ホーチミン市1区タンディン地区に、戦時中の秘密基地がそのまま残るカフェ「Cà Phê Đỗ Phủ(カフェ・ドーフー)」がある。1940年代に開いた古いコーヒー・コムタム(ブロークンライス)店だが、その正体はサイゴン特殊部隊(ビエットドン)の秘密拠点だった。床下には武器や書類を隠した地下壕や逃走用の通路が今も残り、客は実際に降りて見学できる。ベトナムコーヒーを片手に戦争の記憶に触れられる、歴史好きには見逃せない一軒だ。
1区タンディン、半世紀以上続く老舗カフェ
店があるのは1区タンディン地区のダンズン通り113A番地。1940年代にドー・ミエン氏とグエン・ティ・スー夫妻が開いたコーヒーとコムタムの店で、「ドーフー(ドー家)」の名はこの一家に由来する。表向きはごく普通の街のカフェだが、1975年以前のこの店は別の顔を持っていた。営業は毎日7時〜22時。
普通のカフェを装ったサイゴン特殊部隊の拠点
戦時中、この店はサイゴン特殊部隊(ビエットドン)の秘密基地として機能していた。店主は店内で秘密会合を開き、武器や弾薬を隠し、米軍に追われる兵士や工作員をかくまっていた。店の秘密活動の管理を担ったのがチャン・ヴァン・ライ氏(通称ナム・ライ)だ。普段着の客で賑わうカフェの裏で、抵抗運動の連絡網が動いていた。
今も残る地下壕・逃走路・秘密の郵便受け
店内には、会合が露見した際に逃げるための通路やはしごが今も残っている。地下には武器や重要書類を保管する秘密の壕が掘られ、安全に連絡を取り合うための「秘密の郵便受け」が巧妙に隠されていた。客は実際に床下へ降り、物資が隠され兵士が身を潜めた空間を間近に見られる。観光地化された遺跡とは違い、現役のカフェの一部としてその歴史が保たれているのが大きな特徴だ。
名物メニューと料金(円換算つき)
看板は店名にもなったコムタム・ダイハン(韓国風ブロークンライス)。香ばしく焼いた豚肉と目玉焼きをご飯にのせた一皿だ。飲み物では、伝統的なベトナムコーヒーにコクを加えたバターコーヒーやカフェ・デン・ダ(アイスブラックコーヒー)が楽しめる。価格は歴史的価値の高さに対してかなり手頃だ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | ダンズン通り113A番地(1区タンディン) |
| 営業時間 | 7:00〜22:00(毎日) |
| 看板メニュー | コムタム・ダイハン/バターコーヒー |
| ドリンク | おおむね1〜2.5万VND(約60〜150円)前後 |
| 見どころ | 地下壕・逃走通路・秘密の郵便受け |
価格はおおよその目安。コーヒー1杯の値段で、戦時史を肌で感じる体験まで付いてくると考えると価値は高い。
日本人旅行者が訪れる意味
ホーチミン市内には戦争の記憶をたどれる場所が点在するが、現役のカフェでコーヒーを飲みながら当時の地下壕に降りられる場所は珍しい。観光名所を巡るだけでは見えてこない、市民レベルの抵抗運動の生々しさに触れられる。歴史に関心のある旅行者にとって、滞在の意味を深める立ち寄り先になる。
まとめ
Cà Phê Đỗ Phủは、サイゴン特殊部隊の秘密基地という過去をそのまま残す、戦時史と日常が同居するカフェだ。床下の地下壕や逃走路を実際に見学でき、名物のコムタムとベトナムコーヒーも手頃に味わえる。ホーチミンで歴史と体験を両取りしたいなら、訪れる価値のある一軒だ。
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出典:Vietnam.travel / Cool cafes in Vietnam / Vietnam.vn / Quán cà phê Đỗ Phủ secret base
