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ベトナム中部に位置するクアンチ省(Quảng Trị)が、新たな高級海洋リゾートエリアとして世界の旅行者の注目を集めている。「クアトゥン(Cửa Tùng)」「クアヴィエット(Cửa Việt)」「コンコー島(Cồn Cỏ)」の3拠点を結ぶ「海洋観光ゴールデントライアングル」が本格始動し、2026年にはクアンチ空港の開港も予定されており、アクセス革命が訪れようとしている。
ドンハー(旧クアンチ市)の北35kmに位置するクアトゥンは、20世紀初頭にフランス植民地時代の避暑地として「ビーチの女王(queen of beaches)」の称号を与えられた由緒ある砂浜だ。きめ細かな白砂となだらかな傾斜が特徴で、かつてはインドシナ半島随一のリゾートビーチとして知られていた。近年は海岸浸食の影響を受けていたが、省当局の再開発計画で本格的な復活が期待されている。
クアトゥンの南15kmに位置し、タックハン川(Thạch Hãn)の河口に広がるクアヴィエット。川と海の潮流が交わることで形成されたなめらかな砂浜が魅力で、東西経済回廊(East-West Economic Corridor)のゲートウェイとしてもアクセスが良い。ドンハー市街に近い立地から、観光インフラの整備も急速に進んでいる。
コンコー島はベトナム政府から特別経済区に指定されており、島の経済の70%以上を観光が担う。豊かな海洋生物多様性と厳格な環境保全で知られ、サンゴ礁のダイビングや希少な海亀の観察ができる数少ないスポットとして評価されている。マスツーリズムを一切排除し、プレミアムな体験型観光を軸に据えた開発方針が国際的にも注目されている。
クアトゥンとクアヴィエットの中間、コンコー島から約30kmの位置に建設中のクアンチ空港が、2026年内に開港する予定だ。これによりハノイ・ホーチミン・ダナンからの直行便が実現し、これまでアクセスが課題だったクアンチ省への旅がぐっと近くなる。日本からはベトナムの主要都市経由で乗り継ぎ1〜2回での訪問が可能になる見込みだ。
| 体験カテゴリ | 内容 |
|---|---|
| マリンアクティビティ | 管理されたサンゴ礁ダイビング、ウミガメ観察ツアー、シュノーケリング |
| ウェルネス | スパ・ヨガ・瞑想(エコリゾート内) |
| 歴史文化 | ヴィンモックトンネル(ベトナム戦争遺跡)、民俗芸術スペース |
| 森林保全ツアー | コンコー島の原生林・マングローブ保全活動参加 |
| サステナブル移動 | 電気自動車・自転車・徒歩ルートで島内巡回 |
ダナン・ホイアンの混雑を避け、静寂と自然を求めるリピーター層に特に刺さる行き先だ。開発コンセプトは「大量観光の排除」と「高付加価値体験」に特化しており、プレミアムなブティックヴィラや環境配慮型バンガローが順次オープン予定。ベトナム戦争の歴史遺産であるヴィンモックトンネルも近くにあり、歴史好きにとっても訪問価値が高い。
ベトナム全体の観光ブームについてはベトナムに2026年Q1で過去最高676万人の外国人観光客でも詳しく解説している。また、ベトナム中部の旅行先としてダナン国際空港が2026年Skytraxランクで上昇という記事も参考にしたい。クアンニン省のフーコック島など、今急成長しているベトナムのリゾートエリアはフーコック島が2026年に外国人観光客86%増でも確認できる。
クアンチ省党書記は「コンコー特別経済区における観光を最大限に活用する」と明言し、省全体で観光客の誘致に力を入れている。地元有識者は「マスツーリズムではなく、環境と共存するプレミアム体験こそクアンチ観光の差別化戦略」と強調。国内観光客からは「まるで15年前のフーコック島のよう」という声も上がっており、次のベトナム・リゾートブームの震源地として期待が高まっている。
混雑したダナンやホーチミンに飽きたリピート旅行者や、サステナブルな旅を志向する旅行者にとって、クアンチ省は2026年に最も注目すべきベトナムの新興デスティネーションだ。空港開港前の今が、まだ静寂の残る「本物のビーチ体験」ができるチャンスかもしれない。
出典:
Quang Tri seeks to unlock potential of marine tourism’s “golden triangle” | Vietnam News
Quang Tri marine tourism golden triangle | VietnamPlus