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韓国フライドチキン大手BHCが、ベトナム市場に初進出する。親会社のDining Brands Groupは2026年4月29日、シンガポール拠点の食品企業Hao Open Foodsとマスターフランチャイズ契約を締結。ハノイ、ホーチミン市、ダナンの3都市を中心に、今後10年で50店舗の出店を目指す。BHCの看板メニュー「プリンクルチキン」と「マッチョキングチキン」をベトナムの味覚に合わせてローカライズしつつ展開する計画だ。
起点ニュースの詳細
The Korea Heraldの報道によると、Dining Brands Groupの宋鎬燮(ソン・ホソプ)CEOは5月8日に契約を正式発表。パートナーのHao Open Foodsは、すでにシンガポールでBHCのフランチャイズを運営しており、東南アジア全域でスーパーマーケットと食品流通ネットワークを手がける企業だ。同社CEOのタン・キムヨン氏がベトナム事業の運営を統括する。
Dining Brands Group CEOは「現地パートナーの流通ネットワークと運営ノウハウを活用し、着実に店舗網を拡大してブランドを定着させる」と語った。
背景・全容
BHCは韓国国内でChicken市場シェア上位を争うブランドで、現在シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、台湾、香港、アメリカ、カナダの8カ国・地域に展開済み。2026年中にはフィリピンへの進出も予定しており、ベトナムはその延長線上に位置づけられる。
ベトナムでは韓国文化(K-POP、K-ドラマ)の浸透とともに韓国料理への需要が急拡大しており、フライドチキン市場もその恩恵を受けている。先行するBonchon(ボンチョン)はベトナム国内ですでに複数店舗を展開し、BBQ Chickenも東南アジア全域でフランチャイズ網を構築中だ。BHCは後発ながら、Hao Open Foodsの流通基盤を武器に巻き返しを狙う。
タイを追いかけるベトナムのフランチャイズ市場は、外食産業の成長余地が大きく、海外チェーンの参入が加速している。
BHCのベトナム展開計画
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | BHC Chicken(bhc치킨) |
| 親会社 | Dining Brands Group(韓国) |
| 現地パートナー | Hao Open Foods(シンガポール拠点) |
| 契約形態 | マスターフランチャイズ |
| 契約締結日 | 2026年4月29日 |
| 出店目標 | 10年間で50店舗 |
| 対象都市 | ハノイ、ホーチミン市、ダナン |
| 看板メニュー | プリンクルチキン、マッチョキングチキン |
| 既存展開国 | シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、台湾、香港、米国、カナダ |
| 次の進出先 | フィリピン(2026年中予定) |
現地・業界の反応
ベトナムの外食業界関係者の間では「韓国チキンブランドの参入はもはや珍しくないが、10年50店という規模感は本気度を示している」との評価が聞かれる。特に、Hao Open Foodsが東南アジアで築いた食品流通網をそのまま転用できる点は、コールドチェーン(冷蔵流通)の課題が残るベトナムでは大きなアドバンテージだ。
韓国メディアは、BHCのベトナム進出を「東南アジアでの韓国フライドチキン覇権争いが新局面に入った」と報じた。BBQ Chickenがハリウッドとのコラボで米国市場を攻める一方、BHCはアジア深耕を選んだ形だ。
一方、ベトナム国内のローカルチキンチェーンからは警戒の声も上がっている。価格帯で競合する地場ブランドにとって、韓国ブランドの知名度とマーケティング力は脅威になり得る。
ベトナムのカフェ・写真文化が示すように、若年層の「映える外食」志向は韓国チキンブランドにとって追い風だ。
読者への影響
ベトナム在住の韓国料理ファンにとっては、BHCの進出で選択肢が広がる。特にプリンクルチキン(甘辛シーズニング)は韓国国内で圧倒的人気を誇るメニューであり、現地で食べられるようになるインパクトは大きい。
ベトナムでフランチャイズ事業を検討している企業関係者にとっても、Hao Open Foodsのマスターフランチャイズモデルは参考になる。既存の流通基盤を持つ現地パートナーとの提携が、ベトナム進出のスピードとリスク管理を両立させる典型例だ。
業界への波及
韓国フライドチキン市場は国内の飽和が進み、海外展開が生存戦略になっている。Kyochon(キョチョン)は2025年までに海外500店を目標に掲げ、Bonchonは韓国撤退後に10カ国以上でフランチャイズ展開に専念するなど、各社のアプローチは異なるが方向性は共通だ。
ベトナム側から見ると、韓国チキンチェーンの相次ぐ参入は外食産業の底上げにつながる。食材調達の高度化、店舗運営のシステム化、デリバリー対応の強化など、ローカル企業が学べる要素は多い。
ダナンの夏季観光需要と組み合わせれば、観光地でのフランチャイズ展開も有力な選択肢になる。
韓国チキンブランドの東南アジア展開比較
| ブランド | 本社 | ベトナム進出状況 | 東南アジア展開国 |
|---|---|---|---|
| BHC | Dining Brands Group | 2026年初進出(50店計画) | シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア |
| Bonchon | Bonchon International | 進出済み(複数店舗) | タイ、カンボジア、フィリピン等 |
| BBQ Chicken | Genesis BBQ | 展開準備中 | マレーシア、フィリピン等 |
| Kyochon | Kyochon F&B | 未進出 | タイ、マレーシア、インドネシア |
まとめ
韓国フライドチキン大手BHCが、シンガポールのHao Open Foodsを通じてベトナムに初進出する。10年で50店舗というロードマップは段階的だが、流通基盤を持つパートナーとの提携で実現可能性は高い。韓国チキン市場の海外シフトが加速する中、ベトナムの外食業界にどんな化学反応が起きるか注目したい。
