料金所を通らない月も6600ドン、ETCウォレット管理費がVETC撤回

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ベトナムで自家用車を持つ在住者に、8月の初めに見慣れない課金の通知が届いた。ETC決済アプリのVETCとePassが、8月1日から電子ウォレットに月額管理費を課すと知らせたためだ。個人は月6,600ドン、法人は月66,000ドン。ところが利用者の反発が広がり、両社は8月20日にそろって撤回を発表した。高速をよく使う人ほど「知らないうちに払っていた」お金なので、自分の口座設定を一度見ておきたい。

この記事は、ベトナムで車を運転する在住者・長期滞在者に向けて、何にいくら課金されかけたのか、そして撤回後も自分の設定で気をつける点を整理するものだ。

目次

個人6,600ドン・法人66,000ドン、8月1日に始まった月額課金

VETCとePassは、ETC(電子料金収受)の残高をチャージしておく電子ウォレットに対し、8月1日から毎月の管理費を課すと通知した。金額は個人が1つのウォレットにつき月6,600ドン(VAT込み、日本円で約38円)、法人が月66,000ドン(同約377円)。年額に直すと個人79,200ドン、法人792,000ドンになる。

区分 月額(VND) 年額(VND) 円換算(概算)
個人ウォレット 6,600 79,200 月約38円 / 年約450円
法人ウォレット 66,000 792,000 月約377円 / 年約4,500円

1円≒175ドンで換算した概算。金額はVAT込み、2026年8月時点の各社通知に基づく。

金額そのものは缶コーヒー1本ぶんに満たない。それでも火がついたのは、料金の性質と対象の広さだった。

料金所を通らない月も引かれる、対象はVETCだけで約260万件

反発の中心は「その月に一度も高速に乗らなくても課金される」点にあった。ウォレット管理費は通行実績と無関係の月額固定で、車を車庫に置いたままの月でも6,600ドンが差し引かれる。VETC側だけで課金対象は約260万件のウォレットにのぼり、全国でETCを搭載した車は約630万台に達する。都市部の高速や環状道路がほぼETC専用に切り替わった今、車を持てば事実上このアプリから逃げられない、というのが利用者の受け止めだった。8月15日から自家用車の有料送迎が最大1,400万ドンの罰金対象になった件と同じ時期で、車まわりの新ルールが立て続けに来た印象も反感を後押しした。

交通口座と電子ウォレットは別物、銀行直結ならこの費用は避けられる

ここで在住者が押さえておきたいのが、「交通口座」と「電子ウォレット」の違いだ。混同しやすいが役割が異なる。

  • 交通口座(tài khoản giao thông): 料金所を通ったときに実際の通行料を精算する、制度上の口座。ETCを使う以上ここは必須で、今回の管理費の対象ではない。
  • 電子ウォレット(ví điện tử): VETCやViettel Money(ePass側)が提供する、交通口座に残高を渡すための支払い手段。今回の月額管理費はこのウォレットにかかっていた。

ePassは、ウォレットを使いたくない人は銀行口座やポストペイ(後払い)、クレジットカード、国際カードなど別の支払い方法を選べると説明した。つまり交通口座をウォレット経由ではなく銀行口座に直接ひも付ければ、月額の管理費は発生しない。銀行口座を紐付ける場合は、口座が生体認証の未登録で止まる問題や、送金アプリのソフトOTP変更など、この夏に相次いだ銀行側の設定変更とあわせて確認しておくと引き落とし漏れを防げる。

国家競争委員会と道路総局が動き、20日にVETCとePassが撤回

課金開始から反発が広がると、行政も動いた。国家競争委員会が競争上の問題がないかを調べ、道路総局(Cục Đường bộ)は料金体系の再計算を求めた。副首相も苦情の調査を指示している。VETCは当初「運用費用やシステムの保守・更新、24時間体制のセキュリティ確保に充てる」と説明していたが、8月20日に管理費の徴収を止めると発表。ePass側(Viettel Money)も同日に同じ判断を示した。VETCは告知の伝え方が不十分だったと認め、顧客の声を踏まえてより適切な方法を検討するとした。開始から撤回まで、わずか20日だった。

撤回後に在住者が確認しておくこと

  • 8月の明細に6,600ドン(法人は66,000ドン)の引き落としがないか、アプリの取引履歴を見る。撤回に伴う返金・相殺の扱いは各社の案内を確認する。
  • 自分の交通口座が「ウォレット残高」で決済されているか、「銀行口座直結・後払い」かを確認する。前者だと将来また同種の手数料が乗る余地がある。
  • 銀行口座に紐付け直す場合は、その口座が生体認証登録済みで送金・引き落としが止まっていないかを先に確かめる。
  • 法人名義で複数台を運用している場合、ウォレット単位で課金される設計だったため、車両ごとの支払い方法をまとめて棚卸ししておく。

今回で消えたのはウォレットの月額管理費であって、高速そのものの通行料や料金所の課金が変わったわけではない。制度としてのETCは残り、決済手段の選び方だけが利用者の手に委ねられた形だ。次に似た通知が来たときに慌てないよう、自分の車が「交通口座+何で払っているか」を今のうちに一度メモしておくと、明細を見た瞬間に判断できる。

参照元

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この記事を書いた人

ベトナム・ホーチミン在住3年目|旅行で来るだけでは知ることができない、現地にいるからこそわかるローカル情報を中心に発信していければと思いベトナム旅行の専門情報サイトを立ち上げました。

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