ホーチミン市にある公園で並木が葉を替え、芝生や園路に黄色い葉が落ちている。ベトナム紙トゥオイチェー(Tuổi Trẻ)が2026年9月24日に写真付きで伝えたのは、市北部のビンズオン新都心に広がる公園だ。面積は約70ヘクタール、中央に湖があり、その周りを遊歩道と並木が囲む。雨が続いたあとの涼しい日に、若い世代が写真を撮りに集まっているという。出張者にも在住者にも効いてくるのは、この風景が日付では狙えないという一点だ。
雨のあとの公園で何が起きているのか
トゥオイチェー紙が9月24日に伝えた様子
記事によると、公園はフンヴオン通り沿い、ホーチミン市ビンズオン坊にあり、行政センターの向かいに位置する。雨のあと空気がやわらぎ、並木が葉を替え始め、湖面は静かで、夕方の光が芝生に落ちる。原文はこの場所を「新都心エリアにある大きな緑地の一つ」と書いている。最大とも唯一とも書いていないので、そこは読み替えない方がいい。
見どころは中央の湖で、湖面が岸辺の並木を映すため撮影の角度が取りやすい。湖を囲む園路は散歩とジョギングに使われ、木陰が多いぶん蒸し暑い日でも園内は過ごしやすい。大きな祝日には催しが開かれることもある。
記事には新都心に住んで働くゴー・トゥイさんが登場する。仕事が立て込んだ日や疲れた日に歩きに来る、木の上を走るリスを見かけるのが面白い、という趣旨の話をしている。撮影スポットというより、住んでいる人の日常の運動場だ。
約70ヘクタールは日本のどの公園に近いか
原文の表記は「約70ヘクタール」で、丸めた数字だ。しかもこれは公園全体の広さで、葉を替えている並木の区域だけを指す数字ではない。日本の都市公園に置き換えると規模がつかみやすい。東京都公園協会が公開している開園面積は、代々木公園が544,711.27平方メートル(2022年4月1日現在)、日比谷公園が161,636.66平方メートル(2020年4月1日現在)。約70ヘクタールを当てはめると、代々木公園のおよそ1.3倍、日比谷公園のおよそ4.3倍にあたる(本記事の試算)。
| 公園 | 面積 | 開園時間 | 入園料 |
|---|---|---|---|
| ビンズオン新都心の公園 | 約70ha | 8時〜18時 | 無料(記事の記載) |
| 代々木公園(東京) | 544,711.27㎡(約54.5ha) | 常時開園 | 無料(一部有料施設あり) |
| 日比谷公園(東京) | 161,636.66㎡(約16.2ha) | 常時開園 | 無料(一部有料施設あり) |
ホーチミン市の公園なのに中心部から30km以上ある
2025年6月の再編でビンズオン省がホーチミン市になった
見出しの「ホーチミン市の公園」を1区あたりの話と読むと、距離を読み違える。ベトナム政府の政策広報サイトによると、国会は2025年6月12日に決議202/2025/QH15を可決し、旧ホーチミン市とバリアブンタウ省、ビンズオン省を一つにして新しいホーチミン市とした。再編後の面積は6,772.59平方キロメートル、人口は14,002,598人。ベトナム語表記では「6.772,59」「14.002.598」と書かれ、ピリオドが桁区切り、カンマが小数点にあたる。
この再編で、かつてビンズオン省にあった新都心は、住所の上ではホーチミン市ビンズオン坊になった。紙面の見出しが「ホーチミン市の公園」となるのはそのためだ。
住所が変わっても移動時間は変わらない
行政区画が変わっても道路の距離は同じだ。旧中心部のベンタイン市場あたりから、公園の目印になる行政センターまでは直線でも30キロを超える。道をたどればさらに延びるので、午前に1区で打ち合わせ、昼から公園という組み方は現実的ではない。半日空けるか、ビンズオン側に用事がある日に合わせたい。配車アプリやタクシーを使うなら、行き先はベトナム語の正式名称と「行政センターの向かい」を一緒に見せると通じやすい。
中心部側の道路事情も頭に入れておきたい。ホーチミン市は地下鉄2号線の駅工事にともない、中心部の幹線2本を3年超にわたって一方通行にする。詳しくはホーチミン中心部が3年間の一方通行へ、出張者と在住者の迂回はこう組むにまとめた。中心部を抜ける時間が読めない日は、郊外への往復を別日に回した方が早い。
木の名前と色づく時期はどこまで分かっているか
公園の木は何の木か
原文にあるのは「並木が葉を替え始めた(hàng cây bắt đầu thay lá)」という書き方までで、木の名前は出てこない。写真キャプションには「ダラットやハノイまで行かなくても、葉を替える並木で秋の色に出会える」という趣旨の一文がある。日本の紅葉と結びつけてイチョウやカエデの名を当てはめるのは早い。
同じ週の別記事が挙げた2種
