ドンナイ省のロンタイン国際空港が、2026年12月24日から商業運航を始める予定になった。VnExpressが伝えた作業会議の内容によると、初期段階は1日約30便で、うち国際線は4路線。週あたりの最大便数は366便(国内線322便、国際線44便)を見込み、就航するのはベトナム航空とベトジェットエアだ。運営側は55の運用シナリオを用意し、そのうち15〜20を商業運航で使う。国際線の出発にかかる1人25ドルの旅客サービス料は、料金規定としては2026年10月1日から適用されている(実際に負担が発生するのは就航後だ)。ホーチミン市に住む人、年末年始に出張する人、年明けに帰国する人のそれぞれで、備えるべき項目が違う。数字を一つずつ押さえていく。

12月24日という日付は、まだ「予定」のままだ
ベトナム語の報道で使われている表現は「dự kiến từ 24/12」で、予定という語が付いている。確定した開業日として告知されたわけではない。英語媒体では12月1日開業として伝えられた時期もあり、これは民間航空局(CAAV)が提出した案に基づくものだった。日付が動いてきた経緯があるため、12月24日も最終ではない前提で読むのが安全だ。
段階の区切りはこうなっている。第1段階は2026年12月から2027年3月までで、旅客ターミナルは西ウイングと中央部のみを使う。第2段階は2027年4月から10月で、この間にヨーロッパ、オーストラリア、南アジア、北東アジア、東南アジア、アメリカへの路線開設が計画されている。つまり日本からの直行便が入る可能性が具体的に出てくるのは第2段階以降で、2026年末の開業時点では短距離の国際線が中心になる。
ベトナム航空とベトジェットエアが登録した輸送量は、設計能力の6〜10%に相当する1日20〜30便で、国内線と短距離の国際線に寄っている。新空港が開いても、しばらくは小さく回す設計だ。
初期は1日約30便、週366便が上限になる
| Item | Details |
|---|---|
| 商業運航の開始 | 2026年12月24日(予定) |
| 初期の便数 | 1日約30便(登録ベースでは20〜30便、設計能力の6〜10%) |
| International routes | 初期は4路線。短距離が中心 |
| 週あたり最大便数 | 366便(国内線322便、国際線44便) |
| 就航する航空会社 | ベトナム航空、ベトジェットエア |
| Phase 1 | 2026年12月〜2027年3月。ターミナルは西ウイングと中央部 |
| Phase 2 | 2027年4月〜10月。欧州・豪州・南アジア・北東アジア・東南アジア・米国への路線を計画 |
| 運用シナリオ | 55本を作成。商業運航で使うのは15〜20本 |
週366便という上限を1日に割ると約52便で、初期の約30便から見れば余裕がある。国際線は週44便で、4路線に均等に割れば1路線あたり週11便になる。ただし路線別の配分と運航曜日は公表されていないので、毎日飛ぶ路線と週数便の路線に分かれる可能性がある。予約するときは曜日を確認したい。
55本の運用シナリオの中身は、作業会議の場では公表されなかった。分かっているのは本数と、商業運航で使うのが15〜20本に絞られることだけだ。中身が出てこないうちは、利用者側で備えられるのは「予定通りに動かない日がある」という前提を置くところまでになる。
国際線の出発に1人25ドル、規定は10月1日から
空港が開く前に決まっている数字が旅客サービス料だ。ロンタイン空港発の国際線は1人25ドル、国内線は90,909ドンで、いずれも付加価値税を除いた額。料金規定の適用開始は2026年10月1日だが、空港が開いていないので、実際に航空券の価格に乗ってくるのは就航してからになる。
| Airport | 国際線出発 | Approximate yen conversion | 国内線出発 |
|---|---|---|---|
| ロンタイン(ドンナイ省) | 25 US dollars | 約3,950円 | 90,909ドン(約550円) |
| タンソンニャット(ホーチミン市) | 20米ドル | 約3,160円 | 報道の対象外 |
| Noi Bai (Hanoi) | 25 US dollars | 約3,950円 | 報道の対象外 |
円換算は1米ドル=約158円、1円=約165ドン(いずれも2026年10月6日時点)で計算した。ロンタインはタンソンニャットより5ドル(約790円)高く、ハノイのノイバイと同額になる。
この5ドル差の扱いが実務では効いてくる。タンソンニャット発として予約した国際線がロンタイン発に振り替えられた場合、旅客は当初の空港の料率を払う扱いで、差額5ドルの追徴も返金もない。逆方向も同じだ。航空券の価格に含まれる料金なので、利用者が窓口で払うわけではないが、年末に便の振り替えが起きたときに料金の差で混乱しない根拠になる。
タンソンニャットとの役割分担は、まだ固まっていない
