Marou『Bonbon Phở』ら国際チョコレートアワード2026アジア太平洋で金2銀2銅3――京都授賞式で月桂冠

ホーチミン拠点のbean-to-barチョコレートメーカー『Marou Faiseurs de Chocolat』が、2026年4月4日に京都で開催された国際チョコレートアワード アジア太平洋大会で金2・銀2・銅3の合計7賞を獲得した。看板商品の『Bonbon Phở』が89.07点で銀、ポップライスとフォースパイスを練り込んだダーク65%バーは90.6点で金を取り、いずれも「Local Ingredients(地域食材)」特別賞も同時受賞。授賞式は京都コーヒーチョコレートフェスティバル内で行われ、共同創設者のMonica Meschini氏とMartin Christy氏から賞状が手渡された。International Chocolate Awards公式サイトの受賞リストをもとに、Marouの戦績とベトナム食材表現の現在地を整理する。

目次

金2銀2銅3――Marouが獲った7賞の内訳

2026年大会でMarouが獲得した賞は次の通り。ベトナム単一原産の素材を使った商品が中心で、いずれも「ベトナムらしさ」を表現した点が高く評価された。

商品名 得点 カテゴリ
Dark 65% Popped Rice with Pho spice 90.60 Dark bars with inclusions(Local Ingredients特別賞)
Bonbon Chili Lime 90.20 Flavoured ganaches/truffles(Gastronomic特別賞)
Bonbon Phở 89.07 Flavoured ganaches/truffles(Local Ingredients特別賞)
Single Origin Vietnam Cacao Butter 85.70 Cocoa butter ingredients
Candied Ginger Enrobed W/ 65% Chocolate 86.70 Dark enrobed fruit pastes
Mango Enrobed With 65% Dark Chocolate 86.50 Dark enrobed whole fruit
Single Origin Vietnam Cacao Powder 84.30 Cocoa powder ingredients

金賞2品は90点台に到達し、アジア太平洋部門全体でも上位層に位置する得点となった。とくにポップライス×フォースパイスは「ベトナム料理の象徴であるフォーのスパイス(八角・シナモン・カルダモン等)をチョコに溶かし込んだ翻訳力」が評価され、Local Ingredients特別賞の対象に選ばれている。

『Bonbon Phở』はフォーの香りをチョコに閉じ込めた翻訳作品

『Bonbon Phở』は、フォーの出汁に使う八角・シナモン・カルダモン・グローブ・コリアンダーシードのスパイスミックスを、ベトナム産カカオで作ったダークチョコのガナッシュに練り込んだボンボン。表面のシェルはMarouお馴染みの幾何学パターンで、銀色×黒のラッピングが目印になる。

89.07点は今大会のフレーバーガナッシュ部門でも上位スコアで、審査員は「フォーのスパイスがチョコレートのテロワールを邪魔せず、後味で重なるバランスが秀逸」と評した。Marouの公式オンラインショップでは6個入りBOXで販売され、ホーチミン市内の『Maison Marou』各店舗(167-169 Calmette、Thao Dien店等)で実食可能だ。

京都コーヒーチョコレートフェスティバル内で授賞式

授賞式は2026年4月4日(土)午後2時から、京都市内で開催された京都コーヒーチョコレートフェスティバル会場で実施された。共同創設者のMonica Meschini氏とMartin Christy氏が会場に立ち、受賞者に直接賞状を手渡し、月桂冠を授与する伝統的なスタイルがYouTubeで生中継された。

京都が選ばれた理由は、同フェスティバルがアジア最大級のクラフトチョコ・スペシャルティコーヒーの集積イベントとして定着したため。日本のチョコレート消費市場が成熟し、bean-to-barやsingle origin志向の購買層が増えていることも背景にある。Marouにとっても、最大の輸出市場である日本での受賞は流通拡大に直結する。

SNSと業界の反応

「Bonbon Phởを試食したけど、本当にフォーの香りがする。スパイスとカカオの距離感が天才的」(Instagram、ホーチミン在住・チョコレート専門ライターの投稿意訳)

