ホーチミン市が、60歳以上の人・障害のある人・革命への貢献者(退役軍人など)・6歳未満の子どもを対象に、市バス134路線とメトロ1号線(ベンタイン〜スオイティエン)を100%無料で使える乗車カードの配布を進めている。8月4日に発行が始まり、8月中旬の時点でも申請受付と配布が続いている。年齢や家族構成で対象になる在住者にとっては、毎月の移動コストが実際に軽くなる話なので、手順を先に押さえておきたい。
この記事は、ホーチミンで暮らす人、とくに対象年齢に達した本人や、60歳以上・障害のある家族と同居している人に向けて、誰がどう申請すれば無料カードを受け取れるのかを実務ベースで整理する。
対象は4区分、134バス路線とメトロ1号線が100%無料になる
無料カードの対象は、60歳以上の人、障害のある人、革命への貢献が認められた人(退役軍人らを含む)、6歳未満の子ども、の4区分だ。カードを持っていれば、補助対象の134バス路線とメトロ1号線で運賃が全額免除される。バス乗車時はカードのQRコードをかざし、メトロでは優先ゲートでカードを提示する形になる。
ホーチミンではもともと7月から134路線を無料化する施策が動いており、今回のカードはその枠組みの中で、高齢者や障害者といった優先区分を制度としてカバーするものだ。一般利用者向けの無料化とは申請の要否が異なる点に注意したい。
申請は3経路、MultiGoアプリか窓口かサイゴンバスターミナル
申請の入り口は3つ用意されている。スマホで完結させたいならMultiGoアプリ、市の公共交通管理センターの情報ポータル、そして対面で相談したい場合はサイゴンバスターミナルの窓口だ。いずれも、本人情報・顔写真・対象であることを示す証明書類を提出する。
証明書類は区分ごとに違う。60歳以上なら身分証明書、障害のある人は障害者証明書、6歳未満は出生証明書、退役軍人など貢献者は該当する証明書が必要になる。審査は1営業日、カードの発行は最大3営業日で、サイゴンバスターミナルでの受け取りか、各区のステーションでの配布となる。オンライン申請でも顔写真の登録は避けられないので、証明写真データを先に用意しておくと入力でつまずかない。
無料化で8月12日は1日30.6万人、バス利用は前年比44%増
無料施策の効果はすでに数字に出ている。市の集計では、8月12日時点で市バス網の利用は約1,200万人分に達し、前年同期比でおよそ44%増えた。8月12日単日では約30万6,000人が無料バスを利用し、前年より約55%多い。カード配布はこの利用増の波の中で進んでいる。
ただ、無料であることが利用者を呼び込む一方で、管理センターは長期的に使われ続けるかは運行品質次第だとしている。混雑や遅延が増えれば、無料でも足が遠のく。対象者にとっては、カードを取ったうえで実際に使いやすい路線を見極めることが次の課題になる。
家族に対象者がいる在住者が先に動くと得をする
この制度で見落とされやすいのが、申請が本人単位で、写真と証明書が要るという点だ。日本から親を呼び寄せて同居している家庭や、60歳を迎えた在住者は、書類を揃えるだけで通勤・通院・買い物の交通費がまるごと消える可能性がある。とくに通院でメトロ1号線とバスを乗り継ぐ人ほど恩恵が大きい。ベンタイン〜スオイティエンのメトロ1号線沿いに住んでいれば、駅までのバスとメトロを通しで無料にできるため、日常の行動範囲がそのまま乗車券なしで動ける範囲になる。
一方で、無料バスの利用にはこの先10月から本人認証が必須になる動きもある。カードを取っておくだけでなく、VNeIDなど本人確認の準備も並行して進めておくと、制度が変わっても慌てずに済む。過去の無料化初期の利用急増を見ても、対象者の登録は早いほど窓口が空いていて動きやすい。
申請前に確認する持ち物と受け取りまでの日数
- 対象区分:60歳以上/障害のある人/退役軍人ら貢献者/6歳未満の子ども
- 提出物:本人情報・顔写真・区分に応じた証明書(身分証、障害者証明、出生証明など)
- 申請経路:MultiGoアプリ/公共交通管理センターの情報ポータル/サイゴンバスターミナル窓口
- 所要日数:審査は1営業日、発行は最大3営業日
- 使える範囲:補助対象の市バス134路線とメトロ1号線(ベンタイン〜スオイティエン)
対象なら書類を揃えて早めに申請窓口へ
8月4日に始まったこのカードは、8月中旬も申請と配布が続いており、8月12日時点で市バス利用は前年比44%増と、制度は実際に回っている。60歳以上・障害のある人・退役軍人と、その家族に該当者がいる在住者は、身分証と顔写真を用意してMultiGoアプリかサイゴンバスターミナルで手続きを済ませておきたい。まずは自分や家族が対象区分に当てはまるかを確認し、証明書類を1枚ずつ揃えるところから始めるのが近道だ。
