ホーチミン市An Khanh区『CieL Dining』Food & Wine誌「世界TOP10」3位――15席の北欧×日本ファインダイニング

米食専門誌Food & Wineが2026年4月22日に発表した「2026 Tastemakers Awards」で、ホーチミン市An Khanh区(旧2区エリア/現Thu Duc市)の15席ファインダイニング「CieL Dining」が世界ベストレストラン3位にランクインした。シェフを務めるLe Viet Hong氏は2025年にミシュランガイド・ベトナム版ヤングシェフ賞を受賞した若手。北欧の美意識と日本のミニマリズムを融合した店内で、フレンチ技法とアジアの食材を掛け合わせた10コースが供される。VnExpress Internationalミシュランガイド公式記事を中心に詳細を整理する。

目次

15席のオープンキッチンで提供される10コース

CieL Diningはホーチミン市Thu Duc市An Khanh区50番通り6/3番地(旧2区エリア)に構える小規模ファインダイニングで、客席はわずか15席。中央のオープンキッチンを囲むようにテーブルが配され、料理が組み立てられる過程をライブで観る構造になっている。提供されるのは10コースのテイスティングメニューで、内容は季節ごとに更新される。

シグネチャーはエッグカスタードに合わせた魚浮き袋(fish maw)の一皿。中華食材として伝統的に使われる魚浮き袋を、フレンチのカスタード技法で仕立て直す構成は「東西の橋渡し」と評されている。Food & Wineの選考では、こうした「文化交流から生まれる料理」と地元産食材へのこだわりが高く評価された。

シェフLe Viet Hong――2025年ミシュランヤングシェフ賞受賞

店を率いるLe Viet Hong氏は、2025年に発表されたミシュランガイド・ベトナム版でヤングシェフ賞(Michelin Young Chef Award)を受賞した若手だ。同年にCieL Diningはミシュラン1つ星も獲得しており、ホーチミン市内でも有数の評価を持つ店に成長している。

店内デザインは北欧の美意識×日本のミニマリズムを掲げる。木質感のある柔らかな照明、無駄を削ぎ落としたカウンター、視線が抜ける動線――これらが料理の存在感を引き立てる装置として機能している。

Food & Wine「2026 Tastemakers Awards」とは

同賞は世界各地のシェフ・料理ライター・旅行ジャーナリスト400名超が選ぶ年次アワードで、毎年Food & Wine誌が発表している。2026年版「世界ベストレストラン10」では、CieL Diningが3位に選出された。アジアの新興店が世界トップ3に入ること自体が異例で、ベトナム外食業界にとって象徴的な出来事となった。

同賞は商業色を抑え、業界内部の評価を重視する点が特徴だ。日本の三つ星店が常連となるアワードと並び、グローバルな食通が参考にする指標として知られている。

CieL Dining 概要データ(円換算 1JPY=170VND)

項目 詳細
店名 CieL Dining(シエル・ダイニング)
住所 6/3 Street No. 50, An Khanh Ward, Ho Chi Minh City
客席数 15席(カウンター中心)
シェフ Le Viet Hong(2025年ミシュランヤングシェフ賞)
コース数 10コース・テイスティングメニュー
シグネチャー 魚浮き袋とエッグカスタード(フレンチ技法)
ミシュラン 1つ星(2025年)
Tripadvisor評価 5/5
Google評価 4.8/5
受賞 Food & Wine 2026 Tastemakers Awards 世界ベストレストラン3位

※コース料金は予約時に都度案内される非公開制。一般的にホーチミンのミシュラン1つ星店のテイスティングメニューは300〜500万VND(約1.8万〜2.9万円)前後の価格帯となる。

業界・現地メディアの反応

「魚浮き袋とエッグカスタードの一皿は、中華の伝統食材をフレンチのカスタード技法で再構築した意欲作。ホーチミンの若手シェフがここまで攻めた構成を出してきたのは大きな転換点」(ホーチミン在住・フード批評家のFacebook投稿意訳)

「魚浮き袋を使った皿は、中華の伝統食材をフレンチ仕立てに昇華させた象徴的な一品。アジア×ヨーロッパの新しい文法を提示している」(ミシュランガイド・ベトナム版インスペクターのコメント意訳)

「Thu Duc市An Khanh区の住宅街にある小さな店が世界3位とは思わなかった。予約は数週間先まで埋まりそう」(ホーチミン在住・40代旅行ブロガーのThreads投稿意訳)

SNSでは「予約が取れるうちに行きたい」「日本人観光客の予約も増えそう」との声が並んだ。ベトナム国内では「ベトナムの食が世界舞台に立った瞬間」として記事のシェア数が急伸している。

日本人観光客への影響と実用情報

CieL Diningはホーチミン市1区中心部から車で約15〜20分のAn Khanh区(Thu Duc市内、旧2区エリア)に位置する。観光地化されたエリアではなく、住宅街の路地に佇む隠れ家的なロケーションだ。サイゴンツーリストとミシュランの提携以降、ベトナムのファインダイニングを目当てに来る日本人観光客が増えており、CieL Diningも今後さらに予約難となる見込みだ。

予約は公式サイトのフォームから行う必要があり、当日のドレスコードはスマートカジュアル以上が推奨される。15席という規模上、ピーク時は数週間〜1ヶ月先まで予約が埋まることが多い。

業界・社会への波及

Food & Wine誌の世界TOP3入りは、ベトナム外食業界にとって「観光客が世界の美食を目当てに来る都市」へのステップとなる。ミシュランガイド・ベトナム版が2023年に上陸して以来、ホーチミン・ハノイのファインダイニングは急速に水準を上げており、CieL Diningはその象徴的な存在だ。

地元の若手シェフが世界舞台で評価されたことで、ハノイのスペシャルティコーヒーや地方産食材を活かす店にも国際的な注目が集まりやすい流れができた。ベトナム観光省は2026年を「美食観光元年」と位置づける動きも見せており、CieL Diningはその起点として記憶される存在になりそうだ。

訪問前に押さえる実用情報

項目 詳細
所在地 An Khanh Ward, Thu Duc City, Ho Chi Minh City(旧2区エリア)
アクセス 1区中心部から車で約15〜20分
予約方法 公式サイトの予約フォーム(推奨:1ヶ月前)
ドレスコード スマートカジュアル以上
所要時間 10コースで約2.5〜3時間
支払い クレジットカード可
言語 英語対応可
同伴推奨 記念日・接待・ファインダイニング目的の旅行者

まとめ:路地裏の15席が世界3位に立つ意味

住宅街の小さな店が世界TOP3に名を連ねたことは、ベトナム外食シーンの「次のステージ」を象徴している。フレンチ技法とアジア食材を組み合わせる手法は、ホーチミンの若手シェフが追求してきた方向性そのものだ。CieL Diningはその到達点として、世界の美食家たちに「ベトナムのファインダイニング」という新しいカテゴリを認知させた。

日本からの旅行者がホーチミンで贅沢な一夜を過ごすなら、まず予約を押さえておきたい一軒だ。15席というサイズは「行きにくさ」と同時に「特別さ」を担保しており、世界的な評価が定着するほど予約は取りにくくなっていく。

引用元

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この記事を書いた人

ベトナム・ホーチミン在住3年目|旅行で来るだけでは知ることができない、現地にいるからこそわかるローカル情報を中心に発信していければと思いベトナム旅行の専門情報サイトを立ち上げました。

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