甘くて濃厚、でもあの独特の香り──好き嫌いがはっきり分かれるドリアンを、あえて魚介やチャーハンに合わせたらどうなるのか。ベトナム・タイ・マレーシアのシェフ3人が、コーヒーの首都として知られるダクラク省ブオンマトゥオットで、ドリアンを使った7つの料理を実演した(2026年6月30日開催、翌7月1日報道)。8月15日に開幕する「ダクラク・ドリアン祭り2026」に向けた前哨イベントで、ドリアン料理という意外な食体験は、この夏ベトナム中部高原を旅する日本人にとって新しい寄り道の理由になりそうです。
3カ国のシェフが「ドリアンで魚介を焼く」意外な発想
実演したのは、いずれも世界シェフ連盟(World Association of Chefs’ Societies)に名を連ねる3人。ベトナム・ホーチミン市のリー・キム・ロン氏、タイのコンサワット・スラサク氏、マレーシアのリー・チャン・フォン氏です。それぞれが自国の技法と味付けを持ち寄り、同じダクラク産ドリアンから7品を作り上げました。
顔ぶれを見て分かるとおり、この催しは単なる料理ショーではなく、東南アジアのドリアン食文化を一堂に集める狙いがあります。デザートに使うのが当たり前だったドリアンを、エビやチャーハンといった塩気のある一皿に落とし込んだ点に、3カ国それぞれの解釈の違いがにじみます。
実演された7品──甘い定番から塩気の一皿まで
披露された料理は、デザート寄りの定番から、想像しづらい塩系まで幅広い構成でした。ドリアンが「甘いもの」という思い込みを崩す並びになっています。
| 料理名 | 系統 | 担当の傾向 |
|---|---|---|
| チーズとドリアンソースの焼きエビ | 魚介・洋風 | ベトナム系のアレンジ |
| 塩漬け卵とドリアンソースのエビ | 魚介・塩気 | 中華・東南アジア系 |
| 唐辛子塩とドリアンソースの焼きエビ | 魚介・辛味 | ベトナム屋台の発想 |
| タイ風グリーンドリアンカレー | カレー | タイ系 |
| ドリアンおこわ(もち米) | 主食・甘味 | 東南アジア共通の定番 |
| ドリアン入りサンバルチャーハン | 主食・辛味 | マレーシア系 |
| ドリアンとタピオカの温かいスイートスープ | デザート | ベトナム・チェー系 |
もち米に合わせる「ドリアンおこわ」は東南アジア各地で親しまれる王道ですが、エビをドリアンソースで焼く3品や、サンバル(唐辛子ベースの調味料)にドリアンを溶かし込んだチャーハンは、日本ではまず出会えない組み合わせです。塩気とドリアンのコクが合わさると、意外にもごはんのおかずとして成立するのがこのジャンルの面白さです。
なぜ今ダクラクが「ドリアン料理」を推すのか
ダクラク省はベトナム有数のドリアン産地で、中国向け輸出の拡大とともに一大産業に育ってきました。ただ、生の果実を売るだけでは価格の波に左右されやすく、地域としては「食べ方」や「体験」まで含めてブランド化したいという狙いがあります。今回のように国際的なシェフを招いて料理に落とし込むのは、農産物を観光・食文化の資源へ引き上げる取り組みの一環です。
コーヒーで名高いブオンマトゥオットは、いまダクラクの玄関口として少しずつ観光の注目を集めています。ベトラベル航空がコーヒーの首都バンメトート(ブオンマトゥオット)へ就航したことで、ホーチミンやハノイからのアクセスも以前より現実的になりました。コーヒー農園めぐりに、ドリアンの季節を重ねる旅程が組みやすくなっています。
本番は8月開幕の「ダクラク・ドリアン祭り2026」
今回のシェフ実演は、8月15日から9月2日まで開かれる「ダクラク・ドリアン祭り2026」への助走です。テーマは「ダクラク・ドリアン──つながり、遠くまで届く」。会場はブオンマトゥオット、ドリアン産地として知られるクロンパックなど、省内の栽培地域に分かれて展開されます。
祭り期間中は、開幕式やドリアンを積んだピックアップトラックのパレード、農産物・OCOP(一村一品)製品の見本市、ドリアン料理祭、農園でのドリアン試食ツアー、国際DJを招いた音楽イベント、ハーフマラソンまで盛り込まれる予定です。生の果実を味わうだけでなく、今回のようなドリアン料理を現地で試せる場も用意される見込みで、香りの強い果物が苦手な人でも入り口を見つけやすい構成といえます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| イベント名 | ダクラク・ドリアン祭り2026 |
| 会期 | 2026年8月15日〜9月2日 |
| 主な会場 | ブオンマトゥオット、クロンパック ほか省内栽培地域 |
| テーマ | ダクラク・ドリアン──つながり、遠くまで届く |
| 前哨イベント | 3カ国シェフによるドリアン料理実演(2026年6月30日) |
日本人旅行者が現地で楽しむための視点
ダクラクへは、まずホーチミンかハノイに入り、国内線でブオンマトゥオット空港へ向かうのが基本ルートです。祭りの会期は8月中旬から9月頭で、ベトナムの雨季にあたるため、屋外イベント中心の日程では折りたたみ傘や滑りにくい靴があると安心です。農園ツアーで生ドリアンを試すなら、ホテルの部屋には持ち込めない(強い香りのため禁止しているホテルが多い)点も頭に入れておくとトラブルを避けられます。
「ドリアンは香りが苦手」という人こそ、今回のような加熱・味付けした料理から入るのがおすすめです。焼きエビやカレー、チャーハンに使われたドリアンは、生で食べるときの強烈さが和らぎ、コクとして料理に溶け込みます。祭りは地域ごとのお祭りと重なることも多く、ベトナムでは各地で文化フェスティバルを旅の寄り道にする楽しみ方が広がっています。中部高原のドリアン祭りも、その新しい選択肢のひとつになりそうです。
よくある質問
ダクラク・ドリアン祭り2026はいつ、どこで開かれますか?
2026年8月15日から9月2日まで、ブオンマトゥオットやクロンパックなどダクラク省内のドリアン栽培地域で開かれます。テーマは「ダクラク・ドリアン──つながり、遠くまで届く」です。
ドリアンが苦手でも楽しめますか?
加熱・味付けした料理から試すのがおすすめです。今回シェフが実演した焼きエビやカレー、チャーハンでは、ドリアン特有の強い香りがやわらぎ、コクとして料理に溶け込みます。生の果実が苦手でも入り口を見つけやすい構成です。
ダクラクへの行き方は?
ホーチミンやハノイに入り、国内線でブオンマトゥオット空港へ向かうのが基本です。近年は「コーヒーの首都」への就航便も増えており、コーヒー農園めぐりとドリアンの季節を組み合わせた旅程が立てやすくなっています。
参照元
Tuổi Trẻ: Giới thiệu 7 món ăn từ sầu riêng của các đầu bếp Việt Nam, Thái Lan và Malaysia
