ベトナムでは、スーパーの缶入り商品から専門店の非加熱タイプまで、コンブチャの選択肢が増えています。Star Kombucha、緑茶と蜂蜜で仕込むJunbuchaを掲げるNecta、大手Vinamilkの「HAY ĐẤY」など、同じ名前でも中身と保存方法はさまざまです。

ここで大切なのは、「コンブチャならどれも同じ」「健康効果が証明されている」と考えないことです。加熱の有無、糖分、カフェイン、要冷蔵か、アルコール表示は商品ごとに違います。発酵由来の味を試したいのか、持ち歩きやすい炭酸飲料を探しているのかで、選ぶ一本も変わります。
この記事では、ベトナムで確認できる主なブランド、Junbuchaとの違い、飲める場所、旅行者がラベルで見るべきポイントを整理します。店舗や在庫は変わるため、訪問前には公式サイトやSNSも確認してください。
先に結論:買う前に見る4項目
- 製法:非加熱・要冷蔵か、加熱済み・常温流通かを確認します
- 糖分とカフェイン:健康イメージではなく、栄養表示と原材料で比べます
- アルコール:HAY ĐẤYは公式商品情報でアルコールフリー、Nectaは現在ノンアルコール商品として案内しています。ただし発酵飲料は表示を毎回確認してください
- 持ち帰り:非加熱品は冷蔵管理が必要です。長時間移動の土産には常温流通品のほうが扱いやすい場合があります
そもそもコンブチャとは
コンブチャは、一般的には、甘くした紅茶を SCOBY(スコビー)と呼ばれる菌の塊で発酵させた微炭酸の発酵飲料です(緑茶や別の甘味料を使うタイプもあります)。ほんのり甘酸っぱく、シュワっとした飲み口が特徴。日本で言う「昆布茶」とは別ものです。
アルコールはごく少量〜ゼロで(製品によって異なります)、発酵飲料やお酒に代わる一杯として選ばれています。ベトナムでも、ホーチミンやハノイのカフェやスーパーで見かける機会が増えました。
どうやって作られる?
作り方はシンプルです。砂糖を加えたお茶に SCOBY を入れ、1〜2週間ほど常温で発酵させます。この間に、お茶の甘みが酸味と炭酸、そしてほのかな旨みに変わっていきます。
できあがったベースに、フルーツやハーブ、花を加えて二次発酵させると、フレーバー付きの炭酸コンブチャになります。ベトナムのブランドが豊富なフレーバーを出せるのは、この二次発酵の工程で地元の素材を自由に組み合わせているからです。
Junbucha(ジュンブチャ)とは
ベトナムのコンブチャ事情で、いま特に面白いのが Junbucha(ジュンブチャ)です。もとになる Jun は、コンブチャによく似た発酵飲料ですが、材料が違います。
| コンブチャ | Junbucha(Jun) | |
|---|---|---|
| ベースのお茶 | 紅茶 | 緑茶 |
| 甘みの素 | 砂糖 | 蜂蜜 |
| 味わいの傾向 | しっかり甘酸っぱい | まろやかで繊細。「コンブチャのシャンパン」とも |
※ここでは一般的な組み合わせを示しています。コンブチャも緑茶や他の甘味料で仕込むことがあり、両者の境界はゆるやかです。
このJunbuchaについて、自ら「ベトナム初の Junbucha」を掲げているのが、ハノイの Necta です。緑茶と純粋な蜂蜜に、地元のフルーツや花、スパイスを合わせて発酵させた一杯で、非加熱(低温殺菌なし)で仕上げています。緑茶由来のすっきりした後味は、ベトナム産の抹茶や蓮の実茶が好きな人にも合いそうです。
ベトナムの主要コンブチャブランド
国産ブランドが次々と登場し、選択肢が一気に増えました。まず押さえておきたい代表格を挙げます。
| ブランド | 特徴 |
|---|---|
| Star Kombucha | ベトナムを代表する国産コンブチャブランド(2019年〜)。桃・グアバ・レモングラス・マンゴー・パイナップルなど、現地の好みに合わせたフレーバーが豊富。スーパーやカフェで最もよく見かける定番 |
| Necta(Junbucha) | 自ら「ベトナム初の Junbucha」を掲げるブランド。緑茶+蜂蜜のまろやかな味わいで、ハノイにタップルームを構える |
