蒸し米クレープの老舗がミシュラン、サイゴン朝食の狙い目

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フォーでもバインミーでもない、ベトナムの「蒸し米クレープ」バインクオン。その老舗として知られるホーチミンの「バインクオン・タイホー127」が、2026年のミシュラン・ビブグルマンに選ばれました。1961年創業、3世代で受け継いできた家庭の味が国際的な指標に載ったことになります。旅行者にとっては、朝食のうちに立ち寄れる一皿が新しい「食べたいリスト」に加わったという話です。日本人にとってのフォー一辺倒から、もう一歩踏み込んだサイゴンの朝の楽しみ方を、行き方と食べ方まで具体的に見ていきます。

目次

ミシュランに載った「タイホー127」とは

ベトナムのミシュランガイドは2026年版を6月4日に発表しました。星付きとは別に、値ごろで質の高い店を選ぶ「ビブグルマン」部門は全国で72店にまで拡大し、そのなかでホーチミンからは5店が新しく加わりました。バインクオン・タイホー127はその1軒です。同じ回にはハノイの鶏フォー店なども選ばれ、麺以外のベトナム家庭料理が評価される流れがはっきりしてきました。

店は市街中心部、タンディン地区のディンティエンホアン通り127番地にあります。北部ハナム省出身のチャン・ティ・カー氏が1961年に始めた小さな屋台がはじまりで、いまは2階建ての店構えに育ちました。3代目の女性オーナーは、来た客への敬意を示すためにアオザイ姿で自ら接客に立つことで知られています。

バインクオンという料理と、65年続く手仕事

バインクオンは、米を挽いて作った薄い生地を蒸し、豚肉やキノコの餡を巻いた料理です。タイホー127では米を一晩水に浸してから挽くところから始め、注文が入ると開放的な厨房のわきで一枚ずつ蒸し上げます。仕上げに揚げエシャロットを散らし、もやしと甘酸っぱいヌクチャム(魚醤ベースのつけダレ)を添えて出すのが基本形です。豚のソーセージや発酵させた豚肉ロールを合わせる定番のほか、肉を使わないベジタリアン向けもあります。

「一枚ずつ蒸す」という手間は、老舗が守り続けてきた部分そのものです。作り置きの温め直しではなく、注文ごとに生地を薄く伸ばして蒸すからこそ、口に入れたときのつるりとした食感が生まれます。3代・65年をかけて磨かれたのは、派手な仕掛けではなく、この地味な工程を毎日同じ水準で回し続ける力だと言えます。

値段と実際の一皿

気になる価格は1皿およそ4万〜7万2000ドン。2026年7月時点の為替(1円≒163ドン)でざっくり245〜440円ほどです。ミシュラン掲載店と聞くと身構えますが、ビブグルマンは「手頃な価格でおいしい」ことを評価する部門なので、朝食としては十分に手が届く価格帯に収まっています。

項目 内容
店名 バインクオン・タイホー127
所在 ホーチミン市 タンディン地区 ディンティエンホアン通り127
創業 1961年(3世代)
評価 2026年ミシュラン・ビブグルマン
価格帯 約4万〜7万2000ドン(約245〜440円)

1日におよそ200人が訪れ、混み合うのは昼どきと夜。無料のお茶や駐車スペース、雨の日には貸し出しのレインコートまで用意されるなど、下町の食堂らしい気配りが残っています。オンラインの口コミ評価も高く、地元客と観光客の両方が通う店として定着しています。

現地とファンの受け止め

地元の食通のあいだでは、ミシュラン掲載は「サイゴンの下町料理がようやく正当に評価された」と歓迎する声が目立ちます。北部ハナム由来の味がホーチミンに根づき、3世代で守られてきた点に価値を見る意見も多いようです。

一方で、掲載後の混雑を心配する常連の声もあります。朝の静かな時間に一皿を楽しんできた人からすると、行列が長くなるのは痛し痒しという受け止めです。日本の旅行者コミュニティでも、フォーやバインミーに続く「次に食べるべきサイゴンの朝ごはん」としてバインクオンへの関心が上がっています。

日本の旅行者が使える食べ方・行き方

まず時間帯。バインクオンはベトナムでは朝食の定番で、この店も昼と夜が混みます。行列を避けたいなら、開店直後の朝いちばんか、昼のピークを外した時間が狙い目です。タンディン地区は市街中心部からタクシーや配車アプリで動ける範囲にあり、近くには色鮮やかなタンディン教会(ピンクの教会)や市場もあるので、朝の散歩とセットで組みやすい立地です。

注文は、定番の豚肉入りを1皿頼み、物足りなければ追加するのがちょうどいい量です。つけダレのヌクチャムに好みで唐辛子やライムを足し、もやしと一緒に食べるのが現地流。1人あたり数百円で満足できるので、朝食の食べ歩きにも向いています。移動手段については、7月から一部路線バスが無料化されるなどホーチミンの足も変わりつつあるので、ホーチミンの無料バス事情もあわせて確認しておくと動きやすくなります。

ミシュラン×下町食堂という流れ

今回の選定は、タイホー127単体の話にとどまりません。ハノイでは賞状を「詐欺の手紙」と勘違いしたという鶏フォーの老舗がミシュランに載り、サイゴンでも屋台料理に惚れ込んだ料理人が星を獲るなど、高級店ではなく街の一杯・一皿が評価される事例が続いています。ベトナムのビブグルマンが全国72店まで広がった背景には、こうした庶民の日常食を「観光資源」として押し出す動きがあります。

旅行者にとっては、店選びの手がかりが増えるということです。看板料理がフォーやバインミーに偏りがちだった日本人の旅程に、バインクオンのような蒸し物・粉物が入り込む余地が生まれます。ミシュランのビブグルマン一覧は、値段を気にせず「その街らしい一皿」を探すときの実用的なリストとして使えます。

まとめ:次のサイゴン朝食に一皿加える

次にホーチミンを訪れるなら、朝の予定にバインクオンを一皿組み込んでみてください。タイホー127なら、混雑を避けて朝いちばんに行き、豚肉入りを1皿頼んでヌクチャムで食べる。それだけで、フォーとは違うサイゴンの朝の顔に出会えます。価格は数百円、場所はタンディン地区と分かりやすく、ミシュランの後ろ盾もある。旅の朝食リストを一つ更新する価値のある店です。

参照元

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この記事を書いた人

ベトナム・ホーチミン在住3年目|旅行で来るだけでは知ることができない、現地にいるからこそわかるローカル情報を中心に発信していければと思いベトナム旅行の専門情報サイトを立ち上げました。

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