料理の世界大会「Global Chefs Challenge 2026」が2026年5月16日から19日にかけて英国ウェールズで開催され、ベトナム代表チームが銀メダルを獲得した。Saigon Professional Chefs Association(SPC)所属のTrinh Tuan Dung氏とLe Dac Minh Quan氏が手がけたコース料理は81.875点を記録し、15カ国中8位。世界料理人連盟Worldchefsが主催するこの大会で、ベトナムチームが世界決勝に進出したのは20年以上の歴史で初めてとなる。
「ベトナムの真髄」を映した4コース
Dung氏らが用意したメニューのテーマは「The Essence of Vietnam(ベトナムの真髄)」。前菜・メイン2品・デザートの4コース構成で、各コース12皿を仕上げた。ノルウェー産タイガープラウンやキャビアといった高級素材を使いながら、土台にはメコンデルタ産のST25米、リーソン島産のニンニク、フーコック島産のヌクマム(魚醤)を据え、ベトナムの食材を前面に押し出した。
調理では蒸したフォーのライスシートや、米粉のクリスピーなお好み焼き「バインセオ」の技法を取り入れ、伝統料理を世界基準の皿に落とし込んだ。Dung氏は「本番では体調を崩したうえ、練習で扱い慣れない高級素材もあり、トレーニング時の約85%の力しか出せなかった」と振り返っている。
アジア予選金メダルからの世界挑戦
ベトナム代表は2025年のアジア地域予選を勝ち抜いて世界決勝への切符を手にした。この予選でDung氏は金メダルを獲得しており、その勢いのまま世界の舞台へ駒を進めた格好だ。長らくアジア勢の壁が厚かった同大会で、東南アジアの料理が決勝で評価されたことは、ベトナム料理界にとって大きな転機といえる。
採点結果と上位国(日本円換算の賞金はなし)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会名 | Global Chefs Challenge 2026 |
| 開催地・会期 | 英国ウェールズ/2026年5月16〜19日 |
| 主催 | 世界料理人連盟 Worldchefs |
| ベトナムの得点・順位 | 81.875点/15カ国中8位(銀メダル) |
| 採点基準 | 金90〜100点/銀80〜89.99点/銅70〜79.99点 |
| 優勝 | イタリア 94.167点 |
| 2位・3位 | デンマーク/シンガポール |
現地の受け止め
SPCの関係者は「決勝の舞台に立てたこと自体が歴史的な一歩」と評価。Dung氏自身は「ベトナム食材の力を世界に示せた」と手応えを語った。地元の料理人コミュニティでは、ST25米やフーコックの魚醤といった国産素材が世界大会で通用したことを誇る声が広がっている。
ベトナム好き・旅行者への影響
今回の銀メダルは、ベトナム料理が「安くて美味しい屋台メシ」という枠を超え、ファインダイニングの文脈でも評価される段階に入ったことを示している。ホーチミンやハノイのレストランを訪れる旅行者にとって、フォーやバインセオが世界基準の技法で再構築される様子を体験できる機会は今後増えていきそうだ。世界水準のベトナム料理に関心がある人は、分子フォーで知られるPot Au Pho 2.0のような先鋭的な店も合わせてチェックしたい。
業界への波及
ベトナムでは2026年6月4日にミシュランガイドの新版発表も控えており、国内の食シーンへの国際的な注目が高まっている。世界大会での実績は、若手シェフの海外修業や国産食材のブランド化を後押しする材料となる。リーソン島のニンニクのように、地域固有の食材が国際大会で使われたことは、産地のブランド価値向上にもつながる。ミシュランガイド・ベトナム2026の動向と合わせて、ベトナム食文化の評価軸が広がっている。
実用情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 代表チーム | Trinh Tuan Dung/Le Dac Minh Quan(SPC所属) |
| 使用した国産食材 | ST25米(メコンデルタ)、リーソン島産ニンニク、フーコック産魚醤 |
| 関連で訪れたい産地 | リーソン島(ニンニク)、フーコック島(魚醤) |
| 次の注目イベント | ミシュランガイド・ベトナム2026(2026年6月4日発表) |
リーソン島のニンニクについては「一片ニンニク」を育む火山島の特集も参考になる。
まとめ
Global Chefs Challenge 2026での銀メダルは、ベトナム料理が世界の頂点を争う舞台で評価されたことを示す象徴的な成果だ。国産食材と伝統技法を世界基準に磨き上げたベトナムの料理人たちの挑戦は、旅行者や食通にとってもベトナムを再発見するきっかけになる。