報道の中でタンソンニャットに触れた部分は、ロンタインとタンソンニャットが共にホーチミン市圏の航空ゲートウェイの役割を担うという一文だ。どの路線をどちらに振るかの具体的な線引きは示されていない。
比率は手がかりになる。第1段階の計画は国内線322便、国際線44便だ。国内線中心で立ち上げるということは、タンソンニャットの国内線の一部をロンタインへ移す形になる。国際線を一気に移さないのは、入国審査と手荷物処理の体制が固まるまで量を抑えるためだろう。
日本からの便がどちらに入るかは決まっていない。初期の国際線4路線の行き先も公表されていないため、日本路線が含まれるかどうかも現時点では分からない。第2段階(2027年4月〜10月)の計画に北東アジアが含まれているので、日本路線の扱いが具体化するのはその前後になりそうだが、第1段階での移管を否定する発表も出ていない。年末年始に日本〜ホーチミン市を予約するなら、発着空港を予約画面で必ず確認してほしい。フーコック拠点の新興航空会社についても、初のA330を受領した段階で日本路線の日程は出ていない。
ホーチミン中心部から空港まで、何でどれだけかかるか
ロンタイン空港は1区の中心部から43キロ(出典により40キロとも)離れている。タンソンニャットが市内から7キロ前後の位置にあることを考えると、移動の前提が変わる。
| Means | Estimated travel time | 経路・備考 |
|---|---|---|
| 自家用車・タクシー・Grab | 60〜90分(渋滞が軽い時は45〜60分) | ホーチミン市〜ロンタイン〜ザウザイ高速経由 |
| 急行バス | 60〜70分(計画値) | サイゴンバスターミナル発。ハムギー乗換拠点、マイチートー通りに限定停車する路線が計画されている |
| タンソンニャット空港(比較) | 市内中心部から20〜40分 | 市内から約7キロ |
アクセス道路の工事は、開業に間に合わない部分がある。ホーチミン市〜ロンタイン〜ザウザイ高速は4車線から8〜10車線への拡幅工事中で、完成目標は2026年12月。この路線の要になるロンタイン橋は2027年第2四半期まで完成しない見込みだ。つまり開業直後は、拡幅前の区間を通る前提で時間を見ておく必要がある。
南側からの経路はベンルック〜ロンタイン高速が担う。メコンデルタ方面から空港へ向かう場合はこちらが効くが、1区や3区から向かう動線では主役にならない。市内側の道路事情も動いていて、中心部が3年間の一方通行規制に入った影響で、同じ出発地からでも高速の入口に乗るまでの時間が以前と変わっている。
関係者はどこを心配しているか
- 常任副首相のファム・ザ・トゥック氏は、施工業者が抱える困難をACVが早期に解決すべきだと述べ、政府に関わる課題は政府側で処理するとした
- 同氏は進度の重要性を認めつつ、品質と安全が最も重要であり、安全を確保できて初めて飛ばせるという趣旨の発言をしている
- ベトナム空港総公社(ACV)の総社長代行であるグエン・ドゥック・フン氏が会議に出席し、運用準備の状況を説明した
- ベトナム航空とベトジェットエアは、設計能力の6〜10%にあたる1日20〜30便の輸送量を登録しており、初期は控えめな運航計画を取っている
副首相の発言が「安全を確保してこそ飛ばせる」という条件付けになっている点は、12月24日という日付が動く余地を残していることと符合する。航空会社側の登録量が設計能力の6〜10%にとどまっている理由は説明されていないが、結果として開業直後の便数は少なく、利用者にとっては選べる便が限られる。
在住者と出張者は、年末までに何を確認すべきか
やるべきことは立場で分かれる。ホーチミン市に住んでいる人、12月下旬から年明けに出張する人、ベトナム国内を移動する人で、備える項目が違う。
在住者がまず確認すべきは、12月24日以降に予約済みの便の発着空港だ。ロンタインの週次計画は国内線322便・国際線44便で国内線に寄っているが、これは既存便の移管数ではなく新空港側の受け入れ計画にあたる。どの便をどちらの空港から飛ばすかは航空会社の判断になるため、利用者側は予約画面を見るしかない。空港コードはロンタインがLTH、タンソンニャットがSGNで表示される。12月中旬に一度、予約確認メールの空港コードを見直しておきたい。43キロ先の空港に変わっていれば、出発時刻の2時間前に家を出る計画が3時間前になる。
出張者の場合、往路と復路で空港が違う可能性を想定しておきたい。日本からの便はタンソンニャット着のままと見られるが、国内線に乗り継いで地方都市へ向かう場合、乗り継ぎ便がロンタイン発になると空港間の移動が発生する。タンソンニャットは市内の北側、ロンタインは市外の東側にあるため、空港間の移動は市街地を横断する形になり、車で1時間以上を見ておく必要がある。空港間連絡の手段と所要時間が公表されていない段階では、同日乗り継ぎを組むのは避けたほうが無難だ。
年末年始の時期そのものにもリスクがある。ベトナムの年末は国内移動が増える季節で、2027年のテト(旧正月)は2月に入る。開業直後の12月下旬から1月は、新空港の運用が固まらないうちに移動需要が重なる期間になる。この時期に動く予定があるなら、航空便だけでなく鉄道も選択肢に入れておきたい。鉄道は払い戻し条件が変わることがあり、テト列車の払い戻し率が30%に引き上げられたように規定が動く。
