ハノイ「鉄道カフェ街」運行ルート見直しへ――Phung HungとLe Duanの30軒、計画と現実

ハノイ旧市街の名物観光スポット「鉄道カフェ街(Hanoi Train Street)」をめぐり、市中心部を貫く列車ルートの見直し計画が表面化している。2026年1月にハノイ市人民委員会が提案し、建設省はその後の検討で「2026年7月までに関連業務を完了するよう」市側に求めた。ただしこれは指示・目標であり、関連法整備、代替駅の整備、貨物輸送の振替計画の合意などが残っており、実際の運行ルート切替時期は前後する可能性がある。Phung Hung通り側のライセンス済みカフェはドリンク注文で入場可、Le Duan通り側のアレイ224は無料開放が続く現状で、線路ギリギリで列車を見送る世界的な観光体験は当面続く見通しだ。Shipped AwayVnExpress Internationalの現地報道をもとに、現状とルート変更計画を整理する。

目次

ルート変更計画の現在地――提案から検討段階へ

VnExpress International(2026年3月5日付)によれば、ハノイ市人民委員会は2026年1月、市中心部を貫くハノイ駅〜Gia Lam駅間の列車運行を取りやめる案を提案した。これを受けて建設省はハノイ市側に対し、2026年7月までに関連業務を完了するよう求めた。同時期に省庁横断のタスクフォースが設置され、法的枠組みの確認と包括計画の起草作業が進んでいる。

ただし、報道は「if fully implemented(完全に実施されれば)」「would mean(〜となるだろう)」といった条件付きの表現で計画を紹介しており、最終決定や実施時期は確定していない。検討されている主な内容は次の通り。

  • 南方面からの列車はハノイ駅で終点とする案
  • 北方面からの列車はGia Lam駅で終点とする案
  • 両駅間の旅客接続として無料シャトルバスを運行する案
  • 市中心部を貫く現行ルートでは旅客列車本数を削減し、貨物列車を取りやめる案

SNSやTikTokで世界的に拡散した「列車が線路ギリギリのカフェ席をかすめて通過する」風景は、計画が予定通り進めば中期的に変わる可能性があるが、訪問計画を立てる旅行者は「2026年7月で必ず終わる」と捉えるのではなく、現地の発表と運行状況を直前に確認する姿勢が必要だ。

Phung Hung側――ライセンス済みカフェでドリンク注文すれば入場可

2026年5月時点で、ハノイ・トレインストリートはPhung Hung通りとLy Nam De通りに挟まれた区間(特に5 Trần Phú付近)が中心。Phung Hung側はバリケードと警察のチェックポイントで一般観光客の立ち入りが制限されているが、ライセンスを取得したカフェに予約・入店してドリンクを注文する形であれば入場が認められている。

ドリンクの相場は50,000〜80,000ドン(約294〜471円)で、ベトナム式アイスコーヒー、ココナツコーヒー、ホットチョコレートなどが定番。代表的な店はCoffee 74(ホットチョコレートとココナツコーヒーが看板)とRailway Cafe(イタリア人オーナーが運営、エスプレッソ系メニューが充実)。線路に最も近い席は予約埋まりが早く、列車通過時間に合わせて事前予約しておくのが鉄則だ。

Le Duan側「アレイ224」――無料開放継続中の穴場

もう一方のLe Duan通り側「アレイ224(224 Lê Duẩn)」は2026年5月時点でも無料開放が続いている。Phung Hung側に比べてカフェの数は少ないが、地元住民の生活と観光客が混在するローカル感が強く、SNSで「知る人ぞ知る穴場」として再評価されている。

注意点としては、列車通過時間以外は意外に閑散としており、見学のためには時刻表の事前確認が必須。ハノイ駅から徒歩10分圏でアクセスも良いため、Phung Hung側が混雑する週末は代替ルートとして人気が高まっている。

2026年5月時点の列車スケジュール(カフェ滞在の必須情報)

曜日 列車通過時間
平日 19:00 / 19:45 / 20:45 / 21:30
週末 08:30 / 09:30 / 11:30 / 15:20 / 17:30 / 19:20 / 20:45

※スケジュールは頻繁に変動するため、訪問当日は必ずカフェスタッフに最新時刻を確認すること。列車接近時はスタッフの誘導に従い、線路から離れて着席する義務がある。立ち上がっての撮影や線路上での撮影は厳禁で、違反時は退場・罰金の対象となる。ルート見直しの議論が進むなかで、運行本数や時刻が変わる可能性もある点に留意したい。

