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2025年上半期、ベトナムを訪れた外国人観光客が約1,067万人に達し、前年同期比で約21%増加した。コロナ前の2019年同期と比較しても約26%上回る水準で、ベトナム観光業の力強い回復が鮮明になっている。
ベトナム統計総局の発表によると、2025年1〜6月にベトナムを訪れた外国人観光客は約1,067万人で、前年同期の883万人から20.7%増加した。第1四半期だけで約602万人が訪れ、四半期ベースの過去最高記録を更新している。
国・地域別では、中国が約273万人でトップ、次いで韓国が約221万人、台湾が約63万人と続く。日本は約39万人で第5位に入っている。交通手段別では航空便が全体の85%以上を占め、約900万人が空路で入国した。
急増の背景には、ビザ免除措置の拡大がある。ベトナム政府は2025年3月にポーランド・チェコ・スイスのパスポート保持者に対し45日間のビザ免除を新たに導入した。加えて、ベトナム航空が北京、バンコク、ミラノなど主要都市への直行便を相次いで就航させたことも集客を後押しした。上半期の実績は通年目標(2,200〜2,300万人)の約49%に相当し、下半期のピークシーズンを控えて目標達成に期待がかかる。
現地メディアのコメント欄やSNSには、観光客急増に対するさまざまな声が寄せられている。
ホーチミン市在住・会社員「数字が伸びるのは嬉しいが、空港の混雑がひどい。タンソンニャット空港は入国審査で1時間以上並ぶこともある。インフラ整備が追いついていない」
ダナン・飲食店経営「ビーチ沿いのレストランは外国人観光客で連日満席。売上はコロナ前を超えた。ビザ免除の効果は大きい」
ハノイ・旅行業関係者「量より質への転換が必要だ。観光客1人あたりの消費額はタイやシンガポールに比べてまだ低い。高付加価値の体験型観光を増やすべき」
ホイアン在住・民泊オーナー「外国人観光客が増えて地元経済は潤っているが、旧市街の物価が上がり、住民の生活に影響が出始めている」
ニャチャン・大学生「観光地のゴミ問題や環境負荷も考えてほしい。持続可能な観光の仕組みを整えないと、長期的には観光資源そのものが損なわれる」
2025年上半期、日本からベトナムへの訪問者数は約39万人で、主要送客国の中で第5位に位置している。通年では約81万人に達する見込みで、前年比14%増と堅調に推移している。特にホーチミン市への日本人観光客は前年比28%増と高い伸びを見せた。
日本人旅行者にとって押さえておきたいポイントは以下の通りだ。
まず、混雑への備えが必要だ。ノイバイ空港やタンソンニャット空港では入国審査に時間がかかる場合がある。到着時間帯をずらす、優先レーンのあるサービスを利用するなどの工夫が有効だろう。
次に、ビザ免除の恩恵を活用したい。日本人は45日間のビザ免除が適用されるため、短期旅行であればビザ取得の手間がかからない。ただし、パスポートの残存有効期間が6カ月以上必要な点には注意が必要だ。
また、直行便の増加も追い風となっている。日本とベトナムを結ぶ直行便は主要都市間で増便が進んでおり、アクセスの選択肢が広がっている。LCCの参入も進み、以前より手頃な価格で渡航できる場面も増えた。
一方で、観光客急増に伴い人気エリアの宿泊費や飲食費は上昇傾向にある。ハイシーズンを避けた時期に訪問するか、主要都市以外の地方都市を組み合わせることで、コストを抑えつつベトナムの多様な魅力を楽しめるだろう。
参照:Du lịch Việt Nam bùng nổ lượng khách quốc tế trong nửa đầu 2025