もう一つ、空港でかかる費用の見方を直しておきたい。国際線1人25ドルという旅客サービス料は航空券に含まれるので、現地で払う必要はない。ただし航空券の価格比較をするときに、ロンタイン発の便はタンソンニャット発より5ドル分の原価が高い。安い便を探しているときに、同じ路線でロンタイン発とタンソンニャット発が並んだら、価格差の一部はこの料金で説明がつく。
航空会社と旅行業は、どこを作り直すことになるか
開業直後の空港は、航空会社にとって運航コストが読みにくい。駐機場の配置、折り返し時間、整備体制、乗務員の宿泊場所がすべて新しくなる。ベトナム航空とベトジェットエアが設計能力の6〜10%という控えめな量から入るのは、この読みにくさと無関係ではないだろう。
旅行業の側では、送迎の設計が変わる。タンソンニャットなら市内ホテルからの送迎を30分で組めたが、ロンタインは60〜90分を見込む必要がある。パッケージツアーの行程表は空港での集合時刻を前に倒すことになり、初日の観光時間が削られる。送迎料金も距離に比例して上がる。
長期では、空港の東側にあたるドンナイ省側の開発が進む。空港周辺に物流施設とホテルが建つ流れは他国でも起きてきたことで、ホーチミン市の中心部から見た「空港へ行く」という行為の意味が変わる。ただしこれは2027年の第2段階以降の話で、2026年末の開業時点では「遠い空港が1つ増えた」という受け取り方で十分だ。
ロンタイン国際空港の実用情報
| Item | Details |
|---|---|
| Location | ドンナイ省ロンタイン。ホーチミン市1区から43キロ(出典により40キロとも) |
| 空港コード | IATA: LTH / ICAO: VVLT(タンソンニャットはSGN) |
| 商業運航の開始 | 2026年12月24日(予定。日付は変更の可能性あり) |
| 初期の便数 | 1日約30便。国際線は4路線 |
| 週あたり最大便数 | 366便(国内線322便、国際線44便) |
| 就航する航空会社 | ベトナム航空、ベトジェットエア |
| 国際線の旅客サービス料 | 1人25米ドル(約3,950円、付加価値税別)。料金規定の適用は2026年10月1日から。負担が発生するのは就航後 |
| 国内線の旅客サービス料 | 1人90,909ドン(約550円、付加価値税別) |
| 振り替え時の料率 | 当初予約した空港の料率を適用。差額5ドルの追徴・返金はなし |
| 市内からの所要時間 | 車で60〜90分(渋滞が軽い時は45〜60分)。急行バスは計画値で60〜70分 |
| 主なアクセス道路 | ホーチミン市〜ロンタイン〜ザウザイ高速。拡幅工事中でロンタイン橋は2027年第2四半期完成見込み |
| Exchange-rate guide | 1円=約165ドン、1米ドル=約158円(2026年10月6日時点) |
Summary
ロンタイン空港の商業運航開始は2026年12月24日の予定で、初期は1日約30便、国際線4路線という小さな規模から始まる。初期4路線の行き先は公表されておらず、日本からの便がどちらの空港に入るかも決まっていない。国際線の旅客サービス料25ドルは、料金規定としては10月1日から適用されている。
年末にベトナムを動く予定があるなら、やることは3つだ。12月中旬に予約済みの便の空港コードを確認してLTHかSGNかを見る。ロンタイン発に変わっていたら、市内からの移動を60〜90分で組み直し、出発3時間前に家を出る前提にする。そしてタンソンニャットとロンタインをまたぐ同日乗り継ぎは、空港間連絡の手段が公表されるまで組まない。開業日が12月24日のまま動かないかどうかは、ACVとベトナム民間航空局の発表を12月に入ってからもう一度見ておきたい。
Sources
- VnExpress「Sân bay Long Thành chuẩn bị 55 kịch bản vận hành」
- VnExpress International「Passengers taking international flights from Long Thanh airport to pay $25 service fee」
- Vietstock「Sân bay Long Thành có thể khai thác thương mại từ ngày 24/12/2026」
- VnEconomy「Long Thanh International Airport proposed to begin operations on December 1, 2026」
- Local Vietnam「Long Thanh International Airport: Everything to know [2026]」
- Wikipedia「Ho Chi Minh City–Long Thanh–Dau Giay Expressway」


