ドン 約24円
5km 5,250ドン 約32円
10km 7,500ドン 約46円
旧・均一運賃(2024年11月〜/路線の長さ別) 運賃 円換算(約)
15km未満の路線 8,000ドン 約49円
15〜25kmの路線 10,000ドン 約62円
25〜30kmの路線 12,000ドン 約74円
30〜40kmの路線 15,000ドン 約93円
40km以上の路線 20,000ドン 約123円

短い区間をこまめに乗る使い方なら、新方式は明確に安い。旧制度で長距離路線に数駅乗って8,000〜10,000ドン払っていた人が、実距離2〜3kmなら4,000ドン前後で済む。逆に、路線を長く乗り通す場合は距離次第で旧均一運賃より高くつく。25km乗れば14,250ドン、30kmなら16,500ドンで、その路線の旧定額(10,000〜15,000ドン級)を上回る。制度は都心の短い区間移動を後押しし、長距離の乗り通しには相応の負担を求める設計だ。

対象になった路線を押さえておく

7月17日から距離制に入ったのは、市内全路線ではなく24の路線・支線だ。自分の生活圏の路線が含まれるかは、乗る前に確認しておきたい。主な運行事業者と路線番号は次のとおり。

  • ハノイ交通総公司(Transerco):3B、20A、20B、54、92、95、97、102、105、110、112
  • VinBus(電気バス):E01、E03、E04、E06、E06TC、E10
  • 電気バス会社:35B、55、109
  • ハタイ自動車:118、126 / バオイエン:163 / ハイヴァン:64

市はこの24路線を皮切りに、距離制と電子決済を段階的に広げるとしている。今は均一運賃のままの路線も、今後この方式に移っていくとみられる。

在住者・旅行者が損しないための実践ポイント

電子カードで払うなら、失敗しないコツは一つに尽きる。降りるときのタッチを絶対に忘れないこと。降車タッチを忘れると距離が確定せず、乗車地点から終点までの最長距離で運賃を取られる。短く乗ってもタッチ漏れ一つで運賃が跳ね上がるので、乗車と降車の2回タッチを習慣にしたい。

もう一つ、別枠の優遇も知っておくと得だ。低排出ゾーン化にあわせ、環状1号線(Vành đai 1)エリアを発着するバスは、2026年7月1日から2027年6月30日まで運賃無料になっている(観光専用バスを除く/対象45路線)。都心の中心部を短く動く分には、そもそも運賃がかからないケースがある。距離制で払う区間と、無料になる区間を頭に入れておくと、日々の移動費は思った以上に下げられる。

現金しか持たない移動も割高になる。現金は終点までの距離で計算されるため、電子カードを持つ人より確実に高い。ハノイに数日滞在するだけの旅行者でも、交通カード(実体カードまたはアプリのバーチャルカード)を用意しておくと、短距離のバス移動が一気に安くなる。夜遅くの移動や、旧市街から少し外れたエリアへの短い足としても、こまめに使えば効いてくる。旅行者が夜の時間にお金を落とす動きを市が後押しする流れ(ハノイの夜がもっと長くなる、旅行者が夜に使うお金を市が狙う)の中で、安く動ける足を持っておく価値は上がっている。

市場・業界への波及

距離制は、運賃の把握と決済の電子化をセットで進める。乗降データが距離単位で取れれば、市は路線ごとの需要を正確につかみ、補助金の配分や増便の判断に生かせる。日々何十万人が使うバスは、ベトナムのキャッシュレス決済を根づかせる場にもなる。60歳以上や6歳未満、傷病軍人や障害者などの優待も、紙の証明からバーチャルカードや国民IDでの認証へ移りつつある。ハノイが都心部でガソリンバイク規制を打ち出す動きとあわせ、私的な移動から公共交通への誘導が、運賃・車両・決済の三方向で同時に進む。

利用のための実用情報

開始日 2026年7月17日(24路線・支線から順次)
運賃計算 初乗り3,000ドン+距離1kmごと450ドン
電子決済 実際の乗車〜降車距離で計算(乗車・降車の2回タッチ必須)
現金 乗車地点〜終点の距離で計算、1,000ドン単位に切り上げ
カード登録 オンライン(vedientuonline.com.vn)、アプリ「Thẻ vé giao thông HN」、または対面(キムマー通り1番地)
優待対象 60歳以上・6歳未満・傷病軍人・障害者・低所得世帯など(国民IDやバーチャルカードで認証)
紙の定期券 7月1日に廃止、電子カードへ移行済み

まとめ:まずカードを作り、降車タッチを癖にする

ハノイのバス運賃が距離制に変わり、短く乗る人ほど安く、長く乗り通す人は距離次第で負担が増える料金体系になった。在住者が今やることは二つ。交通カードかアプリのバーチャルカードを用意すること、そして電子決済では乗車と降車で必ずタッチすること。この二つで、現金客より安く、旧均一運賃より小回りの利く移動になる。自分がよく使う路線が対象24路線に入るかを一度確認し、入っていなければ、拡大に備えてカードだけ先に作っておきたい。

参照元:CafeFVietnam+

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この記事を書いた人

ベトナム・ホーチミン在住3年目|旅行で来るだけでは知ることができない、現地にいるからこそわかるローカル情報を中心に発信していければと思いベトナム旅行の専門情報サイトを立ち上げました。

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