ベトナム中部の南北高速道路(東側)で、クアンガイ〜ニャチャンをつなぐ5区間・約351kmが、2026年8月14日から有料になる。8月5日にベトナム道路総局(Cục Đường bộ Việt Nam)が公表した通知で、料金徴収は全区間ETC(無停止電子課金)に限定される。開通後しばらく無料で走れていた区間が一斉に課金対象へ切り替わるため、中部をレンタカーや専用車で移動する在住者・出張者は、走り出す前にタグと残高を確認しておきたい。
クアンガイ〜ニャチャン、5区間で8月14日に課金開始
対象はクアンガイ〜ホアイニョン、ホアイニョン〜クイニョン、クイニョン〜チータイン、チータイン〜ヴァンフォン、ヴァンフォン〜ニャチャンの5つの構成事業(dự án thành phần)。いずれも2026年前半に順次開通し、これまで通行料を取っていなかった。道路総局は「遅くとも8月10日までに料金システムの試験運用を終え、8月14日から5事業で徴収を始められるようにする」よう指示している。運営はKhu Quản lý đường bộ III(第3道路管理局)が担い、ETC-VETC-VDTC-EPAYの共同企業体がシステムを設置・運用する。
区間ごとの距離はおおよそ次の通り。全体で約351kmになり、ホーチミン〜ニャチャン間の高速網ともつながって、中部縦断の自動車移動が一続きになる。
| Section | 距離の目安 |
|---|---|
| クアンガイ〜ホアイニョン | 約88km |
| ホアイニョン〜クイニョン | 約70km超 |
| クイニョン〜チータイン | 約62km |
| チータイン〜ヴァンフォン | 約48km超 |
| ヴァンフォン〜ニャチャン | 約83.3km |
料金は1kmあたり900ドン、走った分だけ引き落とし
料金単価は乗用車(グループ1、PCU換算1)で1kmあたり900ドン。徴収は「車両が実際に走った距離(quãng đường xe lăn bánh thực tế)」に応じて計算される、いわゆる閉鎖式(thu phí kín)の課金だ。入口と出口の位置で走行距離が決まり、その分だけ口座から自動で引き落とされる。トラックやバスは車種区分に応じた係数で単価が上がる。
乗用車で走った場合の目安を、1万ドン≒60円(2026年8月時点の概算レート)で円換算すると次のようになる。
- ヴァンフォン〜ニャチャン(約83.3km):約7万5000ドン=約450円
- クアンガイ〜ホアイニョン(約88km):約7万9000ドン=約470円
- 全線通し(約351km):約31万6000ドン=約1900円
距離あたり単価は日本の高速道路よりかなり安い。ただし全区間ETC専用で、現金レーンは用意されていない点が、日本からの旅行者には見落としやすい。
VETCかePassのタグと口座残高を、乗る前に確認
今回の通知でいちばん実務に効くのが、道路管理局の呼びかけだ。原文では「chủ phương tiện kiểm tra việc dán thẻ ETC và bảo đảm tài khoản giao thông còn đủ số dư trước khi lưu thông(車両所有者は走行前にETCタグの貼付と交通口座の残高を確認するよう)」求めている。閉鎖式ETCでは、タグが貼られていない車や残高不足の車は入口で通行を断られるか、追加の処理が必要になる。
ベトナムのETCタグは全国共通で使えるものが2種類ある。VETC社の「VETC」と、ヴィエッテル系VDTCの「ePass」だ。どちらか一方をフロントガラスに貼り、ひも付いた交通口座(tài khoản giao thông)に残高を入れておけば全国の高速で使える。残高はそれぞれのアプリや銀行送金でチャージできるので、中部を長く走る予定なら、区間料金の合計より多めに入れておくと安心だ。
自分でハンドルを握らない人も、無関係ではない
「運転はドライバー任せ」という在住者・出張者も、影響はある。専用車(xe dịch vụ)やレンタカーを手配して中部を移動する場合、その車にタグが貼られ、残高が足りていないと高速に乗れない。多くの営業車・レンタカーはすでにタグを備えているが、8月14日以降に初めて課金される区間だけに、手配時に「ETCタグと残高は大丈夫か」を一言確認しておくと、入口で足止めされるトラブルを避けやすい。空港送迎やチャーターを頼むときも同じで、料金に高速代がどう乗るか(実費か込みか)を事前に決めておくと精算がもめない。
クイニョン・ニャチャン滞在の足取りがどう変わるか
この5区間がつながったことで、ダナンやクアンガイからクイニョン、さらにニャチャンまで、下道の混雑や峠越えを避けて一気に南下できるようになった。ビーチが点在するクイニョンや、リゾートのニャチャンは、これまで鉄道や飛行機が主な足だったが、高速の全通で車移動の現実味が増している。課金が始まっても単価は安く、複数人で乗ればバスや鉄道と比べても十分に選択肢になる。
中部の海沿いをのんびり回るならQuy Nhon sightseeing guideや、到着後のカフェ休憩にニャチャンのコーヒーカフェガイドも合わせて見ておくと動きやすい。クイニョンが世界的な旅行媒体で取り上げられた背景はこちらの記事にまとめている。8月14日以降に中部を車で動くなら、まずはタグと残高のチェックから始めたい。
