この夏、ベトナム観光に象徴的な出来事があった。欧州からのチャーター便が、ベトナムに初めて直接着陸したのだ。これまでタイなど近隣に流れていた欧州客の一部が、ベトナムへと向き始めた——その地殻変動を告げる一便だった。第1四半期だけでポーランド+52%、スウェーデン+27.5%、スイス+27%超と、欧州各国からの客が一斉に伸びている。
「初めて」の重み
欧州からの直行チャーターがベトナムに降り立つのは初。乗り継ぎを前提としてきた欧州〜ベトナム間に、直接の太いパイプが生まれつつあることを意味する。夏のピークに合わせた就航で、シーズンの本格化を告げる合図となった。
タイからのシフト
背景にあるのは、東南アジア域内での観光客の取り合いだ。これまでタイが受け皿だった欧州客が、ビザ緩和や新しい就航で、より手頃で新鮮なベトナムへと流れ始めている。ある大手では欧州客が取り扱いの35%超を占め、英・仏・独・露・ポーランドが主要市場となった。
| 市場 | 第1四半期の伸び |
|---|---|
| ポーランド | +52% |
| スウェーデン | +27.5% |
| スイス | +27%超 |
| デンマーク・イタリア | +20%超 |
受け入れ地はカムラン・ダナン
チャーター便やクルーズの主な着地は、中部のカムラン(ニャチャン)やダナンだ。カムラン港には2026年に48〜50隻の国際クルーズ船の寄港も見込まれ、空と海の双方から欧州・ロシア客が流入する。ポーランド客を毎月運ぶ定期チャーター(1便約300人)の計画も動いている。
読者への影響
欧州客の流入が増えれば、ビーチリゾートの予約は早まり、ハイシーズンの混雑も前倒しになる。直行便が増えるほど、ベトナムは「乗り継ぎの先」から「目的地そのもの」へと位置づけが変わる。日本からの旅でも、欧州団体とピークが重なる時期は避けると快適だ。
業界への波及
チャーターの定着は、現地の宿・送迎・ガイドの整備を促す。ロシア語に続き欧州各言語の対応が課題になり、長期滞在型・リゾート完結型のサービスが厚くなる。一便のチャーターは、需要の地殻変動を可視化する先行指標だ。
まとめ
一便のチャーターは小さく見えて、客の流れが変わる前触れだ。ベトナムは、欧州の旅行地図の中で着実に格上げされつつある。
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出典:VietnamNet / VietnamNet