同じ記者が9月20日に出した別稿では、ニェウロック=ティギェ運河沿いのホアンサ通り・チュオンサ通りの並木について、主にロックヴン(lộc vừng)とザンフーン(giáng hương)だと書いている。ロックヴンはサガリバナ科の木で、この名で植えられているのは主に Barringtonia acutangula にあたる。葉を替える時期には緑から黄、オレンジへと変わって落ち、そのあと新芽を出し、季節には赤い房状の花をつける。ザンフーンはマメ科の高木で、ベトナムでこの名が指すのは主に Pterocarpus macrocarpus。枝葉が横に広がるため街路の日よけに植えられ、葉を替えるときは淡い黄色の葉が歩道に落ちる。
ただしこれは運河沿いの並木の話で、公園の木が同じ種だとは書かれていない。現地で確かめる楽しみとして持っていきたい。
いつ行けば色づいた並木に会えるのか
9月20日の記事では、フリーの写真家レー・ニャンさんが、秋の写真を撮るならダラットかハノイへ行くものだと思っていたが、チュオンサ通りの並木が葉を替えているのを見てカメラを持って出た、と話している。ここの落葉は長くは続かないので撮りたい人は急いだ方がいい、という言い方もしている。別の写真家チャン・フオンさんは、ホーチミン市にも秋はあるがとても軽く訪れるだけだ、という趣旨のコメントを寄せている。
同じ記事は、ホーチミン市にはハノイやダラットのようなはっきりした秋は無く、雨のあと空気がやわらいで木が葉を替え始めた日に季節の移り目の気配が出る、と結んでいる。運河沿いの黄葉そのものは、これまでも年末にかけて何度か現れてきた景色だとも書かれている。毎年どこかの時期に起きるが、「10月に行けば見られる」と日付で押さえられるものではない。週間予報を見て、雨が続いたあとに気温が落ちた日を当てに行く。これが一番確度の高い組み方になる。
開園は8時から18時、夜は入れない
原文は開園時間を8時から18時と書き、夜通しのキャンプは認めていないとしている。代々木公園も日比谷公園も常時開園で、仕事のあと20時に歩きに行ける。同じつもりで夜に向かうと門で止まる。
そして日が傾いて光がやわらぐ夕方は、記事でも人が増える時間帯として書かれている。その一番いい時間が閉園時刻とほぼ重なる。仕事帰りに寄るなら定時で出る前提で組み、16時台には入っておきたい。朝は開園直後の8時台が空いていて、園路を歩く人と運動する人が中心になる。
料金については、写真キャプションに「広くて無料なので若い人が多く集まる」という記載がある。公園単独の公式案内ページは今回の取材では確認できていないため、現地の掲示で最終確認するのが安全だ。原文は雨季なら事前に天気を見てレインコートか傘を持つよう促し、虫に注意する、ごみを残さない、枝を折らない、木に登らない、という園内のマナーにも触れている。
| 項目 | 記事に書かれている内容 |
|---|---|
| 名称 | Công viên Thành phố mới Bình Dương |
| 所在地 | フンヴオン通り、ホーチミン市ビンズオン坊。行政センターの向かい |
| 面積 | 約70ヘクタール |
| 開園時間 | 8時〜18時 |
| 宿泊 | 夜通しのキャンプは不可 |
| 料金 | 写真キャプションに「無料」の記載 |
| 設備 | バドミントンができる区画、運動器具、走るのに向いた園路 |
| 持ち物 | 雨季は天気を確認しレインコートか傘 |
次の涼しい週末に試せること
やることは一つに絞れる。週間予報で、雨が数日続いたあとに最高気温が下がる日を一日だけ選ぶ。その日の朝8時の開園に合わせて入り、湖を一周して10時前に出る。午後を選ぶなら16時台に入って18時の閉園で出る。これだけで、葉が色を変えている確率と、光が柔らかい時間帯と、閉園時刻の三つを同時に満たせる。
季節が短い風景はベトナムのあちこちにある。中部高原では茶畑を紫に染めるムア花が8月初旬から咲き、9月いっぱいが見頃とされる。回り方は豪州のムア花が紫に染めるマンデンの茶畑、9月がフォトの本番にまとめた。こちらは入場無料と地元紙が伝えている。水辺の景色なら、8月から11月が増水期で9月から10月が動きやすいメコンデルタがあり、水が満ちるメコンの季節、小舟で見る冠水景色と旬の川魚はいつ見頃かで時期と回り方を整理した。並木が思ったほど色づいていない日でも、同じ季節に動かせる先はある。
南部で季節の変化を探す旅は、日付ではなく天気図で動かす。約70ヘクタールの芝生と湖には、その気まぐれに付き合うだけの広さがある。
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