証券とSNSの口座は12月31日までVNeID紐付け、銀行だけ2027年6月末

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ベトナム政府が、国内のデジタルプラットフォーム上に作られた電子取引口座を12分野にわたって国民電子身分証アプリ「VNeID」に紐付けるよう義務づけた。根拠は8月13日付の政令320/2026号で、施行は9月28日。VnExpressが10月11日に報じた内容によれば、施行前から存在する口座の紐付け期限は2026年12月31日、銀行分野だけ2027年6月30日まで猶予がある。証券口座、SNSアカウント、ライブ配信での販売者アカウントまで対象に入る。ベトナムに住む日本人や長期出張者、現地で物販をしている人には、年内に手を動かす作業が出る。

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12分野には教育と医薬品が並び、電子インボイスと運輸事業も入った

政令が名指しした12分野は、教育、デジタル識字教育(bình dân học vụ số)、証券、電気通信、銀行、電子商取引、電子インボイス、運輸事業、観光事業、医薬品事業、診療、そしてベトナム国内のSNSである。電子商取引については「出店者、ライブ配信で販売する人、アフィリエイト事業者」と条文で細かく書き分けられており、プラットフォーム側の法人口座だけでなく売る側の個人アカウントが射程に入っている。

国防・治安関連と越境サービス向けのプラットフォームも、要件を満たす場合は利用開始前の紐付けが要る。12分野の外は、各省の大臣と省と同格の機関の長が義務づけ対象のオンライン取引を別途一覧で出す。12は上限ではなく、ここから増える前提の数字である。

SNSについては前段がすでに動いていた。2024年12月25日施行の政令147/2024号は、越境事業者と国内事業者の双方に稼働中アカウントをベトナムの携帯番号で確認させ、番号を持たないと申告した場合に限り個人識別番号での確認を認めた。商用のライブ配信アカウントは携帯番号ではなく個人識別番号を指定されており、未確認だと投稿もコメントもライブ配信もできない。政令320号はこの流れをVNeIDという一つの入り口に寄せた段になる。

国家デジタルプラットフォーム側にも、機関・組織・個人の間の認証とログインと取引にVNeIDを使えるよう2026年12月31日までに統合を終えるという指示が出ている。年末までに動くのは利用者だけではない。

外国人がVNeIDを持てる範囲も、別の決定ではなく同じ政令320号で広がった

政令320号は2024年6月25日付の政令69/2024号の改正・補足で、外国人の電子身分証口座の発給条件もここで書き換わった。これまでは永住カードまたは一時在留カードの保持者が中心だったが、9月28日以降はベトナムに合法的に入国した者、または合法的に在留している者が、在留資格の種類にかかわらず申請できる。KPMGベトナムは出張者、出向者、短期赴任者、投資家、帯同家族、専門家が対象に入ると整理している。

口座にはレベル1とレベル2があり、レベル2は6歳以上について対面手続きが要る。窓口で顔画像と指紋を取られる段で、受付は入国管理当局。移民関連の実務を扱うNewland Chaseによれば、ハノイとホーチミン市の入管がこの変更について案内を出している。アプリに統合できる書類としてKPMGベトナムが挙げるのは、パスポート、ビザ、ビザ免除証明書、外国人の永住カードと一時在留カード、労働許可証、運転免許証、無犯罪証明書、税務登録証で、統合済みの書類は行政手続きや公共サービス、民事取引で原本もコピーも出さなくてよくなる。

VNeID自体の外向きの接続はすでに始まっていて、シンガポールのSingpassとラオスのLaoIDとの相互接続が先に動いている。そこに日本のパスポートは含まれていなかった。今回広がったのは国外のIDとの接続ではなく、ベトナム国内にいる外国人が自分の口座を持てる範囲である。

9月28日から、登録した電話番号が本人名義でなくなった口座は自動で凍結される

同じ9月28日から、VNeIDの登録に使った電話番号が変わり本人名義でなくなっている場合、電子身分証口座が自動的にロックされる扱いになった。紐付けの状態はアプリ内の「Ví giấy tờ(書類ウォレット)」から確認できる。

ここが外国人にとっていちばん踏みやすい穴になる。ベトナムでSIMを買うときに手続きを代行してもらい、店や知人の名義のまま使い続けている例は珍しくない。番号が本人名義でないままVNeIDに紐付いていれば、その口座が止まる。VNeIDが証券や電子インボイスや診療の認証経路になった後では、止まる影響が一つで終わらない。

