ドリアンを満載したピックアップトラック500台が幹線道路を列をなして走る——ベトナム中部高原のダクラク省が、8月15日から9月2日まで、省として初のドリアン祭を開く。500台の行進はギネス世界記録に挑戦し、期間中の来場は約30万人を見込む。「果物の王様」の一大産地が仕掛ける大型イベントだ。
8月15日〜9月2日、17企画がブオンマトート一帯を舞台に
ベトナム各紙(Viet Nam News、VietNamNet ほか)によると、会期は8月15日から9月2日までの19日間。17の企画で構成され、会場はブオンマトート、クロンパック、トゥイホアの各エリアにまたがる。開幕式は8月15日にブオンマトートの「10月3日広場」で行われ、国営VTV8で中継予定。閉幕は独立記念日の9月2日、フーイエン広場で締めくくる。会期のうち8月15〜23日は、ファンディンジョット通りとダクラク博物館を舞台にした「食のゾーン」が開かれ、数百のブースがドリアン加工品や中部高原の郷土食を並べる。クロンパックでは農家や農園、収穫の様子を伝える写真展も催され、産地の生産現場と食文化を丸ごと見せる設計だ。
ピックアップ500台の行進でギネス、100品の創作料理で国内記録
今回の祭りは二つの記録を掲げる。ひとつは、クロンパックからブオンマトートまでドリアンを運ぶ500台のピックアップトラック行進で、ギネス世界記録を狙う。もうひとつは、地元シェフによる100品のドリアン料理の創作で、こちらはベトナム国内記録を目指す。「10月3日広場」には、国内記録を狙う巨大なドリアンタワーも飾られる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会期 | 2026年8月15日〜9月2日(19日間) |
| 主な会場 | ブオンマトート/クロンパック/トゥイホア |
| 行進 | ピックアップ500台(ギネス世界記録に挑戦) |
| 料理 | ドリアン料理100品(ベトナム国内記録を目標) |
| 来場見込み | 約30万人 |
| 開幕/閉幕 | 8/15 10月3日広場(VTV8中継)/9/2 フーイエン広場 |
中国向け輸出が伸びる産地が「食べに来てもらう」場を作る
ダクラクはベトナム有数のドリアン産地で、クロンパック一帯は特に集約的な栽培地として知られる。省が初めて省レベルの祭りを立ち上げた背景には、中国向けを軸に伸びるドリアン輸出、産地のブランド化、農業と観光を結ぶ狙いがある。500台の行進という派手な絵づくりは、国内外のメディアとSNSで拡散させる仕掛けでもある。会場のひとつトゥイホアは、2025年の行政再編で旧フーイエン省からダクラク省に編入された海沿いのエリアだ。山あいの高原と海辺を一つの省が抱える構図になったことで、祭りの回遊性にも広がりが出た。果物と自然体験を組み合わせる祭りは各地で人気で、カインホアの例は果物狩りと渓流浴を一度に、カインホア山あいのラムソン果物祭で紹介している。ダクラクの祭りは規模と記録挑戦でそれらを一段上回る。
ブオンマトートへは国内線、狙い目は8/15〜23の食のゾーン
ブオンマトートには空港があり、ホーチミンやハノイから国内線でアクセスできる。市内の移動はGrabが使え、会場周辺は開幕式や行進の日に人出が集中するため、宿は早めに押さえたい。狙い目は8月15〜23日の「食のゾーン」開催期間で、この時期ならブースでの食べ歩きと写真展を一度に回れる。9月2日の独立記念日は連休と重なり混雑が予想されるので、記録挑戦の熱気を体感したい人はその前後を、落ち着いて回りたい人は平日を選ぶとよい。昼は食のゾーン、朝夕は市場や農園という組み立てが効くのは他都市と同じで、夜市と朝の水上市場を組み合わせる回り方はカントーで食フェス開催中、夜市と朝の水上市場で1泊で回るで具体的に紹介した。8月は各地で夏の祭りが重なる時期で、海側ではニャチャン海フェス2026、8月10日まで続く海の祭りも動いており、中部高原と海辺をつなげば山と海を一度の旅で楽しめる。
生果は持ち帰り制限あり、土産は加工品という選択肢
ドリアンは香りが強く、宿やバス、飛行機の機内では持ち込みが制限される場合がある。祭りで食べ歩く分には問題ないが、土産に生果を持ち帰るなら、密閉包装や冷凍・加工品を選ぶのが現実的だ。会場のブースには乾燥ドリアンやチップス、菓子といった加工品も並ぶため、香りを気にせず持ち帰れる選択肢は多い。30万人規模の来場見込みは宿泊・飲食・土産物に直接効き、ギネスや国内記録の話題性はドリアンの認知を国内外で押し上げ、輸出面での産地ブランド強化にもつながる。ブオンマトートはコーヒーの集散地としても知られ、ドリアンと合わせて中部高原の食を打ち出せる素地がある。単発の記録挑戦で終わらせず、毎年の定例行事に育てて産地観光の入り口として定着させられるかが、次の焦点になる。ベトナムの夏イベントを一つ選ぶなら、宿と移動を早めに手配して、この記録づくりの現場に立ち会ってほしい。
