ベトナムコーヒーのブランド「Nâu Coffee」が、2026年6月6日にサンフランシスコ市内12拠点で同時ポップアップを開いた。各所で30分から1時間近い行列ができ、ベトナム式ロブスタコーヒーの世界進出を象徴する出来事として現地で話題になった。
市内12拠点で同時に行列
Nâu Coffee は2026年6月6日、サンフランシスコ市内の12拠点でポップアップを同時展開した。各会場では客が30分から1時間近く待つ盛況で、3時間ほどで完売する店が多かった。1拠点あたりおよそ300〜400杯を売り上げ、売上は1会場あたり2,000ドル超に達したという。
「フォーやバインミーはあるのに、コーヒーがない」
創業したのは、チャン・ヒエウ・ハン氏(27)とグエン・ドゥック・チュン・キエン氏(25)の2人だ。フォーやバインミーは現地に定着しているのに、特徴的なベトナム産ロブスタコーヒーは街のコーヒー文化にまだ根づいていない、という問題意識から、ベトナムの歩道カフェ文化を持ち込もうと考えたという。豆はベトナムから直接輸入したスペシャルティのロブスタを使う。
事業は3回目のポップアップで損益分岐点を超え、黒字に転じた。InstagramやTikTokの動画は数十万回規模の再生・シェアを集め、Aurora Studio、コーヒー器具のFellow、Vinamilk といった企業とのコラボも実現している。
提供メニューと価格
| メニュー | 内容・価格 |
|---|---|
| カフェスアダー | 練乳入りアイスベトナムコーヒー |
| エッグコーヒー | 卵を使った濃厚なコーヒー |
| ソルトコーヒー | 塩を効かせたコーヒー |
| 価格 | 1杯7ドル(約1,050円/1ドル150円換算) |
現地・業界の反応
- 各拠点で行列ができ、3時間ほどで完売する会場が相次いだ
- SNS動画が数十万回規模で拡散し、若年層を中心に話題化した
- ニューヨークやテキサスでも同様のベトナムコーヒー・ポップアップが登場している
Trung Nguyên Legend のような既存ブランドが実店舗で展開を進める一方、ポップアップ型で機動的に攻める新興勢も増えている。
日本の読者への影響
練乳の甘さとロブスタの濃さが特徴のベトナムコーヒーは、日本でも専門店が増えている。米国での行列は、現地で飲む一杯の価値を裏づけるものだ。ベトナムを訪れるなら、歩道のプラ椅子に座って飲むカフェスアダーは外せない体験になる。
産地そのものを旅する楽しみも広がっている。コーヒー首都ブオンマトゥートは「飲む観光」の目的地として注目され、ダラットの天空カフェ「Horizon Coffee」のような景観型の店も人気だ。
コーヒー産業への波及
ベトナムは世界有数のロブスタ生産国だが、近年はスペシャルティへの転換を進めている。ベルリンの見本市でのスペシャルティ転換アピールや、Vietnam Amazing Cup での高評価と並び、ポップアップを通じた海外での認知拡大は、産地のブランド価値を底上げする動きといえる。
まとめ
Nâu Coffee のサンフランシスコ12拠点同時ポップアップは、ベトナムコーヒーが米国の都市文化に食い込みつつあることを示した。1杯7ドルでも行列ができる事実は、味への信頼の表れだ。次の旅では、現地の歩道カフェで本場の一杯を味わいたい。
