ホイアンの日本橋で着替え要請、遺産地区で気をつけたい服装の目安

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ホイアン旧市街のシンボル、来遠橋(らいえんきょう)――地元では「日本橋(Chua Cau)」の名で親しまれる屋根付きの橋の入口で、2026年8月4日の夜7時ごろ、ひとりの外国人女性が足を止められた。黒い生地は透け感が強く、腰の高い位置までスリットが入った装い。橋へ入ろうとしたところを地元ガイドのチュオン・ブイ・ゴック・クエさん(Truong Bui Ngoc Khue)が英語で呼び止め、服を替えるよう伝えた。女性は同行者とともにいったん橋を離れ、近くで衣類を買い直してから見学に戻ったという。翌8月5日にやり取りの動画がFacebookで広がり、ガイドの対応に称賛の声が集まった。

この一件は「誰かを責める話」ではない。ホイアンの遺産地区には、日本の寺社と同じように服装のめやすがある。初めて訪れる人ほど知らないまま境内に足を踏み入れてしまう。日本からの旅行者が同じ場面で戸惑わないよう、報じられた事実と、旧市街を気持ちよく歩くための実用情報を整理しておきたい。

目次

「長ズボンか長いスカートを」――来遠橋の入口でガイドが伝えたこと

地元紙DTiNewsによると、クエさんが女性にかけた言葉は「ここは世界文化遺産です。そのような服装は避けてください。長ズボンか長いスカートを着てください」という趣旨のものだった。強い口調で追い返したわけではなく、英語でルールを説明したうえで着替えを促した形だ。

クエさん自身は、ベトナムを初めて訪れる人の多くが現地のルールや習慣を知らないため、理解して協力してもらえるまで説明を続けている、と取材に答えている。橋の入口だけでなく、旧市街の入口から係員が来訪者に声をかける運用になっているという。実際、注意を受けた女性たちは反発せず、服を整えてから見学を再開した。動画がSNSで支持を集めたのも、こうした穏やかなやり取りだったことが大きい。

露出した服は「集会所や寺院では着られない」――遺産地区の規定に明記

服装のめやすは担当者の思いつきではなく、ホイアンの各遺産施設の来訪規定に文章として盛り込まれている。ホイアン世界文化遺産保存センターのファム・フー・ゴック所長(Pham Phu Ngoc)は「集会所や寺院のような神聖な場所では、露出の多い服は着られない」と説明。基準を満たさない服装の来訪者には、施設に入る前に退出をお願いするよう係員に指示している、と報じられている。

来遠橋は17世紀半ばに日本人商人が築いたと伝わる橋で、1990年に国の歴史文化遺跡に指定された。橋の中ほどには小さな祠(ほこら)があり、単なる通路ではなく信仰の場を兼ねている。ホイアン旧市街そのものも1999年にユネスコ世界文化遺産へ登録された。「観光名所」と「祈りの場」が重なっているからこそ、肌の露出には気を配ってほしい、という背景がある。

ホイアンの寺社で困らない服装――肩とひざを隠せば涼しく回れる

では、具体的に何を着ればよいのか。ベトナム中部の寺社・遺産をめぐるときの目安はシンプルだ。

  • 肩を隠す:ノースリーブやキャミソール、極端に胸元の開いたトップスは避け、袖のあるシャツや薄手の羽織りものを用意する。
  • ひざを隠す:ショートパンツやミニスカートではなく、長ズボンかひざ下丈のスカート・ワンピースを選ぶ。今回問題になった高いスリットや透ける生地も、この観点では引っかかりやすい。
  • 脱ぎ履きしやすい靴:祠や寺院では靴を脱ぐ場面がある。サンダルやスリッポンだと出入りが楽になる。

ホイアンのある中部は8月まで乾季が続き、日中はかなり蒸し暑い。肌を覆うと暑いのでは、と身構える必要はない。麻や綿など通気性のよい素材を選べば、長袖・長ズボンでも十分に涼しく過ごせる。薄手のストールを一枚バッグに入れておけば、寺院に入る手前でさっと肩にかけられて便利だ。屋内の冷房が強い店も多いため、羽織りものは体温調節も兼ねてくれる。荷造りのコツはベトナム旅行の持ち物リストに、季節ごとの服装の考え方はベトナムの雨季と乾季の解説にまとめている。

世界遺産の旧市街、22の見学施設と120,000ドンの共通チケット

ホイアン旧市街を歩くうえで押さえておきたいのが、入場チケットの仕組みだ。街を散策したり橋を外から眺めたり、夜のランタンを楽しんだりするだけなら無料。一方で、来遠橋の内部や古い民家、集会所、博物館など22の見学施設に入るには、外国人向けの共通チケット(120,000ドン、約720円/1万ドン≒60円で換算、2026年8月時点)が必要になる。1枚で施設を5カ所まで見学でき、購入から24時間有効だ。

服装の目安は、この「チケットが要る施設」でとくに意識したい。祠を持つ来遠橋や、祖先を祀る集会所は、露出に気をつけたい神聖な場所そのものだからだ。反対に、川沿いのカフェで一息つくときや土産物を選ぶときまで堅苦しく考える必要はない。旧市街の歩き方やカフェの雰囲気は古都ホイアンのカフェ事情もあわせて見ておくと、緩急のつけ方がつかみやすい。

着替えて戻った旅行者が示した、遺産地区の歩き方

今回の女性は、注意を受けたあと服を買い直し、あらためて見学を楽しんで帰った。ルールを知らなかっただけで、伝えられれば応じる――旅行者と現地の双方にとって、いちばん後味のよい結末だ。ホイアンは2025年の行政再編でダナン市の一部(ホイアン坊)となったが、旧市街の祈りの場としての性格は変わらない。橋を渡る前に肩とひざを隠す一枚を用意しておく。それだけで、来遠橋の祠の前でも気兼ねなくカメラを構えられる。知っていれば避けられる小さなつまずきを、出発前の荷物にそっと足しておきたい。


参照元

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この記事を書いた人

ベトナム・ホーチミン在住3年目|旅行で来るだけでは知ることができない、現地にいるからこそわかるローカル情報を中心に発信していければと思いベトナム旅行の専門情報サイトを立ち上げました。

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