ベトナム南端の島フーコックへの便数が、2026年1月から7月までのわずか7カ月で8,500便以上増えた。離着陸回数は27,919回に達し、前年同期比で約44%の伸び。旅行者にとっての意味はシンプルで、島へ渡る飛行機の本数と行き先の選択肢がまとめて広がったということだ。背景には2027年にフーコックで開かれるAPEC首脳会議に向けた空港拡張がある。日本からの旅としてどう変わるのか、確認できた数字だけで整理する。
7カ月で8,500便増、離着陸は27,919回——予約枠はこれだけ広がった
運営会社Sun Groupの発表によれば、2026年1〜7月のフーコック国際空港の離着陸回数は27,919回。前年同期から8,500便あまり、率にして約44%の増加だった。便数が4割以上増えるということは、同じ路線でも一日の運航回数が増え、これまで満席で取れなかった枠に空きが出やすくなる。連休や年末年始のように予約が集中する時期に、島を選択肢から外さずに済む余地が広がった格好だ。
フーコックは電子ビザや到着地でのビザ免除制度が使える島で、ビーチとリゾートを目当てにした短い滞在と相性がいい。便数の増加は、そうした「数日だけ南の島へ」という旅の実現度を素直に押し上げる。
Sun Group運営初年度、旅客448万人・前年比38%増の中身
Sun Groupが空港運営を引き継いだのは2026年1月1日。それ以降、旅客数は記録を更新し続け、1〜7月の累計は448万人を超えた。前年同期比で約38%の増加である。便数の伸び(44%)が旅客の伸び(38%)をやや上回っているのは、新しい枠が投入されている途上だからと読める。今後さらに座席が埋まっていけば、混雑感は増す一方で運賃が下支えされる可能性もある。旅行者目線では、路線が定着しきる前の今のうちに動くほうが席を確保しやすい局面だ。
第2滑走路3,300mでB787・A350対応、日本直行の下地が整う
この便数増を支えているのが、約8カ月で完成した第2滑走路だ。長さ3,300メートル・幅45メートルで、ICAOコードE(4E)基準に対応。ボーイング787、エアバスA350、ボーイング777といった大型のワイドボディ機が離着陸できる。日本〜フーコックのような長めの国際線を飛ばすには、こうした大型機を受けられる滑走路が土台になる。
フーコックの第2滑走路は7月に校正飛行を終えたばかりで、詳しくはフーコック第2滑走路3,300mが校正飛行完了、B787就航が可能にで触れている。旅客ターミナル2も構造部分が9割方でき上がり、内装が約3割まで進んだ段階。この二つが動き出せば、受け入れ能力は一段上がる。日本からの直行便はまだ発表されていないが、機材と滑走路という前提条件は着々と揃ってきている。
年間2,000万人へ——APEC2027・21エコノミー受け入れという次の段
拡張の総投資額は22兆ドン(約8億4,600万米ドル、1USD≒150円換算で約1,270億円)。目標は2027年からの年間旅客2,000万人で、第2フェーズでは年5,000万人を見据える。狙いは明確で、2027年のAPEC首脳週間に合わせ、21のAPEC加盟エコノミーからの公用機・商用機を受け入れられる空港へ引き上げることだ。空港には顔認証ゲートを含む生体認証システムも導入され、手続きの自動化が進む。
この動きは空港単体の話にとどまらない。島ではAPECに向けて大型ホテルの建設も進んでおり、合計12,000室を整備するメガホテル2件の起工と歩調が合う。アクセスと宿泊が同時に厚くなることで、2027年前後のフーコックは供給過多気味になる見込みで、旅行者にとっては選べる宿と便が増える買い手優位の状況が生まれやすい。
日本の旅行者がいま知っておくと得すること
現時点で日本発の直行便は出ていないため、フーコックへはホーチミンやハノイでの国内線乗り継ぎが基本になる。便数が増えたことで、この乗り継ぎ枠が取りやすくなったのが実利だ。乗り継ぎ時間に余裕を持たせれば、同日中に島へ入りやすい。
- Period:路線と便数が固まりきる前の今は席を押さえやすい。人気が集中するテト(旧正月)や日本の連休は早めの確保を。
- Route:ホーチミン(タンソンニャット)経由が便数・所要時間ともに扱いやすい。国内線区間の予約変更条件も確認しておきたい。
- 宿:APEC需要で新規ホテルが増える局面。開業直後は価格が動きやすいので、複数の候補を比較すると条件を引き出せる。
島に着いてからの過ごし方や宿選びは、フーコックのホテル選び(利便性か景観か)にまとめている。空港が大きくなる前の、まだ落ち着いた島の空気を味わえるのも今ならではだ。
Summary
7カ月で8,500便増、離着陸27,919回、旅客448万人。フーコックの空はSun Group運営初年度から数字で膨らみ、第2滑走路3,300mとターミナル2が2027年のAPECへ向けた次の受け入れ能力を用意している。日本からの直行便はこれからだが、国内線の乗り継ぎ枠が広がった今は、混み合う2027年を待たずに南の島へ渡る好機だ。
