ベトナムを代表するコーヒー大手、Trung Nguyen Legend(チュングエン・レジェンド)が、ホーチミン市1区中心部にあった旗艦店を閉店した。一方で同社は、ほぼ同じタイミングで新たに3店舗をオープン。一等地からの撤退と新空間への展開を同時に進める「戦略転換」として、ベトナム経済メディアCafeBizが2026年に報じた。創業者ダン・レー・グエン・ヴー氏が率いる同社は「縮小ではなく、新しい物語を持つ空間への移行」と位置づけている。
ノートルダム大聖堂至近の旗艦店が3月6日に閉店
閉店したのは、1区のグエン・ヴァン・チエム通り07番地(07 Nguyen Van Chiem)にあった店舗で、2026年3月6日にクローズした。ノートルダム大聖堂やダイヤモンドプラザにほど近い、ホーチミン中心部でも屈指の好立地に位置するプレミアム旗艦店だった。「チュングエンコーヒーの世界」というブランドコンセプトを体現する象徴的な存在だっただけに、その閉店はベトナムのコーヒー業界に小さからぬ驚きを与えた。
同日に3店を新設——「縮小ではなく転換」
注目すべきは、旗艦店の閉店とほぼ同時期となる2026年3月3日に、同社が3つの新しい空間をオープンした点だ。新店はハノイとホーチミン市に展開される(具体的な住所は非公表)。同社経営陣は、一連の動きを事業の縮小ではなく「新しい物語を持つ新空間への移行」と説明する。高賃料の一等地に固執するのではなく、ブランド体験を再設計した空間へと軸足を移す——その意図が透けて見える。
店舗再編の動き(概況)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 閉店店舗 | 07 Nguyen Van Chiem(HCMC 1区・旗艦店) |
| 閉店日 | 2026年3月6日 |
| 新規開業 | 3店(ハノイ・HCMC、2026年3月3日) |
| 戦略の主眼 | 一等地の最適化+E-Coffeeフランチャイズ拡大 |
※具体的な賃料・売上・閉店理由の詳細は公表されていない。
多層的なブランド構造と市場環境
Trung Nguyen Legendは、プレミアムな体験空間、フランチャイズ網のE-Coffee、そして海外市場向けのインスタントコーヒー「G7」という複数の業態を組み合わせて展開している。今回の旗艦店閉店は、中心業務地区における高い賃料負担と激しい競争という市場環境の中で、最も集客力の高い一等地のあり方を見直す動きと位置づけられる。プレミアム体験を維持しつつ、全国規模でフランチャイズを広げる——この二正面の戦略を、店舗再編によって両立させようとしている。
現地の反応
コーヒー愛好家からは「あの大聖堂近くの店が無くなるのは寂しい」と惜しむ声が上がる一方、「一等地の家賃は相当な負担。新しい空間に期待したい」と前向きに受け止める意見も多い。業界関係者からは「一等地のショーケース店舗からブランド体験重視の空間へ、というのは合理的な判断」「E-Coffeeのフランチャイズ拡大とセットで見るべき動き」との分析が聞かれた。
旅行者・ベトナム好きへの影響
ホーチミン1区でTrung Nguyen Legendの旗艦店を目当てにしていた旅行者は、訪問前に最新の店舗情報を確認しておきたい。中心部にあった象徴的な店は閉じたが、同ブランドはハノイ・ホーチミン双方で新空間を展開しており、ベトナムコーヒー文化を体験できる場所が無くなるわけではない。むしろ、新しいコンセプト店がどのような体験を打ち出すのかは、コーヒー好きの旅行者にとって新たな楽しみになる。
ベトナムコーヒー業界の再編トレンド
今回の動きは、ベトナムのコーヒーチェーンが「一等地のフラッグシップ」から「体験設計+フランチャイズ拡大」へと軸足を移す流れを映している。高騰する中心部の賃料、そしてスペシャルティコーヒーや独立系ロースターの台頭という競争環境の中で、大手も店舗戦略の再構築を迫られている。ベトナムコーヒー市場は、規模拡大と体験価値の両立という新しいフェーズに入りつつある。
ベトナムでコーヒーを楽しむ(実用情報)
| メニュー | 目安価格 | ひとこと |
|---|---|---|
| カフェスダ(練乳入りアイス) | 約3万〜6万VND(約180〜360円) | ベトナムコーヒーの定番 |
| エッグコーヒー | 約4万〜7万VND(約240〜420円) | ハノイ発祥の濃厚な一杯 |
| G7インスタント | スーパー等で購入可 | 土産にも人気のTrungNguyen製品 |
※1VND≈0.006円で換算した参考値。店舗により異なる。
まとめ
Trung Nguyen Legendによる旗艦店の閉店と3店の同時新設は、一等地依存からブランド体験+フランチャイズ拡大へと舵を切る戦略転換を示している。象徴的な店は姿を消したが、ベトナムコーヒー文化はハノイ・ホーチミンの新空間で進化を続ける。ベトナムを訪れる際は、こうした再編の最前線にあるカフェ文化をぜひ体感してほしい。
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出典:CafeBiz
