2026年9月2日、ベトナムの建国記念日にあたる国慶節の朝、ハノイのフォー店に長い列ができた。VnExpressが同日に伝えたところでは、旧市街の老舗からミシュランガイド掲載店まで、普段の倍近い客が詰めかけた。連休で市内に人が戻り、朝食にフォーを求める流れが重なっている。
どの店で食べるかは、ハノイに着いた旅行者が最初に迷うところだ。行列の長さと店ごとの持ち味を押さえておくと、限られた滞在で回りやすくなる。報道で名前が挙がった店を、場所と特徴からたどる。
100年超の「Phở 49 Bát Đàn」に休暇中は30〜40人が並んだ
Bát Đàn通りの「Phở 49 Bát Đàn」は、100年以上の歴史を持つ。配給時代(bao cấp)の流儀が残り、客はまず列に並び、順番が来たら支払い、丼を自分の席まで運ぶ。店員が席まで届ける今の飲食店とは手順が逆になる。
VnExpressによれば、平日の列は10〜15人ほど。国慶節の休暇中は常時30〜40人が並んでいた。牛肉のフォーを目当てに、開店直後から人が絶えなかった。この店はミシュランガイドが取り上げたフォー店の一つにも数えられる。
先に会計を済ませてから丼を受け取る流れは、初めての旅行者ほど戸惑いやすい。列の進みは速く、注文はほぼ牛肉のフォー一本に絞られる。前の客の動きを一度見ておけば、自分の番で迷わずに受け取れる。並ぶ時間そのものが、この店を撮る旅行者の目当てにもなっている。
Hàng Vải通りのミシュラン2軒、Khôi HóiとLâmは牛芯のフォー
旧市街のHàng Vải通りには、ミシュランガイドに載る2軒が並ぶ。50番地の「Phở Khôi Hói」と48番地の「Phở Lâm」で、どちらも牛の芯の部位を使う「phở lõi(フォー・ロイ)」が看板になっている。
しっかりした部位を薄く切って盛るため、脂の軽い赤身の食感が出る。地元の常連に加えて観光客の姿も多く、国慶節には両店とも客足が伸びた。番地が近いので、片方が混んでいればもう一方に回る手も使える。
大聖堂脇のPhở Ấu Triệu、店内は満席で列は歩道へ
大聖堂(Nhà thờ Lớn)の脇にある「Phở Ấu Triệu」は、路地の小さな構えながら店内は満席が続く。入りきらない客は歩道に列を作る。大聖堂は旧市街観光の起点になりやすく、周辺を歩くついでに立ち寄る動線が組みやすい。
牛肉だけで押すPhở 10 Lý Quốc Sư
「Phở 10 Lý Quốc Sư」は、Lý Quốc Sư通りとChân Cầm通りの角に立つ。牛肉のフォー専門で、部位の組み合わせを選べる。ミシュランガイドに掲載され、外国人客の来店が多い。大聖堂やHàng Vải通りから徒歩圏にあり、旧市街のフォー巡りに組み込みやすい位置だ。
牛肉のフォーは部位で味わいが変わる。tái(タイ/さっと火を通したレア)、chín(チン/煮込んだ肉)、nạm(ナム/バラ肉)、gầu(ガウ/脂ののった部位)が基本で、店頭のメニューはこの組み合わせで並ぶ。迷ったらtáiとchínを合わせた一杯が、赤身と煮込みの両方を一度に試せる。牛芯を売りにする店とは食感の方向が違うので、旧市街で2軒回ると差がわかりやすい。
西湖の看板なしPhở Hồ Lợiにも朝から30人
旧市街の外、西湖(Tây Hồ)側の「Phở Hồ Lợi」にも国慶節の朝は約30人が並んだ。VnExpressは、この日の客数が普段の2倍に達したと伝えている。看板が目立たず、18時間煮込むスープで知られるこの店については、看板なしの西湖のフォー店を訪ねた記事で詳しく触れている。旧市街から少し足を延ばす人向けだ。
ミシュランガイド・ベトナムは2023年に始まった
ミシュランガイドは2023年にハノイとホーチミン市で初めてベトナム版を出し、2024年にダナンを加えた。星付きだけでなく、手頃な価格で質の高い店を選ぶビブグルマンの区分があり、ハノイではフォーやブンチャーなどの麺料理が多く入った。今回名前が挙がった店の一部も、この掲載を集客につなげている。
掲載はハノイのローカル食堂に外国人客を呼び込む後押しになった。旧市街のフォー店に観光客が並ぶ光景は、ここ数年で根づいている。
日本人旅行者の食べ歩き早見
報道で名前が挙がった店を、場所と持ち味、列の目安で並べた。営業時間や価格は報道で確認できないため、現地で確かめてほしい。
| 店名 | エリア | 持ち味 | 列の目安(国慶節時) |
|---|---|---|---|
| Phở 49 Bát Đàn | 旧市街 Bát Đàn通り | 100年超・配給時代式で自分で運ぶ牛肉フォー | 普段10〜15人/休暇中30〜40人 |
| Phở Khôi Hói | 旧市街 Hàng Vải通り50番地 | ミシュラン掲載・牛芯のphở lõi | 観光客も並ぶ |
| Phở Lâm | 旧市街 Hàng Vải通り48番地 | ミシュラン掲載・牛芯のphở lõi | 観光客も並ぶ |
| Phở Ấu Triệu | 大聖堂脇 | 小さな構えで満席・列は歩道へ | 店内満席+外に列 |
| Phở 10 Lý Quốc Sư | 旧市街 Lý Quốc Sư×Chân Cầm | ミシュラン掲載・牛肉専門で部位を選べる | 外国人客が多い |
| Phở Hồ Lợi | 西湖(Tây Hồ)側 | 看板なし・18時間煮込み | 朝に約30人・普段の2倍 |
フォーはハノイで朝の料理として根づいている。開店直後の時間帯なら列も短く、スープも仕込みたての一杯にあたりやすい。昼はブンチャー、夜はエッグコーヒーへと切り替える回り方は、ハノイ旧市街の食べ歩き記事にまとめている。フォーの後の昼食を探すなら、ブンチャーを軸にした昼の食べ歩きも合わせて読むと動線を組みやすい。
祝日と連休の朝は列を計算に入れる
国慶節のような祝日は、市内に人が戻り、朝のフォー店に列が集中する。滞在が祝日や週末に重なるなら、開店直後を狙うか、旧市街の中で候補を2〜3軒持っておくと待ち時間を抑えられる。番地の近い店同士なら、混雑を見て回り先を差し替えやすい。行列そのものが、その店の評価を映している。
参照元:
VnExpress「Xếp hàng ăn phở Hà Nội ngày lễ 2/9」
MICHELIN Guide — Phở 10 Lý Quốc Sư
