世界遺産ミーソン聖域(クアンナム省)が、9月2日の建国記念日に合わせてチャム文化の特別プログラムを組む。目玉は舞台公演『Echoes of My Son』と、レンガ塔群の前で披露されるチャム民謡。ダナン市の発表をDTiNewsが8月18日に報じた。連休に中部ベトナムを旅する人にとって、赤茶けた塔の谷で生きたチャンパ文化に触れられる一日になる。ホイアンやダナンから日帰りで組み込みやすい距離なので、遺跡見学のついでではなく、この日の公演を目的に動く価値がある。
9月2日は舞台公演とチャム民謡が塔群の前で重なる
ダナン市が国慶節の連休向けに並べた催しのうち、ミーソンでは2つが同じ9月2日に集まる。ひとつが舞台作品『Echoes of My Son(ミーソンのこだま)』、もうひとつが塔群を背にしたチャム民謡の歌唱だ。加えてダナン市内のチャム彫刻博物館では『チャンパ・ダンス』の演目が上演され、連休期間中はダナン博物館・ダナン美術館・チャム彫刻博物館の3館が入場無料になる。ミーソンの遺跡本体とダナン市内の博物館を結んで回れば、石の遺構から彫刻、そして踊りと歌へと、チャンパの表現が立体的につながる。
『Echoes of My Son』は通常、毎月中旬に上演される特別編成の演目で、ふだんの短い舞踊公演より演出に厚みがある。それを建国記念日に合わせて改めて組む形になる。日付が9月2日に限られる点が肝で、前後の平日に訪れても同じ内容は見られない。連休の旅程を組むなら、この一日を軸に前後の宿を押さえるのが現実的だ。
ミーソンはヒンドゥーの塔が並ぶチャンパ王国の聖地
ミーソンは4世紀から13世紀にかけてチャンパ王国が築いたヒンドゥー教の宗教都市で、1999年にユネスコ世界遺産へ登録された。シヴァ神を祀るレンガ造りの塔が山あいの盆地に群れをなし、接着剤を使わずに積み上げたとされる建築技法は今も完全には解明されていない。ベトナムの主流であるキン族の文化とは系譜が異なり、インド由来の神話と海のシルクロード交易が生んだ独自の美意識がここに残る。
そのチャンパの担い手だったチャム族は、現在も中南部を中心に暮らす少数民族だ。ミーソンで披露される舞踊や歌は、寺院の儀礼を源に持つ所作を今に伝えるもので、色鮮やかな衣装と水瓶を頭に載せて舞うアプサラの動きが知られる。9月2日の公演は、この生きた継承の場を通常より厚い演出で見せる機会になる。
ホイアンから約1時間、入場料15万ドンで舞踊まで含む
ミーソンはホイアンから約40km・車で1時間ほど、ダナン中心部からは65〜70kmで90分前後。多くの人はホイアンかダナン発の半日ツアーで訪れる。開場は毎日6時30分から17時30分。入場料は1人15万ドン(約860円、1円≒175ドン換算の概算)で、この料金にサイト内のチャム彫刻の展示と、ゲートから遺跡まで走る電動カートの乗車が含まれる。日中のチャム舞踊公演も入場料の範囲で見られる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | ミーソン聖域(クアンナム省、旧ダナン都市圏) |
| 特別公演日 | 9月2日(建国記念日) |
| ホイアンから | 約40km・車で約1時間 |
| ダナンから | 約65〜70km・車で約90分 |
| 開場時間 | 6:30〜17:30(毎日) |
| 入場料 | 15万ドン(約860円)・舞踊公演と電動カート込み |
為替は1円≒175ドンで換算した概算。入場料・時間は変更されることがあるため、当日現地で最新の掲示を確認したい。
暑さを避けるなら朝いちばんの回が動きやすい。日中の通常公演は演目ハウスと塔群Gの前で午前・午後に複数回組まれるが、観客が一定数に満たないと次の回に回されることがある。9月2日は連休で人出が増える分、公演が成立しやすい一方、駐車場や電動カートの待ちも読み込んでおくと安心だ。
連休の中部を歌と踊りで束ねる旅程が組める
日本の読者にとってミーソンの価値は、京都や奈良で寺社の建築を歩くのに近い感覚で、東南アジアの別系統の宗教都市を体験できる点にある。9月2日に限れば、そこに歌と舞という時間芸術が重なる。ホイアンの旧市街を朝に歩き、昼前にミーソンへ向かって特別公演を見るという半日の組み立てが素直だ。ホイアンで腹ごしらえをするなら、値段つきで名店を巡れるホイアンのバインミー名店ガイドが動線を決めやすい。
連休に中部を広く動くなら、9月1日に運行を始めるフエ〜フォンニャの遺産列車と組み合わせて北へ足を伸ばす手もある。フエの宮廷文化、ミーソンのチャンパ、ダナンの現代的な催しと、中部だけで異なる時代の層をたどれる。ダナン市内での越日交流に触れたいなら、盆踊りの輪ができるダナンの越日文化祭のような催しと日程が重なる年もあり、同じ滞在で複数の文化体験を拾える。
9月2日の一日をミーソン起点で設計する
ミーソンの『Echoes of My Son』とチャム民謡は9月2日に限った編成で、通常の日帰り見学とは中身が違う。ダナン市内3館の入場無料も同じ連休の話だから、遺跡と博物館を1本の線でつなぐと理解が深まる。まずは9月2日の宿をホイアンかダナンで確保し、朝発・午前着で特別公演の時間帯に間に合わせる。当日は入場料15万ドンに舞踊まで含まれるので、追加のショーチケットを別に買う必要はない。時間と待ちさえ読めれば、石だけが残る谷が一日だけ音と動きで満たされる場面に立ち会える。
