ベトナム・ハノイの旧市街、ホアンキエム湖のすぐそばにある鶏フォー専門店「Phở Gà Huyền Hương(フォー・ガー・フエン・フォン)」が、ミシュランガイドの2026年版でベトナムの新規9軒のひとつとして「ミシュラン・セレクテッド」に選ばれた。一杯9万〜16万VND(約540〜960円。1万VND≒約60円)という、屋台料理のフォーとしては破格の価格設定で知られる店だ。庶民の朝食だったフォーが「高級グルメ」として国際的な評価を受けた事実は、ハノイ旅行で本物の一杯を探している日本人にとっても見逃せない。湖畔に立ち寄る予定があるなら、行列の覚悟と予算感を知っておきたい。
起点ニュースの要旨:ハノイで最も高い鶏フォーがミシュラン入り
ミシュランガイドは2026年版で、ベトナム国内に新たに9軒を「セレクテッド」区分で追加し、その一軒として鶏フォー専門店Huyen Huongを選出した。住所はハノイ・ホアンキエム区のBảo Khánh(バオカイン)通り20番地。ホアンキエム湖のほとりという一等地にある。店を切り盛りするのは創業家のĐỗ Thúy Huyền(ドー・トゥイ・フエン)さんで、30年以上続く家族経営の店だ。看板メニューの鶏フォーは一杯9万〜16万VND。骨なしの蒸し鶏一皿は35万5千〜56万VND(約2,130〜3,360円)と、ハノイのフォー店としては突出した価格帯になる。
背景・全容:14〜17時間のスープと「高すぎるフォー」論争
同店の評価を支えているのが、長時間煮込んだスープだ。豚骨・鶏ガラに、鶏肉を茹でた湯を合わせて14〜17時間かけて炊き出す。鶏肉、こぶみかんの葉、青ねぎ、唐辛子、ヌクマム(魚醤)まで素材を吟味することが、高めの価格の理由として語られている。
一方で、この価格は議論も呼んできた。2026年4月には、特製鶏フォー2杯(一杯16万VND)に追加の鶏肉一皿(50万VND)とオレンジジュース1杯(8万VND)を頼んで会計が90万VND(約5,400円)に達したことがSNSで話題になり、「フォーにこの値段は高すぎる」と賛否が分かれた。店側は「メニューに全品の価格を明示し、注文前に内容を説明している」と応じている。屋台の安食という固定観念と、素材・手間にコストをかけた一杯の間で、評価が割れた格好だ。その店が同じ年にミシュランの目に留まったことは、ハノイのフォー文化が一枚岩でないことを示している。
データ/比較:価格・所在地・利用状況
裏取りできた範囲で、訪問前に押さえておきたい数値を整理する。円換算は1万VND≒約60円(2026年6月時点)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店名 | Phở Gà Huyền Hương(鶏フォー専門) |
| 所在地 | ハノイ市ホアンキエム区 Bảo Khánh通り20番地(ホアンキエム湖そば) |
| 鶏フォー | 9万〜16万VND(約540〜960円) |
| 骨なし蒸し鶏(最高額メニュー) | 35万5千〜56万VND(約2,130〜3,360円) |
| 席数の目安 | 約70席 |
| ピーク時の待ち時間 | 30〜60分 |
| 客層 | ベトナム人 約7割/外国人 約3割 |
| ミシュラン区分 | 2026年版「セレクテッド」(ベトナム新規9軒の1軒) |
営業時間は信頼できるソースで裏が取れなかったため、ここでは記載を控える。訪問前に最新の現地情報や地図アプリでの確認をおすすめする。
現地・業界の反応
地元メディアは、ベトナムの国民食フォーが「あらゆる予算に応える店」から「高級志向の一杯」まで広がっている現象として、今回の選出を取り上げている。観光客向けの口コミでは、湖畔という立地のよさと、しっかり出汁の効いたスープを評価する声がある一方、価格に驚いたという反応も目立つ。フォーをめぐる現地の見方をまとめると、おおむね次のように整理できる。
- 長時間スープと素材へのこだわりが価格に見合うとする支持層
- フォーは安価な庶民食であるべきだとする伝統重視の層
- ミシュラン選出を観光資源・話題づくりとして歓迎する業界側の視点
同じハノイでは、立地や提供時間の関係で閉店した翌日にミシュラン入りが報じられたフォー店のような皮肉な事例もあり、フォー店とミシュランの距離感が一気に縮まっていることがうかがえる。
日本人旅行者・消費者への示唆
ハノイで「本物の鶏フォー」を一杯食べたい日本人にとって、Huyen Huongは選択肢のひとつになる。ただし、ここは安さで選ぶ店ではない。日本の感覚に直すと、看板の鶏フォーは約540〜960円とラーメン一杯と同程度だが、追加の鶏肉や蒸し鶏を頼むと会計は一気に跳ね上がる。注文前にメニューの単価を確認し、追加皿の値段を把握してから頼むのが安全だ。
立地はホアンキエム湖のすぐそばで、旧市街観光の動線に組み込みやすい。ピーク時は30〜60分待ちになるため、開店直後や昼のピークを外す時間帯を狙うと並ばずに座れる可能性が高い。会計は現金(VND)が基本になることが多いので、ある程度用意しておくと安心だ。
業界・市場への波及
ハノイの鶏フォーは一杯数万VNDの庶民食が標準で、その中でHuyen Huongの9万〜16万VNDという価格は明確に上振れしている。それでもミシュランが「セレクテッド」として名前を挙げた点に、今回のニュースの意味がある。星でもビブグルマン(コスパ評価)でもなく、価格を理由に減点せず「注目に値する一軒」と位置づけた格好だ。ホアンキエム湖畔という観光一等地の立地と、14〜17時間の仕込みという手間が、高価格を支える両輪になっている。屋台の安食という従来の物差しだけではフォーを測れなくなってきたことを、この一軒が示している。
実用情報・周辺の楽しみ方
訪問の要点は前掲のテーブルにまとめたとおり。ホアンキエム湖周辺は旅行者が集まるエリアで、フォー以外にもカフェや土産物の選択肢が豊富だ。湖畔散策とあわせて立ち寄り先を組み立てると、半日の動線がつくりやすい。価格帯の異なるフォー店を数軒食べ比べると、庶民食から高級店まで広がるハノイのフォー文化の幅を体感できる。
まとめ:次のアクション
ハノイで鶏フォーを楽しむなら、Huyen Huongは「高級フォー」を体験する一軒として候補に入る。訪問前に押さえたいのは次の3点だ。
- 看板の鶏フォーと追加皿の価格差を理解してから注文する
- 昼前後のピークを外し、30〜60分の待ちを回避する
- 会計用に現金(VND)を多めに用意しておく
湖畔観光とセットで時間に余裕を持って訪れれば、長時間スープの一杯をじっくり味わえる。
よくある質問
Huyen Huongはどこにありますか
ハノイ・ホアンキエム区のBảo Khánh(バオカイン)通り20番地、ホアンキエム湖のすぐそばにあります。旧市街観光の動線に組み込みやすい立地です。
鶏フォーの値段はどのくらいですか
看板の鶏フォーは一杯9万〜16万VND(約540〜960円、1万VND≒約60円)です。骨なしの蒸し鶏など追加メニューは高額になるため、注文前にメニューの単価を確認するのがおすすめです。
なぜミシュランに選ばれたのですか
豚骨・鶏ガラと鶏の茹で湯を合わせて14〜17時間煮込んだスープと、素材を吟味した一杯が評価され、2026年版ミシュランガイドで「セレクテッド」に選出されました。
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