SNSと観光客の反応

「Coffee 74のテラス席で20cm先を列車が通った。いつか体験できなくなるかもと思うと、緊張と興奮で写真を撮れなかった」(Instagram、東京在住・20代女性の投稿意訳)

「アレイ224の方が地元の生活が見える。観光客向けに整備されたPhung Hung側より、こっちの空気が好き」(X、ハノイ在住・写真家の投稿意訳)

「ルート変更の話を聞いてベトナム滞在中に2回行ってきた。Railway Cafeのオーナーは『計画はまだ動いている段階だから、しばらくは楽しめるよ』と笑っていた」(Threads、ホーチミン在住・旅行ブロガーの投稿意訳)

TikTokでは「#hanoitrainstreet」「#trainstreethanoi」のハッシュタグで投稿数が再増加。「ルート変更の話が出ているうちに行きたい」というワードと組み合わせて訪問する旅行者の動画が連日アップされ、再生回数は累計数千万回規模で推移している。

日本人観光客への影響

日本からハノイを訪れる旅行者にとって、トレインストリートは旧市街観光の定番。2026年内に訪問する場合は、以下のステップを推奨する。

  1. 事前にPhung Hung側カフェの予約を確保(公式Facebook・Instagramから可)
  2. 列車通過時間の30分前に到着し、ドリンク注文
  3. 列車通過時はスタッフ誘導に従い、撮影は座席から
  4. 退場後はLe Duan側「アレイ224」も合わせて散策
  5. 訪問前に最新の運行情報・規制情報を現地メディアまたは予約先で確認

ホアンキエム湖から徒歩15分圏にあるため、エッグコーヒー発祥のCafé Giang韓国大統領が訪れたPhở Lý Quốc Sưと組み合わせて午後〜夜の旅程を組むのが効率的だ。

業界・観光への波及

ルート変更計画は、30軒以上の鉄道沿いカフェの経営に直接影響する可能性が高い。Coffee 74、Railway Cafe、The Railway Hanoi、99 Train Caféなど主要店舗は、列車運行が変わった場合に備えて、「レトロな線路と廃線跡をフォトスポット化する」案や「線路を活用した夜のライトアップイベント」を検討中と伝えられる。

ハノイ市当局は、線路跡地を歩行者専用の遊歩道に転換する案を併せて検討しており、観光資源としての再活用が議論されている。一方で、地元住民の中には「線路上の観光化が安全リスクと住民生活の犠牲の上に成り立っていた」として、ルート見直しを歓迎する声もある。ハノイ旧市街の観光トレンドは、また一つ大きな分岐点に差し掛かっている。

訪問前に押さえる実用情報

項目 詳細
主な場所 Phung Hung通り側(5 Trần Phú付近)/Le Duan通り側「アレイ224」
Phung Hung側入場 ライセンス済みカフェでドリンク注文必須(50,000〜80,000VND)
Le Duan側入場 無料開放(2026年5月時点)
主要カフェ Coffee 74、Railway Cafe、The Railway Hanoi、99 Train Café等30軒以上
列車スケジュール 平日4本/週末7本(要現地確認)
ルート変更計画 2026年1月に市が提案、建設省は同年7月までの業務完了を要請(最終決定は未確定)
変更後の線路活用案 歩行者遊歩道、フォトスポット、ライトアップイベント等(検討段階)
アクセス ハノイ駅から徒歩10分/ホアンキエム湖から徒歩15分
注意事項 列車接近時は必ず着席、線路上撮影禁止

まとめ:30軒のカフェと「世界一近い列車」、計画と現実を見ながら訪問計画を

ハノイのトレインストリートは、ルート見直し計画の検討が進むなかで、当面は「線路ギリギリで列車を見送る」体験が可能な状態が続く。Phung Hung側の予約制カフェも、Le Duan側の無料開放アレイも、計画の進捗によって将来的に観光資源の形が変わる可能性はあるが、現時点で「いつまで」と確定的に言える段階ではない。世界中のSNSでバイラル化したこの風景を体感したいなら、最新の運行情報を確認しながら早めに訪問計画を組むのが現実的な対応だ。

日本からハノイを訪れる予定があるなら、ライセンス済みカフェでドリンクを注文し、スタッフの誘導に従って安全に楽しむことを基本に据えてほしい。ルート変更が実施された場合に線路跡地がどう生まれ変わるかは将来の旅行で確認する――そんな2段階の旅の楽しみ方を頭に入れておくと、計画変更にも柔軟に対応できる。

引用元

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この記事を書いた人

ベトナム・ホーチミン在住3年目|旅行で来るだけでは知ることができない、現地にいるからこそわかるローカル情報を中心に発信していければと思いベトナム旅行の専門情報サイトを立ち上げました。

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