対処の順番は、SIMの名義を自分のパスポートに揃える、VNeIDをレベル2まで上げる、そのうえで各分野の口座を紐付ける、という並びになる。逆順にはできない。ベトテルが売る1日10GB・30日125,000ドンのeSIMのようにアプリで完結する商品は約770円(1万ドン=約61円、2026年10月13日時点で換算)で、名義も申込時に自分で入れる。借り物の番号を使うより後の手続きが軽い。

銀行だけ2027年6月30日、生体認証の登録は2025年1月から別に走っている

銀行分野に半年の猶予がついた背景には、銀行口座側で先行していた別の登録義務がある。通達17/2024/TT-NHNNにより、個人の決済口座では2025年1月1日から、本人確認書類と生体情報の照合が済んでいないと電子的手段による出金・決済ができない。照合の手段としてICチップ入り身分証に格納された生体データ、または電子身分証・認証システムが作成した電子身分証口座を通じた認証が挙げられている。組織の決済口座については2025年7月1日からの適用で、通達25/2025/TT-NHNNによる改正も入っているため、実際の運用は口座を持つ銀行で確かめる必要がある。

通達には「電子的な身分を使わない外国人」の生体情報は対面で取得するという定めがある。電子身分証口座を持てない外国人は窓口に行くしかなかった。政令320号はこの一本道に選択肢を足す。銀行の期限が2027年6月30日に置かれたのは、照合と紐付けという二重の作業が同じ口座に乗っているからだろう。

ベトナム国内の口座とアプリは本人確認が年々きつくなる一方で、外から持ち込む決済手段の受け入れは別の速度で進む。越境QRが使える店が全体の6%にとどまる状況では、現地口座を止めないことの価値がまだ大きい。

ノイバイなど5空港の自動化ゲートは、外国人は在留カードを持つ出国側だけだった

KPMGベトナムは、VNeID口座を持つ外国人が規定に従って自動化ゲートでの出入国に使える場合があると書いている。ただし現時点の自動化ゲートの運用は、そこまで広く開いていない。

自動化ゲートはノイバイ、ダナン、カムラン、タンソンニャット、フーコックの5つの国際空港に入っており、通過は約30秒とされる。運用開始時の案内では、ベトナム国民はICチップ入りパスポートなら事前登録なしで使える。外国人は入国側がまだ使えず、出国側もベトナムの権限ある機関が発給した有効な永住カードまたは一時在留カードを持つ場合に限られていた。

口座が持てることとゲートが開くことは別の段である。空港ごとの可否は渡航の直前に入管の案内で確かめるほうがよく、VNeIDを取ったからゲートを通れると前提して乗り継ぎを組むのは早い。

年内に確かめるのはSIMの名義と銀行アプリのログイン、どちらもアプリの中で見える

短期の旅行者がこの政令で今すぐ動く必要はほぼない。12分野のうち旅行者に直接触るのは電気通信(SIM)と観光事業で、後者は旅行会社側の口座の話である。影響が出るのは、ベトナムに住んでいる人、現地法人の口座を触る人、ベトナム向けに物を売っている人の順になる。

在住者がこの秋にやることは二つに絞れる。VNeIDアプリで登録電話番号が自分の名義かを見ること、銀行アプリにログインして生体認証の照合が済んでいるかを見ること。どちらもアプリ内で判定でき、窓口に行くかはその結果で決まる。Newland Chaseは2026年第4四半期のベトナムでの申請に余裕を見るよう勧めている。

2025年末時点で有効化されたVNeID口座は6,500万を超えるが、そこに外国人の分はほとんど乗っていない。アプリは身分証、健康保険、運転免許、車両登録、パスポート、居住、社会保険、税、婚姻状況、学位、資格、成績証明、扶養者、電話番号を載せる器になっている。外国人がその器を手にできるようになったのは9月28日で、まだ半月ほどしか経っていない。12月に入ってから入管に並ぶ人数は読みにくい。

参照元

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この記事を書いた人

ベトナム・ホーチミン在住3年目|旅行で来るだけでは知ることができない、現地にいるからこそわかるローカル情報を中心に発信していければと思いベトナム旅行の専門情報サイトを立ち上げました。

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