ベトナム政府の決議66.22/2026/NQ-CP により、8月15日からVNeIDを使った電子手続きに手数料の免除・減額が入る。目玉は車の登録税だ。自動車は50%オフ、二輪車はゼロになる。京都から来た駐在でも、車やバイクの購入・名義変更を控えている在住者には直接お金に響く話になる。
ただし条件はVNeIDのレベル2アカウント。日本人を含む在住者がどこまで使えるかは、統合できる書類とパスポートが要る場面を分けて考える必要がある。買い物ではなく行政手続きで「やっておくと得する」準備として、対象と落とし穴を整理する。
8月15日から2027年2月末まで、期間限定で始まる
afamilyやkenh14の報道によると、決議66.22/2026/NQ-CPは2026年7月9日に出され、効力は8月15日から。優遇が続くのは2027年2月28日までで、そこから先は未定だ。狙いは「デジタル市民(公民数)」を増やすこと。窓口に並ぶ紙の手続きから、VNeIDアプリ上の電子申告へ人を動かすための、期間を区切った誘導策と読める。
対象になるのは車両登録・ナンバー交付、運転免許の交付、そして家・土地・自動車・二輪車の登録税(lệ phí trước bạ)だ。すべてを一律ゼロにするのではなく、手続きごとに「全額免除」と「決められた率での減額」が分かれている。
VNeIDレベル2とは何か、何を統合するのか
VNeIDは公安省が出す電子身分アプリで、レベル1は自己申告、レベル2は警察署などで本人が対面確認を済ませた上位アカウントを指す。今回の優遇はレベル2が有効であることが大前提になる。
車の登録税の減額を受けるには、レベル2に加えて個人の税コード、車両登録情報、譲渡側の資産所有情報をアプリに取り込む。さらに基本5点の統合が求められる。出生証明、銀行カード・決済口座・電子ウォレット・モバイルマネーのいずれか、社会保障口座、本人名義の携帯番号、電子健康手帳(sổ sức khỏe điện tử)だ。この5点が「そろえると手数料が下がる」条件になっていて、5点統合と外国人がどこまで対象かを整理した記事と合わせて見ると、自分に足りない書類が見える。
自動車50%オフ、二輪車ゼロ——確認できた数値だけ
複数のベトナム媒体が伝える減額の中身は、車と二輪車で差がある。以下は決議に基づき報じられた、電子申告・電子納付を満たした場合の扱いだ。
| 手続き | 優遇 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 自動車の登録税 | 50%減 | VNeIDレベル2+電子申告・納付 |
| 二輪車(バイク)の登録税 | 100%免除 | 同上 |
| 適用回数 | 1人あたり年1回 | — |
| 減額の上限 | 基礎給与の5倍まで | 申告時点の基礎給与で計算 |
| 適用期間 | 2026/8/15〜2027/2/28 | — |
出典:Nghị quyết 66.22/2026/NQ-CP を報じた doanhnghiephoinhap・suckhoedoisong ほか。金額の上限は基礎給与に連動するため、申告のタイミングで変わる。
注意したいのは、優遇が1年に1回・1人までで、減額できる額に「基礎給与の5倍」という天井がある点だ。高額車を複数登録して丸ごと浮かせる、という使い方はできない。家や土地の登録税も対象で、不動産(nhà đất)は10%減と報じられている。ただし減額の実額は申告前に税務窓口で確認するのが確実だ。
在住日本人が押さえる注意点
まず言語だ。VNeIDのアプリはベトナム語が基本で、税コードや資産情報の統合画面も越語で進む。読み違えると別人の情報を結びつけかねないので、越語が不安なら統合作業は現地の人に横についてもらうのが安全だ。
次に、VNeIDで完結しない場面が残ること。電子身分が使えても、国際線の搭乗では紙のパスポートが要る——VNeIDの電子パスポートは国内線専用という整理がそのまま当てはまる。行政のオンライン化と、出入国で原本を求められる実務は別物だと考えておきたい。車まわりでは、車検が紙不要でVNeIDに寄っていく流れと今回の登録税減額が重なり、車の手続きは急速にアプリへ集約されつつある。
使うか見送るか、手続き前に確認する三点
この優遇を取りに行くかは、直近で車やバイクを買うかどうかで決まる。予定があるなら、レベル2アカウントが有効か、基本5点の統合が済んでいるか、電子申告・電子納付の導線を店側が案内できるかの三点を、契約前に確かめておくと当日に慌てない。二輪車なら登録税がまるごと消えるので、8月中旬以降に名義変更を予定していた人は日程を少し後ろにずらす価値がある。逆に当面その予定がないなら、期間限定の制度に急いで飛びつく必要はない。2月末までという区切りを頭の隅に置き、買うタイミングが来たときに思い出せるようにしておけば十分だ。