「京都の授賞式に居合わせた。ベトナム産カカオが地元食材と融合した作品が金を取るのは時代の象徴」(X、東京在住・チョコレートバイヤーの投稿意訳)

「Marouがまた金賞。Tien Giang産カカオの可能性は無限大」(Facebook、ホーチミン在住・カカオ農家の投稿意訳)

X・Instagramでは京都授賞式の写真が拡散し、「ベトナムが世界に誇るチョコレート」という文脈でMarouの認知度がさらに高まっている。日本のチョコ専門店ではアワード直後から取り扱いを増やす動きが目立ち、東京・京都・福岡の高級セレクトショップで限定再入荷が報告された。

日本人観光客への影響

日本からホーチミンを訪れる際、『Maison Marou』はお土産購入の定番スポット。本店は1区Calmette通り167-169番地、サイゴン中央市場(ベンタイン市場)から徒歩圏。受賞商品の『Bonbon Phở』『Bonbon Chili Lime』は店頭の専用ショーケースに並び、6個入りボックスで300,000ドン前後(約1,765円)。タブレット型のシングルオリジン80gバーは120,000ドン前後(約706円)と、日本での販売価格より大幅に安い。

店舗では試飲・試食が可能で、Tien Giang・Lam Dong・Ben Tre等産地別バーの違いを比較できる。エッグコーヒーと並ぶベトナム発の食文化発信として、Marouは「ホーチミンらしい高品質のお土産」の代名詞になっている。

業界・市場への波及

Marouは2011年に2人のフランス人がホーチミンで創業し、ベトナム南部のカカオ農家から直接調達するbean-to-barで急成長してきた。今回の金2銀2銅3はアジア太平洋部門の単独メーカーとしても上位の戦績で、来年以降の世界大会出場への布石となる。

ベトナムのカカオ業界では、Marouのような高付加価値モデルが「商品作物としてのカカオから、テロワール商品としてのカカオへ」の転換を促していると評価されている。Tien Giang・Ben Tre・Lam Dong・Dong Naiの4州を中心に、Marouと契約する小規模農家のカカオ単価は通常輸出価格の1.5〜2倍で取引されるケースもあり、農家所得の向上にも寄与している。日本市場での流通拡大と並行して、Marouは韓国・シンガポール・オーストラリアでも販路を増やしている。

受賞商品の購入・取扱情報

項目 詳細
ブランド名 Marou Faiseurs de Chocolat
本社 ホーチミン市1区
旗艦店 Maison Marou Saigon(167-169 Calmette, District 1)
その他店舗 Maison Marou Thao Dien、Maison Marou Hanoi(91A Tho Nhuom)
受賞品『Bonbon Phở』価格 約300,000VND(6個入り、約1,765円)
シングルオリジンバー(80g) 約120,000VND(約706円)
授賞式日 2026年4月4日(京都)
主催 International Chocolate Awards / Kyoto Coffee Chocolate Festival
日本国内取扱 東京・京都・福岡の高級セレクトショップ、Marou公式オンライン

まとめ:ベトナムのカカオが「フォーのスパイス」を纏って世界に届く

Marouの2026年7賞獲得は、bean-to-barで15年積み上げた品質管理と、ベトナム食文化をチョコに翻訳する独自性が結実した結果と言える。フォーのスパイスを使ったボンボンと、ポップライスを練り込んだダークバーが同時に金・銀を取った事実は、「ベトナムらしさ」を世界が評価する時代を象徴する。

ホーチミンを訪れる日本人にとって、Maison Marouでのテイスティングは新たな「お土産外交」の入口だ。受賞商品が並ぶショーケースの前で、Tien Giang産カカオの香りが八角と重なる瞬間を、現地でしか味わえない驚きとして体験してほしい。

引用元

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この記事を書いた人

ベトナム・ホーチミン在住3年目|旅行で来るだけでは知ることができない、現地にいるからこそわかるローカル情報を中心に発信していければと思いベトナム旅行の専門情報サイトを立ち上げました。

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