グルメサイトTasteAtlasの「アジアの肉料理ベスト100」で、ハノイの炭火焼き豚つけ麺ブンチャーが28位に入った。ベトナムからは計7品がランクインし、南部の煮込みから中部の串焼きまで顔ぶれが広い。ハノイに数日滞在する旅行者が、この結果を「どの店で何を食べるか」に翻訳するための地図として読んでほしい。
ブンチャー28位を筆頭にベトナムから7品が並んだ
VnExpressが8月16日に伝えたTasteAtlasの集計で、ベトナム勢の最上位はブンチャーの28位。全体の首位はインドネシアのサテ・カンビン(山羊・羊の炭火串焼き)で、アジア各国の肉料理と競った中での順位となる。ベトナムの7品は地域も調理法もばらけており、1つの「国民食」で稼いだ結果ではない。
| Rank | Dish | 地方・特徴 |
|---|---|---|
| 28位 | Bun cha | ハノイ。炭火焼き豚とつけ汁、ブン(米麺) |
| 34位 | ボー・ニュン・ザム | 牛肉の酢だししゃぶしゃぶ |
| 41位 | ボー・コー | 牛肉のスパイス煮込み。パンやフォーと |
| 51位 | ボー・ルック・ラック | 牛のサイコロステーキ |
| 69位 | ティット・コー・トゥー | 豚の角煮。テト(旧正月)の南部家庭料理 |
| 81位 | ネム・ルイ | フエ。レモングラスの串に巻いた豚つくね |
| 96th | ボー・ラー・ロット | ロットの葉で牛ひき肉を巻いた焼き物 |
順位はTasteAtlas集計をVnExpress(2026年8月16日)が報じたもの。評価は投票ベースで、時期により変動する。
炭火の煙と冷たいつけ汁が同時に来るのがブンチャーの正体
ブンチャーは、炭火で焼いた豚のつくねとバラ肉を、砂糖・魚醤・酢・青パパイヤなどを合わせたぬるめのつけ汁に沈め、別皿のブンとレタスやシソでくるんで食べる。フォーが澄んだ温かい汁物なのに対し、ブンチャーは煙の香りとつけ汁の甘酸っぱさが主役で、昼に食べる料理として根づいている。2016年、故アンソニー・ボーデインの番組『Parts Unknown』でオバマ元大統領と屋台の低い椅子に座って食べた回が世界に広まるきっかけになった。
旅行者が迷いにくいのは、ハノイ旧市街に店が密集している点だ。昼どき(11〜13時頃)に炭の煙が出ている店を選び、焼きたてが冷めないうちにつけ汁へくぐらせるのがコツ。1人前はおおむね4万〜6万ドン(約230〜340円、1円≒175ドンで概算)で、揚げ春巻き(ネム)を1本足すと満足度が上がる。旧市街での一日の組み立ては朝フォー・昼ブンチャー・夜エッグコーヒーで巡るハノイ旧市街の歩き方が具体的で、そのままブンチャーの時間帯に重ねられる。
残る6品は北・中・南に散らばる——一都市では回収できない
ランクインの妙は、7品が北部ハノイだけに寄っていないところにある。ネム・ルイ(81位)とボー・ラー・ロット(96位)は中部フエ〜ダナン圏の料理で、レモングラスやロットの葉の香りが持ち味。フエを訪れるなら串もの中心で探すのが早く、1日1,200円で回るフエの麺と米粉菓子の食べ歩きの動線にネム・ルイを挟むと無理がない。
ボー・ニュン・ザム(34位)、ボー・ルック・ラック(51位)、ボー・コー(41位)、ティット・コー・トゥー(69位)は南部で出会いやすい。酢だしにくぐらせる牛肉のボー・ニュン・ザムは食卓を囲む形式で、複数人での夕食向き。ボー・コーはパン(バインミー)を浸して朝食にもなり、ティット・コー・トゥーはテトの豚角煮で家庭料理の色が濃い。1回の旅で7品全部は難しく、滞在都市に合わせて3〜4品に絞るのが現実的だ。
ランキングを旅程に落とすと「ハノイ2品+移動先の郷土食」に整理できる
ハノイ発の短い旅なら、ブンチャーに加えて旧市街のミシュラン級食堂を一つ組み込むと密度が上がる。4代96年続きミシュランに載ったハノイのバインクオンのように、屋台文化のまま評価された店はブンチャーと同じ時間帯・同じエリアで回せる。中部・南部へ足を延ばすときだけ、ネム・ルイやボー・コーを追加候補にすればよい。
- ブンチャーは昼。炭の煙が上がっている店を旧市街で選ぶ
- 目安価格は1人前4万〜6万ドン(約230〜340円・概算)
- 牛肉系4品(ボー・ニュン・ザム/ルック・ラック/コー/ティット・コー・トゥー)は南部で探す
- ネム・ルイとボー・ラー・ロットは中部フエ〜ダナンで串ものとして注文
- 1回の旅では滞在都市に合う3〜4品に絞る
28位のブンチャーから7品を一日で回る
28位という数字そのものより、ベトナムの7品が北・中・南に散らばって選ばれた事実が旅程づくりに効く。ハノイ滞在の昼をブンチャーで一つ埋め、移動先の都市で郷土の肉料理を1〜2品足す。次にハノイへ行くなら、まず旧市街で炭の煙が出ている店をひとつ決めておくところから始めたい。
