8月6日から9日まで、ダナンの海沿いにある東海公園(Công viên Biển Đông/Bien Dong Park)が韓国一色になった。「2026 ベトナム・韓国フェスティバル in ダナン」の会場に、両国の食・観光・物産を紹介する90を超えるブースが並び、韓国からは大邱・平沢・龍仁・烏山・光陽・霊岩・求礼の7都市が参加した。4日間の中心舞台になったこの公園は、ふだんは24時間出入り自由・入場無料の市民の散歩道だ。そこに越韓料理コンテストとKポップのステージが持ち込まれ、街の空気がまるごと変わった。ダナン在住者や、これから訪れる日本人旅行者に向けて、この4日間で何が起きたのか、そしてフェスが終わった今も残るものを整理しておく。
東海公園に並んだ90超のブース、韓国7都市が持ち込んだもの
メイン会場になった東海公園は、ヴォー・グエン・ザップ通りとファム・ヴァン・ドン通りが交わるアンハイ地区の海辺にある。ミーケビーチの目の前で、夕方になると海風が抜ける場所だ。ここに「90を超えるブースが、ベトナムと韓国の文化・料理・観光商品・物産・サービスを紹介した」(主催のダナン観光プロモーションセンター発表)。
ブースの主役は食だった。韓国側は7都市がそれぞれの地域色を持ち寄り、ベトナム側は中部の料理や物産で応じる。会場は年齢を問わず参加できる体験・交流の場として設計され、伝統芸術の展示や協力事業の紹介スペースも併設された。フェス初日の8月6日は会場エリアが16時から22時まで開き、屋台の灯りと海の暗さのコントラストが夜市の雰囲気をつくった。
規模感を近い例で見ると、同じ2026年にカントーで開かれた食フェスは約40ブースだった。カントーの「フオン・サック・タイ・ドー」も夜市型のにぎわいで知られるが、ダナンの90超という数字は、地方都市のフェスとしてはかなり大きい部類に入る。
越韓料理コンテストとKポップ、4夜のステージで起きたこと
4日間の夜は、両国のアーティストが交代でステージに立った。光陽のKポップチーム、大邱と霊岩の芸術団が出演し、サムルノリ(韓国の伝統打楽器)や韓国のソゴ舞、ベトナムの竹ダンス、そして観客参加型のKポップ・ランダムダンスが入り混じった。ステージ企画の一つ「ベトナム・韓国タレントコンテスト:Kポップダンス」の決勝もこの会場で行われている。
食の目玉が「ベトナム・韓国料理コンテスト」だ。両国の料理人が同じ場で腕を競う企画で、キムチや韓国式の煮込みと、ベトナム中部の魚介・麺料理が並ぶ光景は、この地域ならではの越韓ミックスだった。会場外でも催しは広がり、韓国映画の上映会「Korean Film Days」がCGVヴィンコムで開かれ、約20の韓国の大学が参加する教育交流プログラム、テコンドーとベトナム武術ヴォヴィナムの合同演武、元韓国代表選手を招いたサッカー交流や外交親善ゴルフ大会まで組まれた。8月7日の夜に東海公園で開会式が正式に行われ、9日に閉会式で幕を閉じた。
なぜダナンだったのか、韓国人が空の玄関の35%を握る街
このフェスがダナンで成立するのには理由がある。韓国はいまダナン最大の客層で、市に就航する国際線の35%以上を占める。2025年8月1日には、ダナンがその年に迎えた韓国人観光客が100万人に達した。ベトナム全体で見ても、韓国からの旅行者は年間400万人超で、東南アジアではタイやフィリピンを抑えて渡航先トップに立つ。ダナンの海と食は、韓国の人々にとってすでに「近くて手が届くリゾート」なのだ。
ダナン側も、ビーチリゾートという一枚看板から顔を増やそうとしている。アジア映画祭で元ボンドガールのジェーン・シーモアを迎えた街が、今度は隣国の食文化を丸ごと招き入れた形だ。2022年に始まったこのフェスは、毎年4万人超を集める催しに育ち、投資・貿易・観光・文化の交流窓口として定着している。日本人旅行者にとっては、ダナン旅行のついでに隣国・韓国の食文化まで一度に味わえる、年に一度の重なりだった。
フェスが終わっても東海公園は残る、次回と通年の歩き方
8月9日で今年のフェスは終わったが、舞台になった東海公園そのものは通年で楽しめる。入場は無料、24時間開いていて、ミーケビーチのすぐそば。バイク・車の駐車料金が15,000ドン前後(1万ドン≒60円換算で約90円)かかる程度で、夕方の散歩やサンセット狙いにちょうどいい。フェス期間でなくても、公園の遊歩道と海辺の夜景は在住者に人気の定番スポットだ。
次に狙うなら、このフェスは毎年8月上旬の開催が続いている。来年も同じ時期に東海公園周辺で開かれる可能性が高く、韓国料理の屋台とステージを目当てにするなら8月頭のダナン滞在を組むといい。ベトナム中部はフェスの季節が長く、春のフエ・フェスティバルの王宮ライトアップから夏の越韓フェスまで、時期をずらして街を回る旅も組める。ダナン発ならフエまで車で2時間ほどだ。
韓国が最大の客層になった現実を、海辺で可視化した4日間
90を超えるブースと韓国7都市、越韓料理コンテスト、4夜のKポップ。2026年のベトナム・韓国フェスティバル in ダナンは、韓国がダナン最大の客層になった現実を、海辺の公園でそのまま可視化した4日間だった。会場の東海公園は入場無料で通年開いているので、フェスを逃しても損はない。来年の8月頭、ミーケビーチの隣でまた同じ灯りが並ぶはずだ。
Sources
- Danang Fantasticity(ダナン観光公式)「2026 Viet Nam – Korea Festival in Da Nang」 https://danangfantasticity.com/en/news/2026-viet-nam-korea-festival-in-da-nang
- Báo Quốc Tế「Da Nang bustles with the vibrant colours of Vietnam-Korea culture」 https://en.baoquocte.vn/da-nang-bustles-with-the-vibrant-colours-of-vietnam-korea-culture-429117.html
- Danang Fantasticity「Da Nang Welcomes the 1 Millionth Korean Visitor in 2025」 https://danangfantasticity.com/en/highlight-post/da-nang-welcomes-the-1-millionth-korean-visitor-in-2025