| Vinamilk「HAY ĐẤY」 | 国内最大手の乳業 Vinamilk が2025年に投入。6か月かけて仕込むタイプで、バタフライピー(青い花)や紅茶などのフレーバーがある炭酸コンブチャ |
| Lady Kombucha | 都市部で見かける国産ブランドのひとつ |
| Boochique / Noor / Arabúcha | ホーチミン・ハノイを中心に、小規模の国産ブランドが続々と登場している |
代表格の Star Kombucha、Junbucha を掲げる Necta、そして大手の Vinamilk まで参入したことで、ベトナムのコンブチャは「一部の健康好きの飲み物」から「街で買える定番」へと広がりつつあります。
フレーバーで選ぶ
ベトナムのコンブチャは、フレーバーの幅広さも魅力です。初めてなら、甘さと酸味の説明を確認しやすいフルーツ系から比べると選びやすいでしょう。
| タイプ | フレーバー例 | こんな人に |
|---|---|---|
| フルーツ系 | 桃・グアバ・マンゴー・パイナップル・パッションフルーツ | 甘酸っぱく飲みやすい。コンブチャが初めての人に |
| ハーブ系 | レモングラス | すっきり爽やかに飲みたいとき |
| フラワー系 | バタフライピー(青い花) | 見た目も鮮やか。写真映えも(Vinamilk「HAY ĐẤY」など) |
| お茶ベースの違い | 紅茶(コンブチャ)/緑茶+蜂蜜(Junbucha) | お茶そのものの風味を楽しみたい人に |
甘さや酸味はブランドやフレーバーで差があります。迷ったら、店の人に「甘さ控えめ」「フルーツ系」と伝えれば選んでもらえます。
ベトナムならではの「アレンジ系」コンブチャ
ベトナムのコンブチャの面白さは、定番のフルーツ系だけでは終わりません。ひねりの効いた一杯が次々に生まれているのも、この国ならではです。
なかでもユニークなのが、Pizza 4P’s のホエイを使ったコンブチャです。Pizza 4P’s は自家製チーズを作る際に大量のホエイ(乳清)が出るため、それを捨てずにドリンクへ活用しています(同じホエイから、Pasteur Street と組んだ「ホエイ・スタウト」も生まれました)。捨てるはずのものをおいしい一杯に変える発想は、いかにもベトナムの若いフード業界らしいところです。
ほかにも、ハノイの Standing Bar ではコンブチャと並んで「カカオチャ(cacaocha)」を出していたり、小規模ブランドが地元のフルーツ・花・スパイスを合わせた実験的な一杯を出していたり。飲み比べるだけで楽しく、クラフトビールのフレーバー競争にも通じる自由さがあります。
どこで飲む・買う
旅行中でも、コンブチャに出会える場所は増えています。
専門タップルームで飲む ── Necta Taproom(ハノイ)
Junbucha をその場で味わえるのが、Necta のタップルームです。ハノイ・バーディン区の Đặng Tất 通りにあり、樽から注ぎたての Junbucha や、ブランドの製品ラインを試せます。Junbucha を専門に扱う店として、コンブチャ好きなら立ち寄る価値があります。
バーやカフェで ── ノンアルの選択肢として
クラフトビールの店でも、ノンアル(NoLo)の選択肢としてコンブチャを置く店が出てきました。ハノイの Standing Bar はその一例で、クラフトビールと並べてコンブチャやカカオ発酵飲料を提供しています。お酒を飲まない日や、クラフトビールの合間の一杯にも合います。
スーパー・コンビニで買う
- イオンや Bách Hóa Xanh などのスーパー、コンビニのチルド棚で、瓶・缶のコンブチャが買えます。価格はブランドやサイズによりますが、1本20,000〜40,000VND(約120〜240円)前後が目安です
- 非加熱の生タイプは要冷蔵(2〜6℃)。一方で缶や常温で流通するタイプもあります。生タイプは買ったら早めに、ホテルの冷蔵庫で冷やしておくと安心です
