VNeIDの電子パスポートは国内線専用、ベトナム国際線は紙パスポート必須

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ベトナムのスマホ身分証アプリ「VNeID」にパスポート情報が載るようになり、「もう冊子は持ち歩かなくていい」と受け取った人が出始めています。ですがベトナム公安省・出入国管理当局は2026年7月以降、この電子パスポートは行政手続き用であり、空港や国境での出入国審査では紙のパスポートの代わりにならないと繰り返し注意喚起しています。ハノイ市公安・出入国管理課が2026年7月9日に出した案内をCafeFが2026年8月5日に改めて取り上げ、旅行シーズンの誤解が広がっていることを伝えました。日本からの出張者や在住日本人が空港で足止めされないよう、どこまでが使えてどこからが紙必須なのかを整理します。

目次

VNeIDの「電子パスポート」は行政手続き専用、国際線の出入国では冊子しか通らない

ベトナム当局の説明は明快です。VNeIDに統合されたパスポート情報は「hộ chiếu bản giấy(紙の冊子)の代わりにはならない」とされ、出国・入国の手続きでは有効な原本の冊子を必ず携行しなければなりません。これは航空機での渡航でも、陸路の国際ゲート通過でも同じ扱いです。

あわせて当局が名指しで否定したのが、パスポートの「写真・スキャン・コピー・VNeID上の表示データ」のいずれも審査では受け付けない、という点です。スマホ画面のパスポート情報を見せれば通れる、という発想はベトナムの国際線では成立しません。ハノイ市公安・出入国管理課は、VNeID上のパスポート情報は「行政手続きのときだけ冊子の代替になる」と限定した上で、出入国では「紙の冊子の提示が義務」と述べています。

国内線でVNeIDが効くのはベトナム国籍者、外国人は結局パスポート提示が要る

混乱の原因は、国内線と国際線でルールがまったく違うことにあります。ベトナム民間航空局は2023年6月1日〜8月1日の試行を経て、2023年8月2日から国内全空港でVNeIDのレベル2(生体情報まで登録した口座)を国民身分証カード(CCCD)の代わりに使えるようにしました。搭乗手続き・保安検査・搭乗ゲートの各段階で使えるため、ベトナム人の間では「VNeIDで飛行機に乗れる」という感覚が定着しています。

ここで在住外国人が誤解しやすいのが、この国内線ルールが自分にもそのまま当てはまると考えてしまう点です。VNeIDは2025年7月1日から在ベトナム外国人もレベル2口座を作れるようになりましたが(登録には有効なパスポート、一時滞在カードまたは永住カード、本人名義のベトナム携帯番号が必要で、初回は窓口対応)、国内線でも外国人乗客は紙のパスポート提示を求められるのが実務です。2026年の運用では、一時滞在カード(TRC)や永住カード(PRC)だけでの国内線搭乗は不可とされ、パスポート原本の携行が前提になっています。VNeIDは補助にはなっても、外国人にとって冊子の確実な代わりにはなりません。

場面 VNeIDの電子パスポートで通れるか 実際に必要なもの
国内線(ベトナム国籍) レベル2口座で搭乗可 VNeIDレベル2
国内線(外国人) 不可・紙が確実 紙パスポート+在留カード(TRC/PRC)
国際線の出入国 不可 残存6ヶ月以上の紙パスポート+ビザ/免除
行政手続き VNeID上の情報でよい場面あり VNeID または 紙パスポート

自動化ゲート(Autogate)を使っても、オンラインチェックイン後でも冊子の提示は省けない

空港の顔認証つき自動化ゲート「Autogate」を登録していれば手ぶらで抜けられる、という理解も当局は否定しています。公安省の公共サービスポータルの案内では、自動ゲートの利用登録者であっても審査でパスポート原本と出入国に必要な書類の提示が必要とされています。ゲートが自動化されても、原本を持っていること自体が前提です。

オンラインチェックインを済ませて搭乗券を持っていても事情は変わりません。国際線ではカウンターやゲートで冊子の現物確認があり、破れ・水濡れ・書き込みなどで傷んだパスポートは審査に時間がかかったり搭乗を断られたりします。VNeIDに情報を入れておくと紛失・破損時の身元確認には役立ちますが、出入国審査を通す役割は冊子が担い続けます。

在住日本人・出張者が今日から押さえておく4つの備え

過度に身構える話ではありません。要は「デジタルは補助、原本が主役」という当たり前を、ベトナムでも徹底するだけです。

  • ベトナム発着の国際線では、残存6ヶ月以上のパスポート冊子を必ず手荷物に入れる。スマホのVNeIDや写真は代替にしない。
  • ベトナム国内を飛行機で移動する予定があるなら、外国人はパスポート原本を携行する。在留カードだけで空港に行かない。
  • ベトナム人の同僚や家族が「VNeIDで乗れる」と言っても、それは国内線かつベトナム国籍の話。自分の条件に置き換えない。
  • 入国前のデジタル到着カードの事前申告や、滞在先ごとのビザ免除の条件など、冊子とは別に事前に済ませる手続きも早めに確認しておく。

「紙の冊子を主、デジタルを従」に切り替えれば足止めは避けられる

ベトナムのデジタル身分証は行政手続きでは確実に便利になっていますが、国境をまたぐ場面では2026年時点でも紙のパスポートが決定権を握っています。VNeIDの電子パスポートは国内の窓口用、国際線の出入国は紙の原本、と役割を分けて覚えておけば、空港カウンターで慌てることはありません。搭乗前日に冊子の所在と残存期間を確認する習慣を、ベトナム生活の持ち物チェックに一つ足しておくと安心です。

参照元

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この記事を書いた人

ベトナム・ホーチミン在住3年目|旅行で来るだけでは知ることができない、現地にいるからこそわかるローカル情報を中心に発信していければと思いベトナム旅行の専門情報サイトを立ち上げました。

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