ベン・E・キングの名曲「Stand by Me」を「Stand banh mi」と読み替え、バインミーをかじる動画を投稿する遊び「#StandBanhMi」が、2026年5月にTikTokで世界的に広がった。ハノイ、ホイアン、ホーチミンの屋台が次々と動画に登場し、ベトナム屋台食への関心が改めて高まっている。
名曲の替え歌から生まれたバインミー動画
きっかけは、誰もが知るソウルの名曲のサビ「stand by me」を、ベトナムのサンドイッチ「banh mi(バインミー)」に掛けた言葉遊びだった。バインミーを口に運ぶ瞬間に合わせて歌う短尺動画が次々と投稿され、海外の旅行系クリエイターを中心に拡散した。Tuoi Tre News は、@darcymerollin3 の投稿が38万9千回以上再生されたと報じている。
「幸せとの間にあるのは、次のひと口だけ」(@solis.travel)、「愛するバインミーをかじる純粋な喜びにかなうものはない」(@knowwhere.global)といったコメントが添えられ、@leoni.klr らの動画も注目を集めた。
ハノイ・ホイアン・ホーチミンの食べ歩き動画
動画の舞台は特定の一店舗ではなく、ベトナム各地に広がった。ハノイ、ホイアン、ホーチミンの屋台が登場し、地域ごとに具材や作り方が異なるバインミーの多様さが画面越しに伝わる。レバーパテと野菜を挟む北部風、香草を効かせた中部風など、地方差そのものがコンテンツになった点が特徴だ。
日本でもバインミー専門店は珍しくなくなったが、現地の屋台で焼きたてのバゲットに具を詰める光景は、旅先ならではの体験として動画映えする。トレンドを見た海外の視聴者からは「ベトナムに行ったら自分も撮りたい」という声が上がった。
バインミーをめぐる主な反応
| 発信者 | 反応の要旨 |
|---|---|
| 海外クリエイター | ベトナム屋台食の手軽さと創造性を称賛 |
| 海外の視聴者 | 「ベトナムが恋しくなった」「原曲の聴こえ方が変わった」 |
| 旅行検討層 | 渡航時に同様の動画を撮りたいと関心を表明 |
ベトナム国内外の双方で「アイデアが面白い」と受け止められ、屋台食を入り口にベトナムへの旅情をかき立てる連鎖が起きた。一方で、観光収益や店舗の売上といった具体的な数値の変化までは、元記事では報じられていない。
日本の読者への影響
このトレンドは、ベトナム旅行の「食べ歩き」というテーマを再び前面に押し出した。バインミーは一個あたり数万ドン台で買える庶民食で、移動の合間にも気軽に楽しめる。SNSで見た一杯を現地で再現する旅は、計画のハードルが低く、日本の若い旅行者にも取り入れやすい。
ホーチミンの食べ歩きを考えるなら、深夜まで開く屋台街もあわせてチェックしたい。ハノイ「眠らない食の通り」タドゥイタンのような夜の食ストリートは、こうしたトレンド動画の舞台にもなりやすい。
屋台食ブランディングへの波及
ベトナムの食は、すでに国際的な評価軸でも存在感を増している。ミシュラン掲載の貝専門店「Ốc Đào」のように、路地裏の一杯が世界の食通の目に留まる流れと、SNS発の屋台食ブームは地続きだ。麺料理の世界的評価とあわせて、ベトナム食の発信力は確実に高まっている。
動画は安価に始まる屋台食を主役にしており、観光プロモーションとしての費用対効果も高い。コーヒー首都ブオンマトゥートの「飲む観光」と同様、特定の食を旗印にした誘客が今後も広がりそうだ。
まとめ
#StandBanhMi は、名曲の替え歌という軽い遊びから生まれ、ベトナム各地の屋台食を世界に届けた。具体的な経済効果はこれからだが、旅の入り口を「一個のサンドイッチ」に絞り込んだ点で、再現性の高い誘客の好例といえる。次にベトナムを訪れるなら、SNSで見たあの一杯を探す旅も面白い。
