ベトナム航空グループ(ベトナム航空・パシフィック航空・VASCO)が、9月2日の建国記念日に合わせて3,600便超を運航し、通常より6万席を積み増すと発表した。年内最後の大型連休をあてこんだ増便で、ネットワーク全体の座席数は72万5,000席に達する。運航便数は前年同期比で25%増える計算だ。
9月2日の前後にベトナム国内を移動する在住者、この時期に旅行を組む人にとっては、席が取りやすくなるタイミングが来たという話でもある。帰省と国内旅行が重なる連休は例年チケットが薄くなるが、供給が増えれば選択肢は広がる。
3,600便・6万席・25%増の中身
発表の骨子は座席供給の上積みだ。数字は次の通り。
| Number of flights | 3,600便超(前年同期比25%増) |
| 追加座席 | 約6万席 |
| ネットワーク総座席 | 72万5,000席 |
| 国内グループ運賃の割引 | 最大25%オフ |
| 国際線往復運賃 | 495万ドン〜(約2.9万円〜) |
為替は1ドル=約150円、1円=約170ドンで概算。運賃・席数はベトナム航空グループ発表値。連休の具体的な対象期間は今回の発表では明示されていない。
なぜ9月2日に増便が集中するのか
9月2日はベトナムの独立宣言を記念する建国記念日で、国が休みになる。夏休みが終わり、次の大型連休は年末年始まで空くため、遠出のまとまった機会としてこの日に需要が集まる。都市部で働く人が地方の実家へ戻り、逆に地方から都市や海辺のリゾートへ向かう流れが同時に起きる。だからこそ航空各社は座席を前倒しで積む。25%増という数字は、前年の同じ連休と比べた供給の伸びを指している。
航空会社にとって連休は、機材と乗員をどこに厚く張るかの勝負になる。運航便数を25%も上乗せできるのは、稼働率の高いリゾート路線に確実な需要が読めるからだ。増便は歓迎だが、席が増えたぶん空港と保安検査の処理量も増える。供給の拡大は「取りやすさ」と「混みやすさ」を同時に連れてくる、という前提で連休の計画を立てたい。
増席はどの路線に回るか
ベトナム航空は、追加分をハノイ・ホーチミンと主要観光地を結ぶ路線に優先して配分するとしている。名前が挙がっているのはダナン、カムラン(ニャチャン)、フエ、ダラット、フーコックだ。海とリゾートに人が動く連休の性格がそのまま反映されている。裏を返せば、増席の恩恵はこの主要リゾート路線に偏る。マイナーな地方路線を使う予定なら、席の伸びは限定的とみて早めに動いたほうがいい。
あわせて新規・再開路線も動く。ホーチミン〜コロンボ線が8月16日に就航し、カントー〜ダラット線はVASCOのATR72で8月19日に再開する。国内の地方路線が細かく戻ってくる時期でもある。ベトナム航空の対日路線の動きはダナン週11便・ハノイ大阪の12月倍増を伝えた記事にまとめてあるので、日本との行き来を考える人はあわせて確認したい。
在住者・旅行者の使い方
供給が増える局面で効いてくるのは、需要のピークをずらす動き方だ。連休の初日と最終日は運賃も混雑も跳ね上がる。逆に連休の中日や、始まる前日の午前・深夜帯は割高になりにくい。国内線では深夜便が安く出る傾向があり、深夜便が3〜5割安くなる仕組みを解説した記事の見方が連休期間にも応用できる。増席で選択肢が広がるほど、この「ずらし」の効果は大きくなる。
- ダナン・フーコックなどリゾート路線は往路を連休入りの前日、復路を連休明けにずらすと座席と価格の両方が緩む
- 国内グループ運賃は最大25%オフ。家族・友人と人数をまとめて予約すると単価が下がる
- 国際線の往復は495万ドン(約2.9万円)から。日本発着で連休をまたぐなら、席が埋まる前の早めの確定が効く
- 片道だけ増席路線を使い、もう片道を鉄道やバスに振り替えると混雑を回避しやすい
連休の混雑をさばく実務
増席で旅客が増えるぶん、空港の混雑はむしろ増しやすい。搭乗前の手続きを前倒しにするほど当日が楽になる。
- オンラインチェックインを使い、カウンターの列を避ける。ノイバイの国際線は自動チェックインの締切が出発60分前に設定されたので、締切時刻を先に確認しておく
- VNeIDアプリの生体認証を登録しておくと、保安検査と搭乗の待ち時間を縮められる(国内線が対象)
- 連休初日の朝と最終日の夕方は空港も道路も詰まる。空港へは通常より早めに向かう
- 手荷物は預けず機内持ち込みで通せると、到着後の受け取り待ちがなくなる
連休前にやること
やることは二つに絞れる。行き先がダナン・フーコックなどの増席路線なら、日程を連休の縁からずらして早めに予約を確定する。当日は手続きを前倒しして、混む時間帯の空港を避ける。供給が6万席増える連休は、動き方を少し工夫するだけで席と価格の両取りが狙える。逆に何もしなければ、増便のメリットはピークの混雑に飲まれて消える。
