ベトナム中部のリゾート、ニャチャン(カインホア省)が思わぬ悩みを抱えている。ロシア人観光客が前年比約300%増で押し寄せる一方、案内するロシア語ガイドが足りないのだ。ある旅行大手では国際資格を持つロシア語ガイドが40名中わずか12名。夏には18万人ものロシア・CIS客が見込まれ、受け入れ態勢が追いつかない。
300%増という濁流
2026年最初の2か月だけで、ロシア人観光客は約25万人がベトナムを訪れた。前年同期比300%超。1〜4月でもロシア客は前年比約300%増と、他の欧州市場を大きく引き離した。ニャチャンとカムラン(フーコック便を含む)は、その最大の受け皿となっている。
夏に18万人、ガイドは12名
旅行大手Anex Tourの計画では、2026夏のチャーター便で約20.5万人のロシア・CIS客を送り込み、うちカインホアだけで18万人——全体の8割超を占める。プログラムは4月1日から10月31日まで、ロシア・CIS発の20都市から月平均約241便を運航する規模だ。ところが、ある現地法人ではロシア語の国際ガイドは40名の渡航スタッフ中わずか12名。需要と供給の差が、そのまま現場の逼迫になっている。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 1〜2月のロシア客 | 約25万人(前年比+300%超) |
| 夏のチャーター送客 | ロシア・CIS約20.5万人 |
| うちカインホア | 18万人(8割超) |
| 運航 | 4/1〜10/31、20都市から月約241便 |
| 滞在 | 平均6〜9泊、3〜5つ星中心 |
長く泊まり、よく使う客
ロシア・CIS客は平均6〜9泊と滞在が長く、3〜5つ星のリゾートでゆったり過ごす傾向がある。観光地を1〜2か所に絞り、リゾート滞在に時間を使うスタイルで、客単価への寄与は大きい。フーコックやカムランに着いた客は、五つ星リゾートに連泊し、観光は最小限という過ごし方を好む。だからこそ、満足度を左右するガイドの不足は痛い。
背景:制裁下で開いた行き先
欧州の多くがロシア客に閉ざされるなか、ビザや就航で門戸を開いたベトナムは、ロシア発の数少ない長距離ビーチ目的地となった。チャーター便とパッケージツアーが太いパイプを作り、需要が一気に集中した。供給側の人材・語学対応が、その急増に追いついていない。
読者への影響
ニャチャン周辺ではロシア語表記や料理が一気に増えている。日本から訪れるなら、ロシア客が集中する時期・エリアを避けるか、逆にその活気を楽しむか——旅の設計が変わる局面だ。ピーク期は宿の確保も早めが安心だ。
まとめ
300%増の客足に対し、語学対応できるガイドの数が追いつかない——これは急成長する観光地が必ず通る関門だ。ロシア語ガイドの育成と受け入れ整備が進むかどうかが、この勢いを一過性で終わらせないための分かれ目になる。
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出典:VietnamNet
