コーヒーとビールの国ベトナムで、ここ数年ぐっと存在感を増しているのがコンブチャです。健康志向の若い世代を中心に広がり、国産のローカルブランドから、蜂蜜と緑茶で仕込む「Junbucha(ジュンブチャ)」、さらには大手 Vinamilk の参入まで、シーンは一気に賑やかになりました。
この記事では、ベトナムのコンブチャを、種類・主要ブランド・飲める場所まで、旅行者や在住者の目線でまとめました。お酒を飲まない日の選択肢を探している人にも参考になります。
そもそもコンブチャとは
コンブチャは、一般的には、甘くした紅茶を SCOBY(スコビー)と呼ばれる菌の塊で発酵させた微炭酸の発酵飲料です(緑茶や別の甘味料を使うタイプもあります)。ほんのり甘酸っぱく、シュワっとした飲み口が特徴。日本で言う「昆布茶」とは別ものです。
アルコールはごく少量〜ゼロで(製品によって異なります)、発酵飲料やお酒に代わる一杯として選ばれています。ベトナムでも、ホーチミンやハノイの20〜30代を中心に、カフェやスーパーで見かける機会が増えました。
どうやって作られる?
作り方はシンプルです。砂糖を加えたお茶に SCOBY を入れ、1〜2週間ほど常温で発酵させます。この間に、お茶の甘みが酸味と炭酸、そしてほのかな旨みに変わっていきます。
できあがったベースに、フルーツやハーブ、花を加えて二次発酵させると、フレーバー付きの炭酸コンブチャになります。ベトナムのブランドが豊富なフレーバーを出せるのは、この二次発酵の工程で地元の素材を自由に組み合わせているからです。
Junbucha(ジュンブチャ)とは
ベトナムのコンブチャ事情で、いま特に面白いのが Junbucha(ジュンブチャ)です。もとになる Jun は、コンブチャによく似た発酵飲料ですが、材料が違います。
| コンブチャ | Junbucha(Jun) | |
|---|---|---|
| ベースのお茶 | 紅茶 | 緑茶 |
| 甘みの素 | 砂糖 | 蜂蜜 |
| 味わいの傾向 | しっかり甘酸っぱい | まろやかで繊細。「コンブチャのシャンパン」とも |
※ここでは一般的な組み合わせを示しています。コンブチャも緑茶や他の甘味料で仕込むことがあり、両者の境界はゆるやかです。
このJunbuchaについて、自ら「ベトナム初の Junbucha」を掲げているのが、ハノイの Necta です。緑茶と純粋な蜂蜜に、地元のフルーツや花、スパイスを合わせて発酵させた一杯で、非加熱(低温殺菌なし)で仕上げています。緑茶由来のすっきりした後味は、ベトナム産の抹茶や蓮の実茶が好きな人にも合いそうです。
ベトナムの主要コンブチャブランド
国産ブランドが次々と登場し、選択肢が一気に増えました。まず押さえておきたい代表格を挙げます。
| ブランド | 特徴 |
|---|---|
| Star Kombucha | ベトナムを代表する国産コンブチャブランド(2019年〜)。桃・グアバ・レモングラス・マンゴー・パイナップルなど、現地の好みに合わせたフレーバーが豊富。スーパーやカフェで最もよく見かける定番 |
| Necta(Junbucha) | 自ら「ベトナム初の Junbucha」を掲げるブランド。緑茶+蜂蜜のまろやかな味わいで、ハノイにタップルームを構える |
| Vinamilk「HAY ĐẤY」 | 国内最大手の乳業 Vinamilk が2025年に投入。6か月かけて仕込むタイプで、バタフライピー(青い花)や紅茶などのフレーバーがある炭酸コンブチャ |
| Lady Kombucha | 都市部で見かける国産ブランドのひとつ |
| Boochique / Noor / Arabúcha | ホーチミン・ハノイを中心に、小規模の国産ブランドが続々と登場している |
代表格の Star Kombucha、Junbucha を掲げる Necta、そして大手の Vinamilk まで参入したことで、ベトナムのコンブチャは「一部の健康好きの飲み物」から「街で買える定番」へと広がりつつあります。
フレーバーで選ぶ
ベトナムのコンブチャは、フレーバーの幅広さも魅力です。初めてなら、甘酸っぱいフルーツ系から入るのが失敗しません。
| タイプ | フレーバー例 | こんな人に |
|---|---|---|
| フルーツ系 | 桃・グアバ・マンゴー・パイナップル・パッションフルーツ | 甘酸っぱく飲みやすい。コンブチャが初めての人に |
| ハーブ系 | レモングラス | すっきり爽やかに飲みたいとき |
| フラワー系 | バタフライピー(青い花) | 見た目も鮮やか。写真映えも(Vinamilk「HAY ĐẤY」など) |
| お茶ベースの違い | 紅茶(コンブチャ)/緑茶+蜂蜜(Junbucha) | お茶そのものの風味を楽しみたい人に |
甘さや酸味はブランドやフレーバーで差があります。迷ったら、店の人に「甘さ控えめ」「フルーツ系」と伝えれば選んでもらえます。
ベトナムならではの「アレンジ系」コンブチャ
ベトナムのコンブチャの面白さは、定番のフルーツ系だけでは終わりません。ひねりの効いた一杯が次々に生まれているのも、この国ならではです。
なかでもユニークなのが、Pizza 4P’s のホエイを使ったコンブチャです。Pizza 4P’s は自家製チーズを作る際に大量のホエイ(乳清)が出るため、それを捨てずにドリンクへ活用しています(同じホエイから、Pasteur Street と組んだ「ホエイ・スタウト」も生まれました)。捨てるはずのものをおいしい一杯に変える発想は、いかにもベトナムの若いフード業界らしいところです。
