ベトナム政府が発行する国民デジタルID「VNeID」で、2026年9月28日から新しい取り扱いが始まります。アカウント登録に使った携帯電話番号が本人名義(chính chủ)でなくなっている場合、システムがそのアカウントを自動でロックする、という内容です。根拠は政令320/2026/NĐ-CP(電子認証を定めた政令69/2024/NĐ-CPの改正)で、法律情報サイトLuatVietnamが9月3日に伝えました。VNeIDは滞在中の行政手続きや銀行の本人確認にも使われるため、在住者・長期出張者にとっても他人事ではありません。締切前に、自分のSIMが本人名義かどうかを確認しておけば、ロックによる手続きの停滞は避けられます。
登録番号が本人名義でないと9月28日に自動ロック
今回の変更は一言でいえば、VNeIDに登録した携帯番号と、その番号のSIM契約者が一致していない場合にアカウントを止める、というものです。番号を解約・変更した、SIMを他人へ譲った、あるいは最初から家族や知人の名義で契約した番号を登録している——こうしたケースが対象になります。9月28日を過ぎるとロックが自動で走るため、確認と修正は施行前に済ませておくのが現実的です。
本人名義SIMを前提に電子認証を組み直す動き
ベトナムでは、携帯番号を契約者本人の身分情報とひもづける「実名化(chuẩn hóa)」が数年前から段階的に進められてきました。VNeIDはこの本人確認済みの番号を土台に、行政サービスや金融取引の入口を一本化する仕組みです。登録番号が第三者名義のままだと、その番号を使った認証が本人のものと確認できなくなります。今回の自動ロックは、名義のずれた番号を認証の経路から外し、なりすましを防ぐための処置と位置づけられます。銀行口座でも顔認証など生体情報による本人確認が義務化されており、口座が止まる前に生体認証を済ませる動きと同じ流れの中にあります。
番号を変えた人・他人名義SIMの人が対象
影響が及ぶのは、主に次のような状況にある人です。
- VNeID登録後に電話番号を解約または変更した
- 使っていたSIMを家族や知人に譲った、または譲り受けた番号を使っている
- 渡航時に他人名義や店頭で用意された番号のまま契約情報を更新していない
登録した番号を今も自分の名義で持ち続けている人は、原則として追加の作業は要りません。判断がつかない場合は、次の手順で名義を照合しておくと確実です。外国人でも、パスポートや在留情報でSIMを契約していれば同じ考え方で確認できます。
SIMの名義を確認する手順
自分の番号が本人名義かどうかは、いくつかの方法で確かめられます。手早いのはSMSでの照会です。
- SMSアプリで宛先に「1414」を指定する
- 本文に「TTTB」と半角スペース、続けて身分証番号(外国人はパスポート番号など契約時に使った番号)を入力する。例:TTTB 001234567890(身分証番号。パスポートの場合はパスポート番号)
- 送信すると、その身分情報で登録されている電話番号の一覧が返信される
- 返ってきた番号の中に、VNeIDに登録した番号が含まれているかを照合する
返信に自分の番号が出てくれば、その番号は本人名義です。VNeIDに登録した番号がリストになければ、名義がずれている可能性が高いため、通信会社側で契約情報の更新(実名化)が必要になります。
アプリで確認する方法もあります。VNeIDにログインし、「Ví(ウォレット)」から登録電話番号の項目を開くと、現在ひもづいている番号を確認できます。通信会社のアプリ(My Viettelなど)にも契約情報や実名化の項目があり、そこから名義の状態を確かめられます。電話で確認する場合は、契約先キャリア(Viettel/MobiFone/VinaPhone)の公式サポート窓口の番号を各社サイトで確かめて問い合わせる。
名義がずれていたときの直し方
照合の結果、登録番号が本人名義でなかった場合は、施行日までに二つを整えます。一つは、その番号のSIM契約を自分名義に更新すること。契約者本人の身分証を持って通信会社の店舗へ行くか、キャリアアプリの実名化メニューから手続きします。もう一つは、VNeIDに登録している番号を、現在自分が本人名義で使っている番号に差し替えることです。どちらの経路でも、登録番号とSIM契約者が一致する状態になれば、自動ロックの対象から外れます。SMSやアプリの照会で「実名化リストに載っていない」と表示された番号は、すでに情報がそろっていて追加手続きが不要なケースです。
よくある質問
ロックされると何ができなくなりますか
VNeIDは行政サービスの申請や銀行の本人確認の入口として使われます。アカウントが止まると、これらのオンライン手続きが進められなくなります。停止を避けるには、施行前の名義確認と修正が近道です。
外国人のVNeIDも対象ですか
電話番号を土台にした認証という仕組みは同じです。ベトナムでSIMを契約してVNeIDに登録している場合は、契約者名義と登録番号が一致しているかを同じ手順で確認しておくと安心です。
身分証番号がわからない場合はどうしますか
SIMを契約したときに使った書類(身分証、外国人はパスポートなど)の番号を使います。手元の契約書類やキャリアアプリのプロフィール欄で確認できます。
締切を過ぎてロックされたら復旧できませんか
公表資料では、ロック後の解除手順まで具体的には示されていません。停止による手戻りを避けるためにも、9月28日より前の確認をおすすめします。
VNeIDまわりで並行して確認したい手続き
VNeIDは書類や行政サービスの束ね役として使われる範囲が広がっています。同じ政令320号では、VNeIDに統合された206種の書類が役所での再提出不要になる取り扱いも定められました。外国人の側でも、各種手続きをVNeIDで束ねる動きが進んでいます。番号の名義確認を機に、自分のVNeIDにどの書類がひもづいているかも一度見ておくと、今後の手続きがスムーズです。
まとめ
2026年9月28日から、VNeID登録の電話番号が本人名義でないとアカウントが自動ロックされます。やることは二段階です。まず1414へ「TTTB 身分証番号」をSMS送信するか、VNeIDアプリやキャリアアプリで、登録番号が自分名義かを確認する。名義がずれていたら、SIM契約を本人名義に更新するか、VNeIDの登録番号を本人名義の番号に差し替える。作業自体は短時間で済みます。締切前に一度確認しておけば、手続きの停滞は防げます。
