タンソンニャットT1が建て替え検討、ホーチミン国内線の動線はこう変わる

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ホーチミンのタンソンニャット空港で、国内線が発着するターミナル1(T1)を全面的に建て替える案の検討が始まった。空港を運営するベトナム空港総公社(ACV)が、老朽化した施設の刷新と、駐車場やターミナル3(T3)を結ぶ地下トンネルの新設を計画に盛り込んでいる。年内に開港予定のロンタイン国際空港への役割分担が進むのを見据えた動きだ。国内線でホーチミンに入る出張者・旅行者にとっては、数年先の乗り継ぎや搭乗手続きの動線が変わる話になる。

先に押さえておきたいのは、これが「国際線がロンタインへ移る」話とは別だという点だ。国際線の移転についてはホーチミン発の国際線が40km東の新空港ロンタインへ移る便で整理したが、今回のT1建て替えはあくまで国内線ターミナルの中身を作り直すという別トピックにあたる。混同すると空港での動き方を読み違えるので、まず分けて考えたい。

目次

何が検討されているのか

ACVが研究しているのは、国内線ターミナルT1を丸ごと新設し、あわせてT1とT3を直結する地下トンネルを掘るという計画だ。目的は運用能力の底上げと、乗客の移動を楽にすること、そして空港インフラ全体を仕上げることにある。ターミナル間の車の交錯を減らし、乗り継ぎをスムーズにする狙いも示されている。

背景にあるのはT1の老朽化だ。長年の稼働で施設が傷み、レイアウトも現在の運用に合わなくなっている。ピーク時にはチェックインや保安検査、送迎エリアで激しい混雑が起きてきた。加えて、T1と駐車場の間は空港内の車道を横切って移動する必要があり、T1とT3の間にも直接の連絡通路がない。この分断を地下トンネルで解消しようというのが今回の柱になる。

数字で見るタンソンニャットの現状

T1の処理能力は年間およそ1,500万人、1日あたり約41,000人とされる。ところが繁忙期には1日10万人規模まで膨らんだ時期もあり、能力を大きく超える負荷がかかってきた。この過密が、建て替え検討の直接の引き金になっている。

ターミナル 主な利用 年間処理能力の目安
T1(国内線) ベトジェットが中心 約1,500万人
T3(国内線) ベトナム航空ほかが移転 約2,000万人

2025年4月30日に開業したT3は、年間約2,000万人・ピーク時1時間7,000人をさばける新ターミナルで、予定より2カ月早く完成した。ここへベトナム航空、パシフィック航空、Vasco、バンブー航空が国内線の拠点を移し、T1にはベトジェットが主に残る形になった。T3の稼働でタンソンニャット全体の処理能力は約5,000万人まで広がったとされる。今回のT1建て替えは、この再編の総仕上げという位置づけだ。

いつ・どう決まるのか

投資規模や設計、実施スケジュールはまだ確定していない。建設省が2021〜2030年を対象とする空港のマスタープラン改定を承認したあとに、具体的な中身が固まる段取りになっている。つまり現時点では「やる方向で研究中」という段階で、明日から工事が始まるわけではない。この点は冷静に受け止めておきたい。

T3の開業でT1の混雑はいくらか和らいだものの、建物の古さや駐車場との分断といった構造的な使いにくさは残ったままだ。新ターミナルを一棟増やすだけでは足りず、古い側も作り直して初めて空港全体の動線が整う、というのがACVの読みといえる。国内線需要が伸び続けるホーチミンでは、能力の上積みそのものが優先課題になっている。

一方で、ロンタイン空港側は年内開港に向けて動いており、総額4.56億ドルの接続道路が一斉着工している。国際線の受け皿がロンタインに整うほど、タンソンニャットは国内線と中近距離の国際線に軸足を移しやすくなる。T1建て替えは、その役割分担を前提にした構想と読める。

ホーチミンを使う人が備えておくこと

出張者・旅行者の視点で実務的に効いてくるのは次の点だ。第一に、国内線の発着ターミナルがT1かT3かで、送迎車の乗り入れ位置も保安検査の混み方も変わる。航空会社によって使うターミナルが分かれているため、予約した便がどちらから出るのかを搭乗前に必ず確認しておきたい。ベトジェット中心のT1と、ベトナム航空などのT3は建物が別だと考えておくと安全だ。

第二に、いまはT1と駐車場・T3の間の移動に車道横断や遠回りが伴う。将来トンネルが通れば乗り継ぎは楽になるが、工事期間中はむしろ動線が変わったり一時的に不便になったりする可能性がある。ホーチミン発着で国内線と国際線を乗り継ぐ日程を組むなら、乗り継ぎ時間には余裕を持たせておくのが現実的だ。首都側でもハノイ第2空港が国家計画入りするなど、ベトナムの空港は数年単位で姿を変えていく局面に入っている。

まとめ

タンソンニャットT1の建て替えは、老朽化と過密という積年の課題に、ロンタイン開港という転機を使って手を入れる話だ。まだ計画は研究段階で、規模も時期もマスタープラン改定待ちだが、方向性ははっきりしている。ホーチミンを国内線で使う人は、当面は「便がどのターミナルから出るか」を毎回確かめること、そして数年先には空港内の動線が作り直されていくことを、頭の片隅に置いておくとよい。

参照元

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この記事を書いた人

ベトナム・ホーチミン在住3年目|旅行で来るだけでは知ることができない、現地にいるからこそわかるローカル情報を中心に発信していければと思いベトナム旅行の専門情報サイトを立ち上げました。

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