ベトナムの首都ハノイが、9月2日の建国記念日(国慶節)にあわせた連休に、市内のバスと都市鉄道2路線を全区間無料にする。対象期間は8月29日から9月2日までの5日間。60歳以上といった年齢の線引きはなく、外国人を含む全利用者が運賃ゼロで乗れる。連休にハノイへ入る出張者や、旧市街・ホアンキエム湖の周辺で用事をこなす在住者にとって、この5日間は足回りのコストと、現金やカードをそろえる手間がまとめて消える。
誰に向けた話かというと、9月頭にハノイ滞在が重なる人向けだ。市内の移動を無料に切り替えられるうえ、混雑を見越して本数も増発される。
無料はバス全路線とメトロ2A・3.1、切符もタッチもいらない
対象になるのはハノイのバス全路線と、都市鉄道の2A号線・3.1号線の2本だ。2A号線はカットリン〜ハドンを結ぶ高架メトロで、2021年11月に開業したベトナム初の都市鉄道。3.1号線はニョン〜カウザイの高架区間を走り、2024年8月から旅客営業に入った。ハノイで実際に動いている地下鉄はこの2本で、連休中はどちらも運賃箱もカードタッチも不要、そのまま乗り込める。
2路線は市の西側を東西に走り、カウザイ付近で3.1号線からバスに乗り継げば、券売機も改札もない区間だけで中心部の手前まで届く。片方はハドン方面の住宅密集地、片方はニョン方面のニュータウンを抜けるため、通勤・帰省とイベント客の動線が重なりやすい。運賃を外して2本のメトロへ人を寄せることには、道路の渋滞を逃がす意味もある。
普段のハノイのバスは、乗車時に運賃を払うか無料IC定期を用意しておく建て付けで、路線によっては距離制運賃で降車時のタッチが要る。到着したばかりで無料バスの申請カードを持っていない短期滞在者は、いつもならメトロの券売機やバスの小銭で足止めを食いやすい。連休の5日間はその段取りが丸ごと省ける。
始発4時半・終電22時、増発される本数の中身
運行時間はバスが4時30分から22時30分、メトロ2路線が5時30分から22時まで。連休中は帰省客や祭事の人出を見込み、通常より本数を積み増す。市が公表した1日あたりの運行本数は次のとおり。
| 系統 | 運行時間 | 1日の本数・間隔 |
|---|---|---|
| バス(全路線) | 4:30〜22:30 | 約17,335〜17,645便/5〜30分間隔 |
| メトロ2A(カットリン〜ハドン) | 5:30〜22:00 | 203本/約10分間隔 |
| メトロ3.1(ニョン〜カウザイ) | 5:30〜22:00 | 200本/約10分間隔 |
本数・運行時間はハノイ市の発表値。8月30日は17,335便、8月29日・31日は17,645便、9月1〜2日は17,642便とわずかに日ごとで変わる。
ホーチミンの「60歳以上は無料」とは別物、今回は全員が期間限定
ハノイの今回は、年齢や居住地で対象を絞らない期間限定の全員無料だ。ホーチミンが打ち出した高齢者向けの常設無料とは仕組みが違い、5日間という区切りと「誰でも」という間口の広さが特徴になる。ホーチミンでは全路線を無料にした時期があり、5日間で132万人が乗り利用が3割増えた実績が出ている。運賃を外すと需要が跳ねることは南部で先に見えていて、ハノイの連休増発はその読みに沿った動きになる。
国慶節の連休はハノイでも人出が集中する。ホアンキエム湖やバーディン広場の周辺は歩行者天国やイベントで車もバイクも動きづらくなり、路上駐車の場所探しに時間を取られる。無料のメトロとバスへ乗客を寄せておけば、混雑した中心部に自家用車を呼び込まずに済む。旅行者や出張者から見れば、渋滞に巻き込まれず、しかも運賃ゼロで会場近くまで運んでもらえる時間帯が5日間続く形になる。
連休のハノイを無料で動くときの実用メモ
- 旧市街やホアンキエム湖へは、3.1号線でカウザイまで出てからバスへ乗り継ぐと運賃をかけずに中心部へ入れる。
- 始発は4時30分、終電・最終バスは22時台。国慶節当日の夜イベントは終演が遅くなりやすいので、帰りの足は22時前に確保しておく。
- 無料でもラッシュ時間帯のメトロは満員になりやすい。大きな荷物を持つ移動は10分間隔の合間を狙う。
- タクシーや配車は連休料金と渋滞で読みにくい。会場の最寄り駅を先に調べ、メトロ+徒歩で組むと時間が計算しやすい。
- 無料は9月2日まで。3日以降は通常運賃に戻るので、延泊するなら現金かIC定期の準備に切り替える。
5日間の無料期間をどう使い切るか
ハノイの無料はバス全路線とメトロ2A・3.1、8月29日から9月2日の5日間、全利用者が対象という3点を押さえれば動きやすい。券売機に並ばず、小銭を用意せず、そのまま乗れる時期は限られる。連休にハノイへ入るなら、宿と主要スポットの最寄り駅を地図で結んでおき、初日から無料区間を軸に予定を組むと、混雑した街を運賃ゼロで回り切れる。9月3日からは通常運賃に戻る点だけ、帰りの予定に入れておきたい。
