ニャチャンのビーチで泳ぎ、夜は屋台で海鮮を食べる。定番の過ごし方に飽きが来たら、湾の外にある小さな島へ半日だけ抜け出す手がある。市街から約15kmのニャフー湾に浮かぶホアラン島(Đảo Hoa Lan、蘭の島)は、蘭園と鳥ショー、錦鯉の池、グランピングを一つの島にまとめた行楽地だ。この記事は、ニャチャンに2泊以上する旅行者が「もう1日どこへ行くか」で迷ったときの選択肢として整理する。
ベトナムメディアのタインニエンが2026年8月8日に現地レポートを公開し、島の一日の流れを紹介した。派手な観光地ではないが、都市の音が消えて鳥の声と波音だけになる感覚が、この島の売りになっている。ニャチャンの海辺で泊まりながら、海に出る一日を挟むという楽しみ方だ。
ロンフー港からカノーで10分あまり
ホアラン島へはニャチャン市街ではなく、少し北のロンフー港(bến tàu Long Phú)から渡る。スピードボート(カノー)に乗ると、穏やかなニャフー湾を10分あまりで島に着く。橋はなく、船が唯一の足だ。ニャフー湾はニャチャン湾やヴァンフォン湾と並ぶカインホア省の主要な湾の一つで、外海より波が静かなぶん、小さなボートでも揺れが少ない。島までの距離が短いので、船酔いが心配な人でも組み込みやすい。
島に降りると、古木が日陰を作る遊歩道と白い砂浜が広がる。喧騒が引いて、潮風と鳥の鳴き声が入れ替わる。この「静けさへの切り替わり」が、半日を島で過ごす動機になる。ニャチャンの海水浴やダイビングが「海そのもの」を楽しむ遊びだとすれば、ホアラン島は湾内の穏やかな水面と緑を歩いて回る、性格の違う一日になる。市街のビーチとは別の引き出しを持っておくと、天候や気分に合わせて予定を差し替えやすい。
計算するオウムから踊るダチョウまで
島の目玉は調教された鳥のショーだ。オウムが数の計算をこなし、数百羽のムクドリが一斉に急降下し、白い鳩やガチョウ、ダチョウまでが登場する。ダチョウが踊るような動きを見せると、観客から笑いと拍手が続く。子ども連れなら、ここだけで来た甲斐があると感じる場面だろう。
ショー以外の見どころも一つの島に凝縮されている。
- 蘭園:色とりどりの蘭が咲き、遊歩道沿いに続く。島名の由来でもある
- 錦鯉の池:手入れされた池に鯉が泳ぐ
- 蝶園:熱帯の蝶が舞う一角
- 開放型の動物園:柵の少ない環境で動物と近い距離で過ごせる
- ビーチでのチームビルディング:企業の団体が浜辺でレクリエーションを楽しむ
熱帯林の雰囲気と動物とのふれあいゾーンが交互に現れる構成で、歩きながら景色が切り替わる。食事は島内のレストランでビュッフェとアラカルトが用意され、ビュッフェは団体客が優先される。
日帰りにも1泊にもできる
ホアラン島は日帰りと宿泊のどちらでも遊べる。日帰りなら、島発の最終便が16時30分に出るため、午前中にニャチャンを出て昼過ぎまで島で過ごし、夕方に市街へ戻る半日モデルが組みやすい。鳥ショーの時間に合わせて渡り、ショー、蘭園、錦鯉の池と歩いて島内で昼食をとれば、半日でひと通りは回れる計算になる。海フェスやビーチで午前を過ごし、翌日を島に充てる二日構成にすれば、市街の遊びと自然の島を無理なく両立できる。子ども連れは鳥や蝶、動物との距離が近いぶん退屈しにくく、家族旅行の「移動が短くて中身の濃い一日」に向く。
もっと静けさを味わいたいなら、バンガロー、グランピング、キャンプ、通常の客室から選んで泊まれる。日帰り客が去った夕方以降の島は人が減り、宿泊者向けにはメニューも柔軟に対応するという。ニャチャン湾を船で巡る湾内クルーズの遊び方と組み合わせれば、海側からの景色と島での滞在をひとつの旅程にまとめられる。カインホア省は三つの湾を水上飛行機で結ぶ構想も進めており、ニャフー湾はその一つに数えられている。
行く前に押さえておきたいこと
- 発着:ニャチャン市街ではなくロンフー港から。市街からは車やタクシーで港まで移動する
- 所要:カノーで片道10分あまり。船が唯一のアクセス手段
- 最終便:島発の最後の船は16時30分。日帰りはこの時間から逆算して動く
- 宿泊:バンガロー・グランピング・キャンプ・客室あり。夕方以降は人が減る
- 食事:島内レストランでビュッフェとアラカルト。ビュッフェは団体優先
- 料金:入場料・ツアー価格は今回のレポートに記載がない。予約時に船会社やツアー事業者へ確認を
ニャチャンは海と屋台の街として知られるが、湾の外に出れば10分で景色が一変する。ニャチャン海フェスのような市街のイベントで昼を過ごし、別の一日を蘭と鳥の島に充てる。そんな二段構えの旅程が、この街の滞在を一日ぶん豊かにする。料金だけは事前確認が要るが、船で10分の距離に自然の一日が待っている。
