ハノイ「眠らない食の通り」タドゥイタン深夜まで開く焼き物・鍋ストリート

夜10時を過ぎてもネオンが消えないハノイ。旧市街の南端、ホアンキエム湖からほど近いタドゥイタン通り(Tống Duy Tân)は、わずか200メートルほどの短い路地に焼き物と鍋の店がびっしり並ぶ「眠らない食の通り」だ。夕方5時に火が入り、明け方4〜5時まで湯気が立ち昇る。観光客が引いた深夜こそ、地元ハノイっ子が集まる本当の時間帯になる。屋台の低い椅子に腰かけ、薬膳の香り漂う鶏スープをすする——それがこの通りの正しい過ごし方だ。

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「眠らない通り」が生まれた理由

タドゥイタン通りは旧市街の喧騒からほんの少し外れた位置にあり、昼間は静かな路地に見える。けれど日が暮れると一変する。鍋の湯気、炭火で炙られる肉の匂い、店主の呼び込みが入り混じり、路地全体がひとつの巨大な食堂と化す。ハノイ市が正式に「食のストリート」として整備したこともあり、深夜営業が当たり前。終電を逃した若者も、夜勤明けの労働者も、ここで腹を満たして帰っていく。

名物は薬膳鶏スープ「ガータン」

この通りの看板料理がガータン(Gà tần)——よもぎや漢方の生薬とともに鶏をじっくり煮込んだ薬膳スープだ。鶏肉は崩れる手前のほろほろ加減で、スープはコクがありながらよもぎのほのかな苦みが後を引く。冷えた夜や疲れた体に染み渡る一杯で、地元では「夜食の王様」とも呼ばれる。老舗の「Cây Si(カイシー)」をはじめ、何十年も同じ味を守る店が軒を連ねる。スープに浸したパン(bánh mì)を添えるのがハノイ流の食べ方だ。

焼き物と鍋、深夜の主役たち

ガータンだけではない。炭火で炙る串焼き(nướng)、テーブルで囲む火鍋(lẩu)、レモングラスと唐辛子で和えた鶏の足、揚げたての春巻きまで、ハノイの夜食が勢ぞろいする。グループで鍋を囲み、ビールを傾けながら夜更けまで語らうのが定番のスタイル。価格は屋台価格で良心的、一人あたり10万〜20万VND(約600〜1,200円)もあれば満腹になる。すぐ隣のタヒエン通り(Tạ Hiện)は「ビール天国」と呼ばれるバービアの聖地なので、はしごして飲み歩くのも楽しい。

実用情報

項目 内容
通り名 タドゥイタン通り(Phố Tống Duy Tân)
場所 ハノイ市ホアンキエム区。ホアンキエム湖から徒歩約10分
名物 ガータン(薬膳鶏スープ)、串焼き、火鍋、鶏足の和え物
価格目安 ガータン1杯 約7万VND(約420円)/1人飲食 10万〜20万VND(約600〜1,200円)
営業時間 焼き物・鍋の店は夕方17時頃〜翌朝4〜5時。カフェは24時間営業の店も
アクセス 旧市街中心部から徒歩圏。タクシー・配車アプリ(Xanh SM等)が便利

夜のハノイを味わい尽くす

タドゥイタン通りは、ガイドブックの「映える」スポットとは少し違う。けれど深夜まで湯気を上げ続けるこの路地にこそ、ハノイの日常の食文化が詰まっている。薬膳スープで体を温め、隣の通りでビールを一杯。眠らない街の夜を、地元の人と同じテーブルで過ごしてみてほしい。

ハノイのカフェや食文化はホアンキエム湖畔のウイスキーバー「The Picker」ハノイの攻めすぎファンダイニング「ZAO」でも紹介している。西湖エリアの夜ならアジアのベストバー受賞「Workshop14」も合わせてどうぞ。

参考:VinWonders ハノイ食のストリート特集Hanoi Times

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この記事を書いた人

ベトナム・ホーチミン在住3年目|旅行で来るだけでは知ることができない、現地にいるからこそわかるローカル情報を中心に発信していければと思いベトナム旅行の専門情報サイトを立ち上げました。

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