- お土産にする場合、液体は日本へは預け入れ荷物で。非加熱タイプは特に持ち運びに注意します
コンブチャの楽しみ方
コンブチャは、そのまま飲む以外にもいろいろな楽しみ方があります。旅行中でも、日常でも取り入れやすい飲み物です。
- よく冷やして単体で:微炭酸なので、キンキンに冷やすといちばんすっきり飲めます
- 食事に合わせて:脂っこい料理や辛い料理の口直しに。ノンアルなので昼食にも
- お酒の代わりに:お酒を飲まない日や、飲みすぎた翌日の一杯として
- モクテル・カクテルのベースに:炭酸やフルーツと合わせれば、ノンアルカクテルにも
お酒を飲まない「ソバーキュリアス」の流れもあり、コンブチャはナイトライフのノンアル選択肢としても定着しつつあります。
なぜベトナムでコンブチャが広がっているのか
背景には、都市部でノンアルコール飲料や発酵食品への関心が高まり、カフェやスーパーで選べる商品が増えたことがあります。ただし、「腸活」などの宣伝表現と、ヒトで確認された健康効果は分けて考える必要があります。コンブチャは治療目的ではなく、味や飲み方で選ぶ飲料です。
甘いベトナムコーヒーやビールが定番の国で、あえて発酵飲料を選ぶ。そんな新しい飲み方の受け皿として、コンブチャは広がっています。カフェ文化全体の流れはベトナムのカフェ比較ガイドもあわせてどうぞ。
よくある質問
- コンブチャと Junbucha は何が違いますか?
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一般的に、コンブチャは紅茶と砂糖、Junbucha(Jun)は緑茶と蜂蜜で発酵させます。Junbucha のほうがまろやかで繊細な味わいです。ベトナムでは Necta が「ベトナム初の Junbucha」を掲げています。
- ベトナムでおすすめのコンブチャブランドは?
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Star Kombucha、Junbucha を掲げる Necta、大手 Vinamilk の「HAY ĐẤY」などが代表です。フルーツ系のフレーバーが多く、初めてでも飲みやすいです。
- コンブチャはどこで買えますか?
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イオンや Bách Hóa Xanh などのスーパー、コンビニのチルド棚で買えます。ハノイの Necta のような専門タップルームや、クラフトビールのバーで飲めることもあります。
- コンブチャにアルコールは入っていますか?
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製品によって異なります。Vinamilkの「HAY ĐẤY」は公式商品情報でアルコールフリー、Nectaは現在ノンアルコール商品として案内しています。ただし、発酵方法や商品仕様は変わる可能性があるため、お酒を避ける人、妊娠中の人、運転前の人は、その時点のボトル表示を確認してください。
- 日本へお土産に持ち帰れますか?
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未開封の瓶・缶は持ち帰れますが、航空会社の手荷物ルールと日本の持込条件を出発前に確認してください。非加熱・要冷蔵タイプは温度管理が難しいため、長時間の土産には向かない場合があります。
まとめ:ブランド名より、製法と表示で選ぶ
ベトナムでは、紅茶ベースのコンブチャ、緑茶と蜂蜜のJunbucha、大手メーカーの缶入り商品まで選択肢が広がりました。ただし、非加熱の発酵飲料と常温流通できる炭酸商品では、味、保存方法、微生物の状態が同じとは限りません。
その場で発酵らしい味を試すなら専門店、移動中の飲みやすさならスーパーの商品というように、目的から選ぶのが実用的です。糖分、カフェイン、アルコール、要冷蔵表示を確認し、健康効果を期待しすぎず、一つの飲み物として楽しんでください。


