ハノイメトロの公式アプリに、配車サービスBeの車とバイクを同じ画面から呼べる機能が加わった。8月14日に公開されたこの「乗り継ぎ予約」は、出発地から目的地までを地下鉄と配車を組み合わせて一本の行程として提示し、乗車券の購入と支払いまでアプリ内で完結する。ハノイで暮らす人と、市内を地下鉄と配車で動く出張者に向けて、地図アプリと配車アプリを往復する手間を減らす選択肢になる。
ハノイメトロのアプリでBeの車もバイクも同じ画面から呼べる
仕組みは二方向で用意された。ハノイメトロのアプリ側では、出発地と行き先を入れると「Be→メトロ→Be」という一続きの行程が組み上がり、駅までの配車、地下鉄の乗車券、駅から先の配車をまとめて手配できる。逆にBeのスーパーアプリからは、地下鉄の乗車券を直接買える。ハノイメトロはBe Group、ソフトウェア開発のThăng Longと組み、3カ月かけて開発と試験を重ねたうえで公開している。
これまでハノイで地下鉄と配車をつなぐには、乗換駅を自分で調べ、地下鉄を降りてから改めて配車アプリを開き直す必要があった。行程の設計と決済を一つのアプリに寄せた点が、今回の実務的な変化になる。無料バスのICカード化で乗車券のデジタル化が進んできた流れの、地下鉄側での延長線上にある。
乗り継ぎ15%オフは最大5万ドン、9月30日まで3万コード分
開業キャンペーンとして、地下鉄駅を発着するBeの乗車に自動で15%の割引がかかる。上限は1回あたり5万ドン(約290円)で、beBike、beBike Plus、beCar、beCar Plusが対象になる。クーポンコードの入力は要らず、条件を満たせばそのまま引かれる。配布は3万コード分、期間は9月30日までと区切られている。
| Item | Details |
|---|---|
| Discount rate | 15%(自動適用・コード入力不要) |
| 割引上限 | 1回5万ドン(約290円/約1.9米ドル) |
| 対象車種 | beBike / beBike Plus / beCar / beCar Plus |
| 配布数 | 3万コード分 |
| Period | 2026年8月14日〜9月30日 |
為替は1円≒175ドン、1米ドル≒148円で概算(2026年8月時点)。5万ドンは約290円/約1.9米ドルに相当。
1回5万ドンの上限は、beCarで駅から数キロを移動する程度なら使い切らない水準に置かれている。近距離の送り迎えを想定した設計で、長距離の車移動を安くする施策ではない。逆に言えば、ふだん配車で駅まで出ている人は、これまでどおりの移動にそのまま値引きが乗る。
対象は2A号線と3号線、駅から先の「最後の1キロ」を埋める狙い
ハノイの地下鉄はまだ2A号線(カットリン〜ハドン、2021年11月開業)と3号線の高架区間(ニョン〜カウザイ、2024年8月開業)の2本だけで、路線網は市内を広くは覆えていない。駅を降りてから自宅や勤務先までの数キロ、いわゆるファースト/ラストワンマイルが空白になりやすく、そこが地下鉄を使わない理由になってきた。今回の連携は、この空白を配車で埋めて地下鉄の利用そのものを押し上げる狙いがはっきりしている。
ハノイメトロの責任者は、両者の強みを組み合わせることが「近代的な公共交通ネットワークをつくるうえで大きな意味を持つ」と述べている。市は地下鉄5路線の同時着工and路線バスの電動化を並行して進めており、路線が伸びるほど駅接続の配車需要も膨らむ。国内資本のBeにとっては、Grabが強いハノイの配車市場で、地下鉄という公共インフラを入口に利用者との接点を増やす布石でもある。
在住者と出張者はこう使うと得をする
- 雨季の午後や日中の暑さを避けたい区間は、駅までをbeBikeでなくbeCarにしても15%が効く。
- 目的地に地下鉄が通っていなくても、最寄り駅を起点・終点にした配車なら割引対象になる。行程の一部だけ地下鉄に乗せる組み方が得になる。
- ノイバイ空港と市内は地下鉄がまだつながっていない。空港送迎そのものは割引の対象外で、値引きが効くのは駅を発着する区間に限られる。
- 支払いはアプリ内で完結し、現金の用意や運転手との運賃交渉が要らない。ベトナム語に不安がある出張者ほど手間が減る。
9月末までに一度通しで試すと、以降の移動判断が変わる
3万コードという上限があるぶん、割引は先着で消える可能性がある。ハノイに住んでいる人も、出張でカウザイやハドン方面へ通う人も、9月30日までに一度「Be→メトロ→Be」を通しで予約してみると、自分の生活動線で地下鉄と配車の組み合わせが、渋滞するバイク移動より速いのかを体感で掴める。路線が2本しかない今の段階でこの使い勝手なら、路線が増えたときに移動の初期設定が変わる。まずはアプリを更新し、よく使う駅を起点に往復1回分を試すところから始めれば十分だ。
