FEATURE
05
ベトナム中部高原の人気避暑地ダラット(Đà Lạt)唯一の空港であるリエンクーン国際空港(Lien Khuong International Airport, DLI)が、2026年3月4日から8月28日までの約6カ月間、滑走路と誘導路の全面改修工事のため閉鎖されている。ダラットを訪問予定の日本人旅行者にとって、代替アクセス手段の把握は不可欠だ。
改修プロジェクトの総投資額はVND 9,660億(約3,600万ドル)。主な工事内容は以下の通りだ。
ベトナム民間航空局(CAAV)によると、この改修でリエンクーン空港はB787やA350クラスのワイドボディ機の運航が可能になり、国際線の直接乗り入れも視野に入る。閉鎖期間中に影響を受ける旅行者は約100万人と推定されている。
ダラットへの空路が使えない期間中、最も現実的な代替手段は「近隣空港+陸路移動」の組み合わせだ。
| ルート | 最寄り空港 | ダラットまでの距離 | 陸路所要時間 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| カムラン経由 | カムラン空港(CXR) | 約160km | 3〜4時間 | ★★★(便数豊富) |
| ブオンマトート経由 | ブオンマトート空港(BMV) | 約200km | 4〜5時間 | ★★(北部からの場合) |
| ホーチミン陸路直行 | タンソンニャット空港(SGN) | 約300km | 6〜7時間 | ★★(バス・車チャーター) |
| 国道28B新ルート | タンソンニャット空港(SGN) | 約280km | 約4.5時間 | ★★★(開通済みの場合) |
カムラン空港(ニャチャン)はダラットに最も近い主要空港で、ハノイから毎日15便以上、ホーチミンからも多数の便がある。日本からの場合、ホーチミンまたはハノイ経由でカムラン行き国内線に乗り継ぐのが最も効率的だ。ベトジェットが4月28日に就航するハノイ=静岡便を利用する場合、ハノイで国内線に乗り継ぎカムラン→ダラットのルートが取れる。
カムラン空港からダラットへは、長距離バス(Phuong Trang/FUTA Bus等)が1日複数便運行している。料金はVND 150,000〜200,000(約900〜1,200円)。タクシーやGrabカーの場合はVND 1,500,000〜2,000,000(約9,000〜12,000円)が目安だ。
ホーチミンのミエンドンバスターミナル(Bến Xe Miền Đông)からダラット行きの長距離バスが毎日多数出発している。国道20号線経由で所要約6〜7時間。夜行バス(スリーピングバス)なら翌朝ダラットに到着でき、時間を有効に使える。なお、国道28Bの全線開通が実現すれば所要時間は約4.5時間に短縮される見込みだ。
ダラット市内の観光スポット、カフェ、マーケットは通常通り営業している。ラムドン省の観光当局は空港閉鎖期間中もダラットの魅力を発信し続ける方針で、陸路で訪れる旅行者向けの特別プロモーションも検討されている。むしろ、飛行機でのアクセスが制限されることで観光客数が一時的に減少し、普段は混雑するスアンフーンマーケットやバオダイ宮殿をゆっくり楽しめる可能性もある。
3,250m滑走路への拡張により、B787-9やA350といった中型ワイドボディ機の離着陸が可能になる。これにより、韓国・日本・東南アジア各国からの国際チャーター便や定期便の就航が現実味を帯びる。ベトナム航空がロンドン直行便を就航させるなど、ベトナムの航空ネットワーク拡大は著しく、ダラットもその恩恵を受ける可能性が高い。
ダラットはフランス植民地時代の建築が残る高原都市で、年間平均気温18〜25°Cという快適な気候からベトナム人にも外国人にも人気の避暑地だ。ニンビンのプルマン開業に象徴されるように、ベトナム各地で国際ブランドホテルの進出が加速しており、改修後のリエンクーン空港はダラットの観光インフラ強化の重要なピースとなる。
2026年8月28日の空港再開後は、より快適で安全なフライトでダラットにアクセスできるようになる。閉鎖期間中に陸路でダラットを訪れるのも、普段とは異なるベトナムの風景を楽しむ貴重な機会だ。