ベトナムの大動脈である南北高速道路(東線)で、これまで無料だった13区間が2026年8月15日から一斉に有料化される。建設省は同日までに全線での課金開始と休憩施設(トラムズンギー)の整備完了を事業者に指示しており、支払いはすべて電子課金(ETC)で行われる。レンタカーで長距離を走る旅行者、地方へ車で通う在住者にとって、走行前の口座残高チェックが新しい必須作業になった。
この記事は、ダナンやニャチャン、メコンデルタへ自分でハンドルを握る在住者と、レンタカーで縦断を計画する旅行者に向けて、今回変わる区間・料金・支払い手段を整理したものだ。
ホアリエン〜トゥイロアンなど13区間が新たに課金対象へ
今回有料になるのは国費で建設された13区間。北からバイヴォット〜ハムギ、ハムギ〜ヴンアン、ヴンアン〜ブン、ブン〜ヴァンニン、ヴァンニン〜カムロ、中部のクアンガイ〜ホアイニョン、ホアイニョン〜クイニョン、クイニョン〜チータン、チータン〜ヴァンフォン、ヴァンフォン〜ニャチャン、ダナン近郊のホアリエン〜トゥイロアン、南部のカントー〜ハウザン、ハウザン〜カマウが並ぶ。3月1日からすでに課金が始まっていたマイソン〜国道45号など5区間に今回の13区間が加わり、縦断ルートの無料区間はほぼ消える。
乗用車は1kmあたり約900ドン、区間ごとに実走分を精算
料金は走った距離に応じて計算される。12人乗り未満の乗用車(第1グループ)の単価は区間により1kmあたり900〜1,300ドン。建設省が承認した上限単価は最も重い車種区分で5,200ドン/kmだ。区間ごとの実額を見ると、ホアリエン〜トゥイロアンは乗用車で9,750ドン(約56円)、ヴァンフォン〜ニャチャンは32,625ドン(約186円)。同じ区間でもコンテナ級の第5グループはこの4倍で、ヴァンフォン〜ニャチャンなら130,500ドン(約746円)に達する。
| Section | 乗用車(第1グループ) | 大型車(第5グループ) |
|---|---|---|
| ホアリエン〜トゥイロアン | 9,750ドン(約56円) | 39,000ドン(約223円) |
| ヴァンフォン〜ニャチャン | 32,625ドン(約186円) | 130,500ドン(約746円) |
| 単価の目安 | 約900〜1,300ドン/km | 上限5,200ドン/km |
1円≒175ドン換算の概算。数値は建設省が承認した料金表と対象13区間の公表額に基づく。
現金レーンはなく、VETCかePassの残高切れは入口で止まる
今回の課金は全区間ETC専用で、料金所での現金支払いは用意されない。ベトナムのETCはVETCとePass(VDTC)の2社が窓口で、フロントガラスに貼ったタグと紐づく口座から自動で引き落とされる。残高が不足しているとゲートが開かず、後続車を止めることになる。自走する人は出発前にアプリで残高を確かめ、縦断なら数十万ドン単位で入れておくと安心だ。
ダナン〜ニャチャンを自走するなら区間ごとの積み上げで考える
旅行者が取り違えやすいのは、高速代が「1回いくら」ではなく通過した区間の料金が積み上がる点だ。ダナン方面からニャチャンへ南下すると、クアンガイ〜ホアイニョン、ホアイニョン〜クイニョン、クイニョン〜チータン、チータン〜ヴァンフォン、ヴァンフォン〜ニャチャンと複数の課金区間を続けて通る。末尾のヴァンフォン〜ニャチャン1区間だけで乗用車32,625ドンなので、通しで走れば相応の額になる。無料だった時期に走った人ほど、費用感を更新しておきたい。レンタカーを自分で運転するなら、90日ビザでの免許切替で運転資格を先にそろえておく前提になる。
8月15日は運転ルールも動く、まとめて備える
この有料化と同じ8月15日には、子どもを助手席に乗せる際のチャイルドシートの新ルールも本格化し、家族でレンタカーを使う旅行者は座席の準備が要る。あわせて自家用車での有料送迎への罰金強化も同日から始まり、知人を有料で送るような使い方はリスクが上がる。出発前の作業は次の3点にまとまる。
- VETCまたはePassのタグ有無と口座残高を確認し、縦断分を入金しておく
- 走る予定の区間が今回の13区間に含まれるかを地図で押さえる
- レンタカーなら、車載タグの登録名義と支払い口座が生きているか貸主に確かめる
有料化後の長距離ドライブの費用を試算する
8月15日を境に南北高速の無料区間は事実上なくなり、支払いはETCの残高勝負になる。乗用車でも1区間あたり数千〜3万ドン超が距離に応じて加算され、現金の持ち合わせは意味を持たない。次の地方ドライブの前にタグ・残高・通る区間の3点を確認しておけば、料金所の前で立ち往生することはない。
