ベトナムのカフェ業界コンサルティング企業Coffee Conceptが、2026年に注目すべきカフェ5大トレンドを発表した。霊芝や冬虫夏草を配合した「ウェルネスコーヒー」、朝はテイクアウト・昼はコワーキング・夜は交流の場に変わるハイブリッド型店舗など、エッグコーヒーに続く新潮流が出揃っている。
Coffee Conceptが選んだ5大トレンド
ホーチミンを拠点にカフェの開業支援やメニュー開発を手がけるCoffee Conceptは、2026年のベトナムカフェ市場で存在感を増す5つの方向性を示した。
第1のトレンドは「多次元体験型カフェ」だ。コーヒーを出すだけでなく、コワーキングスペース・ギャラリー・ワークショップを組み合わせた「サードプレイス」への進化を指す。朝のテイクアウト需要、昼のリモートワーク客、夜のコミュニティ交流と、1日3つの顔を持つ店舗が増えている。滞在時間が長くなるぶん、フードやグッズなど飲料以外の売上も伸びる構造だ。
第2のトレンドは「サステナブル&トレーサブル」。豆の産地・精製方法・物流経路を消費者に開示する透明性が求められている。エコパッケージの導入も加速しており、使い捨てプラスチックカップを排除する店舗が支持を集める。
第3のトレンドは「テクノロジー統合とパーソナライゼーション」。アプリによるカスタムオーダー(豆の種類・焙煎度・ミルク選択)、セルフオーダー端末、QRコード決済が標準装備になりつつある。データに基づくロイヤルティプログラムがリピーターを確実に囲い込む。
第4のトレンドが本題の「ウェルネスコーヒー」。霊芝(レイシ)・冬虫夏草・ヤマブシタケ・アシュワガンダなどの薬用キノコ・ハーブをコーヒーに配合した「アダプトゲンブレンド」がメニューに登場している。コラーゲンラテや集中力を謳うフォーカスコーヒーなど、健康意識の高い層が追加料金を払ってでも選ぶ機能性飲料だ。コールドブリューやニトロコーヒー、オーツミルク・アーモンドミルクなど植物性ミルクの選択肢拡大もこの流れに含まれる。
第5のトレンドは「コンパクトモデル」。マイクロカフェ、キオスク、ドライブスルー型の小型店舗で初期投資を抑えつつ、テイクアウト特化で回転率を上げるモデルが地方都市まで広がっている。
ウェルネスコーヒーの背景——世界市場22億ドル超え
ウェルネスコーヒー(マッシュルームコーヒー)は世界規模で急成長しており、2026年の市場規模は22億ドル(約3,300億円)を超えると予測されている。過去5年間で検索ボリュームは250%以上増加した。
配合される主な薬用キノコとその訴求効果は以下の通り。
| キノコ/ハーブ | 英名 | 主な訴求 | カフェでの使われ方 |
|---|---|---|---|
| 霊芝(レイシ) | Reishi | リラックス・免疫サポート | 夜用デカフェブレンド |
| 冬虫夏草 | Cordyceps | エネルギー・持久力 | モーニングブースト |
| ヤマブシタケ | Lion’s Mane | 集中力・認知機能 | フォーカスコーヒー |
| チャーガ | Chaga | 抗酸化・免疫 | スムージーブレンド |
| アシュワガンダ | Ashwagandha | ストレス軽減 | アダプトゲンラテ |
通常のコーヒーが引き起こすカフェインの急上昇と急降下(ジッター・クラッシュ)を、キノコ成分が緩和し、なめらかなエネルギーカーブを生み出すとされている点が、健康志向の消費者に刺さっている。
現地の反応——バリスタ・消費者・投資家
バリスタ層:ホーチミンのスペシャルティカフェでは、キノコ粉末の配合比率やエスプレッソとの相性研究が進んでいる。既存のベトナム式「カーフェー・スア・ダー」にキノコを足す実験も始まった。
消費者:健康意識の高いベトナムの若年層(20〜30代)は、追加50,000〜80,000VND(約300〜480円)のプレミアムを許容する層が増加中。SNSでの発信も活発だ。
投資・業界:Coffee Conceptをはじめとするコンサル企業がウェルネスメニュー導入を提案するケースが増え、カフェ開業パッケージにキノコ原料の仕入れ先リストが標準添付されるようになった。
日本人旅行者への影響
ベトナム旅行のカフェ巡りに新しい楽しみが加わる。エッグコーヒーやココナッツコーヒーを一通り飲んだリピーター客にとって、霊芝ラテや冬虫夏草ブーストは次の「ベトナムでしか飲めない一杯」になりうる。価格帯は通常のスペシャルティコーヒーより50,000VND前後高い程度で、日本円にすれば300円ほどの差。ホーチミンのスペシャルティカフェ密集エリア(3区・タオディエン周辺)で探すのが効率的だ。
業界への波及——OEM・原料調達の変化
ウェルネスコーヒーの台頭は、ベトナム国内のキノコ栽培農家や薬草加工業者に新たな販路をもたらす。ダラット周辺の高原地帯では霊芝の栽培が盛んで、カフェ向け粉末加工の需要が直接的に伸びている。日本市場でもアダプトゲン系飲料の認知が広がっており、ベトナム産原料の輸入拡大が見込まれる。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 情報発信元 | Coffee Concept(ホーチミン拠点、カフェ開業コンサル) |
| 連絡先 | +84 965 867 586 / hello@coffeeconcept.vn |
| ウェルネスコーヒー平均価格 | 80,000〜120,000VND(約480〜720円) |
| 通常コーヒーとの価格差 | +50,000VND前後(約300円) |
| マッシュルームコーヒー世界市場 | 22億ドル超(2026年推計) |
| おすすめ探索エリア | ホーチミン3区・2区タオディエン・ダナンMy Kheビーチ周辺 |
まとめ
エッグコーヒーで世界の注目を集めたベトナムのカフェ文化が、2026年はウェルネス・ハイブリッド空間・テクノロジーという3軸で進化を遂げている。旅行者にとっては霊芝ラテや冬虫夏草コーヒーが新たな体験になり、業界にとってはキノコ原料や機能性食品の調達ルート拡大というビジネス機会が開いた。ホーチミンのカフェ巡りは、もはや「どの店で飲むか」ではなく「どの機能を選ぶか」の時代に入りつつある。
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