ベトナムの電子身分証アプリVNeIDが、これまで在留カードを持つ外国人だけに限られていた登録対象を、合法的に入国・滞在するすべての外国人へ広げる。政令320号(320/2026/NĐ-CP)が2026年9月28日に施行され、6歳以上ならレベル2アカウントを申請できるようになる。行政手続きのオンライン化が進むベトナムで、このアカウントを持てるかどうかは日々の暮らしの手間に直結する。
政令320号が9月28日に施行される
政令320号は、外国人への電子身分識別(e-ID)の付与を正式に制度化する内容だ。施行日は2026年9月28日。ベトナム公安省が主管し、VNeIDアプリ上でレベル2アカウントを外国人へ発行する枠組みが動き出す。同じ政令はベトナム人向けの行政デジタル化も束ねており、外国人の登録開放はその一部として位置づけられている。
これまでは在留カード保持者だけが登録できた
従来、外国人がVNeID口座を作れるのは、一時在留カード(TRC)か永住カード(PRC)を持つ人に事実上限られていた。カードのない滞在者は口座を開けず、行政サービスのオンライン化から取り残される場面があった。今回の開放で、合法的に入国または滞在している外国人であれば申請の対象に入る。外国人の各種手続きをVNeIDで束ねる動きは、この制度変更で一段進むことになる。
対象は6歳以上、対面と生体認証が条件
申請できるのは6歳以上の外国人。レベル2アカウントの発行には、本人が窓口へ出向いての本人確認と、顔写真・指紋の生体情報の登録が求められる。オンラインだけで完結する手続きではなく、対面での確認が前提になっている点は押さえておきたい。生体情報はベトナムの出入国管理データベースと照合される。
レベル2アカウントで使える行政サービス
レベル2アカウントがあると、銀行取引での本人確認、賃貸住居の登録、公共サービスの利用といった手続きをアプリ経由で進められる。電子化された在留カードやその他の法的書類をVNeID内に保管し、窓口で紙を出し直す手間を減らせる。行政手続きの一部は犯罪経歴証明のオンライン取得のように、口座があって初めて外国人にも開かれるものがある。
申請は出入国管理局で対面手続き
手続きの窓口は出入国管理を担う各機関だ。ハノイやホーチミン市などの出入国管理局が窓口として案内されている(具体的な住所は最新の公式案内で確認したい)。窓口では申請書フォームTK01に、本人名義の携帯番号とメールアドレスを記入する。担当官が生体情報を採取し、データベースと突き合わせたうえで、本人の同意を確認して口座を作成する。
用意するものと発行までの日数
持参するのはパスポート、または有効な国際渡航書類。加えて本人名義のベトナムの携帯番号とメールアドレスが要る。発行までの日数は、生体情報がすでにデータベースにある場合は3営業日以内、まだ登録がない場合は7営業日以内と定められている。初めて生体情報を採る人は、余裕をもって窓口の予約日を組んでおくとよい。
同じ政令320号が束ねる書類206種
今回の開放は、政令320号が進めるデジタル化の入口にすぎない。政令320号でVNeIDに統合される書類は206種にのぼり、役所での再提出が不要になる範囲が広がる。口座を持つことは、これらの統合書類を自分のアプリに取り込むための土台になる。開放と統合は同じ政令の両輪だと考えるとわかりやすい。
生活のどの場面で効いてくるか
在住外国人にとって、口座の有無が響くのは日常の小さな手続きだ。銀行で本人確認を求められたとき、賃貸契約に伴う居住登録をするとき、子どもの就学や医療で公共サービスに触れるとき。紙のコピーを何度も持ち歩く負担が、アプリ内の保管に置き換わる余地が出てくる。短期の滞在者にどこまで実務が開くかは窓口の運用が固まってから見えてくる部分もあり、施行後の案内を確認しながら進めたい。
施行前に確認しておきたいこと
9月28日を前に準備できるのは三つ。ひとつは本人名義のベトナムの携帯番号を用意すること。ふたつめは、パスポートの残存期間と滞在資格が有効であることの確認。みっつめは、最寄りの出入国管理局の受付時間と予約方法を調べ、対面と生体認証の日程を早めに押さえることだ。口座は一度作れば、その後の行政手続きを大きく短縮する足場になる。
参照元:
Envoy Global — Vietnam Expands VNeID Eligibility for Foreign Nationals
Việt Nam News — Public security ministry begins rollout of eID for foreigners
Vietnam Plus — Level-2 digital ID accounts ease access for foreigners
