豪州のニュースサイトNine.com.auが東南アジアの絶景15か所を選び、ベトナムからトランアン(ニンビン)、ハザン、ホイアンの3か所が入った。VnExpress Internationalが2026年8月25日に報じた。
15枠のうち3枠をベトナムが取った計算になる。北部の水郷と山岳、中部の古い港町という顔ぶれで、次の旅先を北から中部にかけて組みたい人や、連休に足を延ばしたい在住者には、そのまま行き先の下調べに使える。VnExpressは順位付きのランキングではないと書いており、3か所に序列はない。
トランアンは「陸のハロン湾」、手漕ぎ舟で石灰岩の谷を抜ける
Nineがベトナムから挙げた1か所目がニンビンのトランアン。石灰岩の岩山が静かな川と水田の上へそそり立つ景観を「陸のハロン湾」と呼び、手漕ぎ舟で川を進みながら洞窟をくぐる時間を推していた。トランアン景観複合体は2014年にユネスコの複合遺産へ登録されており、映画のロケ地としても知られる。
ハノイから約90km、車で2時間ほど。トランアンやタムコックの舟下りは半日で回せるため、ハノイ滞在の日帰りに組み込みやすい。舟は漕ぎ手ひとりに客数人で、閑散期の平日午前は待ち時間が短い。同じニンビン省では旧クアットラムが「ザオニン」として海水浴地に整備され、山と川の景観に海の選択肢も加わった。
ハザンはマーピーレン峠とハザン・ループ、越北端の山岳ルート
2か所目のハザンは中国と国境を接する最北部。Nineはマーピーレン峠から見下ろすトゥサン渓谷を東南アジアで最も深い峡谷のひとつと評し、モン族やタイ族の集落を縫って走るバイク周遊路「ハザン・ループ」を旅の中心に据えていた。棚田と切り立つ岩峰、峠道が連なる区間で、車窓より二輪やジープの方が景色に近づける。
ハノイから約300km北にあり、峠道を含めて数日かけて回る前提の土地になる。ハザン一帯はドンヴァン・カルスト台地としてユネスコ世界ジオパークに登録されており、岩山と峡谷の地形そのものが見どころになっている。秋のそばの花の時期は畑が白く染まり、写真目当ての来訪が集中する。天候には左右されやすく、雨季は落石やぬかるみが出る。運転に自信がない場合は、地元ドライバー付きのツアーや、後席同乗のイージーライダー方式を選ぶ人が多い。
ホイアンは来遠橋と会館群、灯りの残る古い港町
3か所目のホイアンは、自然景観の2か所とは色合いの違う古い交易港。15世紀から栄えた港町で、旧市街は1999年にユネスコ世界遺産へ登録された。木造の町家、日本人商人が架けたと伝わる来遠橋(日本橋)、中国系商人の会館が徒歩圏に固まって残る。Nineはカオラウやバインミーといった中部の食にも触れていた。旧市街は入場チケット制の区域があり、主要な古民家や会館はチケットで見学する仕組みになっている。
ダナン国際空港から約30km、車で40分ほど。空港からの移動が短く、旧市街は歩いて回れる。夕方から夜にランタンの灯りが増える時間帯が人出のピークで、朝の旧市街は人が少ない。値段つきで巡ったホイアンのバインミーのように、食べ歩きの目的地が旧市街に密集しているのも動きやすさにつながる。
北の2か所と中部を1本で結ぶなら、飛行機と数日の余白がいる
3か所はニンビン・ハザンが北部、ホイアンが中部に分かれる。ニンビンはハノイ発の日帰り、ハザンはハノイを起点に数日、ホイアンはダナン便で入る動線になり、まとめて回るならハノイ入り・ダナン出しの片道航空券が組みやすい。日程が短ければ、ハノイ周辺(ニンビン)か中部(ホイアン)のどちらかに絞る方が移動で消耗しない。
- ニンビン(トランアン): ハノイから約90km・車2時間。舟下りは半日。平日午前が空く。
- ハザン: ハノイから約300km北。数日かけて周遊。運転に不安があればツアーやドライバー同乗。
- ホイアン: ダナン空港から約30km・車40分。旧市街は徒歩。朝は人が少なく夜はランタンで混む。
今回の顔ぶれは、3か所のうち2か所が自然景観で、都市部の観光地は入っていない。ハロン湾やホーチミン市のような定番より、川と岩山、峠道といった風景が海外の読者に刺さっている構図が読み取れる。ハザンのように交通の便が良くない土地まで挙がった点は、絶景そのものを目的に足を運ぶ層が増えていることを示す。
海外メディアのリスト入りは、その後の来訪者数を押し上げる材料になりやすい。フーコックがExpediaの世界トップ10に入って上半期の集客が伸びたように、露出が増えるほど人気の場所は混みやすくなる。今回の3か所も、閑散期の平日や早朝を狙う方が、写真も待ち時間も条件がよくなる。特にホイアンは夕方以降に人が集まるため、古民家をゆっくり見るなら朝一番が動きやすい。
ベトナムの3か所は、北の水郷・北端の山岳・中部の港町と性格がはっきり分かれている。まず日帰りで行けるトランアンの舟下りを試し、時間が取れる旅でハザンの峠道、街歩き中心の旅でホイアンの旧市街と、旅の長さに合わせて選び分けるのが現実的だ。