ほかにも、ハノイの Standing Bar ではコンブチャと並んで「カカオチャ(cacaocha)」を出していたり、小規模ブランドが地元のフルーツ・花・スパイスを合わせた実験的な一杯を出していたり。飲み比べるだけで楽しく、クラフトビールのフレーバー競争にも通じる自由さがあります。
どこで飲む・買う
旅行中でも、コンブチャに出会える場所は増えています。
専門タップルームで飲む ── Necta Taproom(ハノイ)
Junbucha をその場で味わえるのが、Necta のタップルームです。ハノイ・バーディン区の Đặng Tất 通りにあり、樽から注ぎたての Junbucha や、ブランドの製品ラインを試せます。Junbucha を専門に扱う店として、コンブチャ好きなら立ち寄る価値があります。
バーやカフェで ── ノンアルの選択肢として
クラフトビールの店でも、ノンアル(NoLo)の選択肢としてコンブチャを置く店が出てきました。ハノイの Standing Bar はその一例で、クラフトビールと並べてコンブチャやカカオ発酵飲料を提供しています。お酒を飲まない日や、クラフトビールの合間の一杯にも合います。
スーパー・コンビニで買う
- イオンや Bách Hóa Xanh などのスーパー、コンビニのチルド棚で、瓶・缶のコンブチャが買えます。価格はブランドやサイズによりますが、1本20,000〜40,000VND(約120〜240円)前後が目安です
- 非加熱の生タイプは要冷蔵(2〜6℃)。一方で缶や常温で流通するタイプもあります。生タイプは買ったら早めに、ホテルの冷蔵庫で冷やしておくと安心です
- お土産にする場合、液体は日本へは預け入れ荷物で。非加熱タイプは特に持ち運びに注意します
コンブチャの楽しみ方
コンブチャは、そのまま飲む以外にもいろいろな楽しみ方があります。旅行中でも、日常でも取り入れやすい飲み物です。
- よく冷やして単体で:微炭酸なので、キンキンに冷やすといちばんすっきり飲めます
- 食事に合わせて:脂っこい料理や辛い料理の口直しに。ノンアルなので昼食にも
- お酒の代わりに:お酒を飲まない日や、飲みすぎた翌日の一杯として
- モクテル・カクテルのベースに:炭酸やフルーツと合わせれば、ノンアルカクテルにも
お酒を飲まない「ソバーキュリアス」の流れもあり、コンブチャはナイトライフのノンアル選択肢としても定着しつつあります。
なぜベトナムでコンブチャが広がっているのか
背景にあるのは、都市部の健康志向の高まりです。ホーチミンやハノイのミレニアル世代・Z世代を中心に、腸活や自然派の飲み物への関心が強まり、コンブチャのような発酵飲料の需要が伸びています。
甘いベトナムコーヒーやビールが定番の国で、あえて発酵飲料を選ぶ。そんな新しい飲み方の受け皿として、コンブチャは広がっています。カフェ文化全体の流れはベトナムのカフェ比較ガイドもあわせてどうぞ。
よくある質問
- コンブチャと Junbucha は何が違いますか?
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一般的に、コンブチャは紅茶と砂糖、Junbucha(Jun)は緑茶と蜂蜜で発酵させます。Junbucha のほうがまろやかで繊細な味わいです。ベトナムでは Necta が「ベトナム初の Junbucha」を掲げています。
- ベトナムでおすすめのコンブチャブランドは?
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Star Kombucha、Junbucha を掲げる Necta、大手 Vinamilk の「HAY ĐẤY」などが代表です。フルーツ系のフレーバーが多く、初めてでも飲みやすいです。
- コンブチャはどこで買えますか?
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イオンや Bách Hóa Xanh などのスーパー、コンビニのチルド棚で買えます。ハノイの Necta のような専門タップルームや、クラフトビールのバーで飲めることもあります。
- コンブチャにアルコールは入っていますか?
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製品によって異なります。Vinamilk の「HAY ĐẤY」はアルコールフリー、Necta の Junbucha は1%未満のアルコールを含むと案内されています。お酒を飲まない人の選択肢になりますが、気になる場合は各製品の表示を確認してください。
- 日本へお土産に持ち帰れますか?
-
瓶・缶で売られているので持ち帰れますが、液体は預け入れ荷物に入れます。要冷蔵・発酵飲料なので、特に非加熱タイプは持ち運びと賞味期限に注意してください。
まとめ:ベトナムの新しい一杯
紅茶ベースのコンブチャ、緑茶と蜂蜜の Junbucha、そして大手も参入した炭酸タイプ。ベトナムのコンブチャは、この数年で一気に選択肢が広がりました。
コーヒーとビールの国の、もうひとつの新しい一杯として。ハノイなら Necta のタップルームで Junbucha を、街のスーパーで気軽に一本を。お茶好きならベトナム産抹茶ガイドやアーティチョーク茶とあわせて、ベトナムの「飲む」文化を広げてみてください。
