自転車の行商から34カ国へ──台所を支える「タイキー粉」50年の物語

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バインベオもバインセオも、それを作る「粉」がなければ生まれない。ベトナム料理の縁の下を半世紀にわたり支えてきたのが、製粉ブランド「タイキー(Tài Ký)」だ。古い自転車に粉袋を積んで市場を売り歩いた家業から始まり、創業50年の今では34カ国・地域へ、規格の厳しいEUにまで届く。表に出ない「粉」の物語は、ベトナムの食を別の角度から照らす。記事の公開日は2026年6月24日。

目次

1976年、市場の片隅から

タイキーの始まりは1976年、ホーチミン市トゥーギェ市場の小さな製造所だった。創業者は粉を袋に詰め、自転車で市場から市場へと売り歩いた。そこから半世紀、2026年で創業50年を迎える。

当初は米粉が中心だったが、いまではコーンスターチ、もち米粉、揚げ物用のサクサク粉、ケーキ用のプレミックス粉まで品ぞろえを広げている。

34カ国へ、EUにも輸出され

タイキーの粉は現在、アジア・欧州・米州・オセアニアの4大陸、34カ国・地域に輸出されている。なかでもEUは「最も厳しい」市場と位置づけられ、その基準をクリアしていることがブランドの実力を物語る。

項目内容
ブランドタイキー(Tài Ký)
創業1976年(トゥーギェ市場の製造所)
節目創業50年(1976〜2026年)
原点の販路自転車での行商
輸出先4大陸・34カ国/地域(EU含む)
主な製品米粉・コーンスターチ・もち米粉・サクサク粉・ケーキ用プレミックス

タイキーの粉は、バインドゥック(蒸し餅)、バインボッロック(タピオカ餅)、バインセオ(お好み焼き風)、チェーチョイヌオック(白玉の汁粉)、バインボー(蜂の巣ケーキ)、バインコット(ミニパンケーキ)、バインダーロン(層状の蒸し菓子)など、数々の家庭料理・菓子に使われている。

「縁の下の接着剤」という自負

タイキーは自社の役割を「他の素材の風味を静かに結びつけ、一つの完成した料理をつくる接着剤」と表現する。主役の食材が引き立つのは、土台となる粉の質が安定しているからだ。表には出ないが、味の完成度を左右する存在である。

原料をそのまま売るのではなく、半世紀かけてブランドと品質で価値を築いた歩みは、ベトナムの食産業全体で進む「物語で売る」動きとも重なる。海外で故郷の味を再現する越僑の挑戦(関連記事)と同じく、目立たないが本質的な作り手の物語だ。

日本の読者・お土産需要への発見

日本でベトナム料理を家庭で作る人にとって、「どの粉を使うか」は仕上がりを大きく左右する。バインセオやバインベオを自作するなら、タイキーのような専業ブランドの粉は心強い味方になる。ベトナム食材店やオンラインで探す際の目印として覚えておきたい。

お土産の観点でも、現地の家庭料理を再現できる「粉」は、菓子や調味料とは違う実用的な一品になる。コンビニのバインミーが日本で面白がられる今(関連記事)、その一歩先として「家で作る」ための粉に目を向けるのも面白い。

まとめ

自転車の行商から始まり、創業50年で34カ国・EUへ。タイキーの物語は、ベトナム料理の華やかな主役たちを陰で支える「粉」に光を当てる。表に出ない存在だからこそ、その品質と歩みを知ると、一皿の見え方が変わる。家庭でベトナム料理を作るなら、こうした専業ブランドの粉を選ぶ価値は大きい。

ベトナムの「粉もの」食文化を支える存在

ベトナム料理は麺や生春巻きのイメージが強いが、実は米粉・もち米粉・タピオカ粉を使った「粉もの」の宝庫だ。バインベオ(蒸し餅)、バインセオ(お好み焼き風)、バインボッロック(タピオカ餅)、チェー(甘味)など、家庭でもよく作られる料理の多くが、粉の質に仕上がりを左右される。タイキーのような専業ブランドが半世紀続いてきたのは、こうした日常の食を陰で支える需要があったからだ。

家庭で作る際の選び方も、知っておくと役立つ。同じ「米粉」でも、バインセオ用のターメリック入りプレミックス、揚げ物用のサクサク粉、もち菓子用のもち米粉など、用途別に最適化された製品がある。専業ブランドの粉は配合が安定しているため、レシピ通りに作れば失敗が少ない。ベトナム料理を自宅で再現したい人にとっては、心強い味方だ。

土産の観点でも、「粉」は菓子や調味料とは違う実用性を持つ。現地の家庭の味を日本の台所で再現できる素材であり、軽くて日持ちもする。料理好きへの贈り物として、話のタネにもなる一品だ。

よくある質問

タイキーはどんなブランドですか?

1976年創業、ホーチミン発の製粉ブランドです。米粉・コーンスターチ・もち米粉・揚げ物用粉・ケーキ用プレミックスなどを手がけます。

どこで買えますか?

ベトナム食材店やオンラインが中心です。現在は34カ国・地域に輸出されています。

何に使う粉ですか?

バインベオ、バインセオ、バインボッロックなどベトナムの「粉もの」料理に使われます。

参照元

Thanh Niên: タイキー、家庭の味を半世紀ひそかに支える

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この記事を書いた人

ベトナム・ホーチミン在住3年目|旅行で来るだけでは知ることができない、現地にいるからこそわかるローカル情報を中心に発信していければと思いベトナム旅行の専門情報サイトを立ち上げました。

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