9月2日の建国記念日にからむ連休を前に、ベトナム人が国内でどこを予約しているかの答えが出た。旅行予約アプリのTravelokaが8月11日に公表した東南アジア動向レポート「SEA Index」で、国内予約が集中した都市の上位5つが明らかになった。連休にベトナム国内を動く在住者や旅行者にとって、この順位は「どこが混むか」「どこが今おもしろいか」を同時に映す地図になる。
予約が集中した5都市の顔ぶれ
予約数が多かった順に、ホーチミン市、ハノイ、ダナン、コンダオ、フーコックが並んだ。都市の性格は見事にばらけている。前の2つは商業と行政の中心地、ダナンは海と山を1日で回れる中部の要、残る2つは離島だ。連休の行き先が「大都市に集まる層」と「島に逃げる層」にくっきり割れていることが、この5都市から読み取れる。
ホーチミン市の強さは規模がそのまま出た形で、レポートは国内旅行のおよそ5分の1がこの街に向かうとした。ハノイは文化遺跡や博物館、連休に合わせて組まれる展示や祭りが予約を押し上げる。都市そのものが目的地になっている。
離島とテーマ体験が伸びた背景
数字の伸びで目立ったのは離島だ。フーコックは第2四半期の需要スコアが最高値の100に達し、予約は前年から86%増えた。海と直行便の増加が重なり、連休の逃避先として定着しつつある。ダナンも予約の勢いが強く、山上リゾートのバナヒルズはチケット予約が前年同期比で132%も伸びた。単なる街歩きではなく、目的のある体験に金と予約が集まっている。
コンダオは派手な数字こそ出ていないが、歴史と自然、地元の暮らしを一度に味わえる島として4位に入った。刑務所史跡の重さと、手つかずの海の対比が、他の4都市とは違う客層を引き寄せている。都市の喧騒から距離を取りたい層が、フーコックの賑わいよりも静けさを選んだ結果とも読める。
同じレポートは国際線の伸びも示した。ベトナム発ではバンコク行きが61%、東京行きが80%以上増えている。連休のベトナム人の一部は国内ではなく海外へ抜けており、その中でも東京行きの伸びが最も大きい点は日本側にとって見逃せない。国内の2大都市に客が集まる一方で、外向きの需要は日本に流れている。連休の空港が両方向で混むという実感は、この数字が裏づけている。
レポートが示した主要な数字
| Item | Figure |
|---|---|
| フーコック 第2四半期の需要スコア | 100(最高値) |
| フーコック 予約数 | 前年比 86%増 |
| ダナン・バナヒルズのチケット予約 | 前年同期比 132%増 |
| 国際線 バンコク行き | 61%増 |
| 国際線 東京行き | 80%以上増 |
出典: Traveloka「SEA Index」(2026年8月11日公表)。国際線の伸びはベトナム発の予約傾向。
日本人旅行者はこの順位をどう使うか
この5都市は、日本から連休にベトナムへ入る人にとって「避ける対象」にも「便乗する対象」にもなる。ホーチミンとハノイは連休中もベトナム人の国内客で厚く混む。空港送迎や人気店の待ち時間は普段より長いと見ておくのが安全で、街歩きより先に食事の店だけ予約を固めておくと動きやすい。ハノイ旧市街の歩き方を押さえておけば、混雑の中でも朝と夜で回る店を分けて時間を稼げる。
逆に、混雑を逆手に取る手もある。ベトナム人の国内客が2大都市と国際線に流れる連休は、地方の中規模都市が相対的に空く。カントーやフエ、ニャチャンあたりは、この5都市の陰で動きやすくなる時期だ。人の波と反対に張るだけで、同じ連休でも体験の密度は変わる。
フーコックやダナンを本命にするなら、話は逆で早さが命になる。需要スコアが最高値まで振れた離島は、連休が近づくほど直行便の座席と海沿いの宿から先に埋まる。バナヒルズのように予約が前年の2倍を超えた施設は、当日券をあてにせずチケットを事前に取るのが前提だ。伸びている場所ほど、思い立ってからでは間に合わない。
各都市の見どころを一言で
- Ho Chi Minh City: 食と買い物の総量で選ぶ街。連休は屋内の遊び場や市場が家族連れで埋まる。
- Hanoi: 旧市街の食べ歩きと湖畔の散歩。連休に合わせた展示や祭りが多い。
- Da Nang: 海とバナヒルズを1日で。夜のビーチイベントも夏の定番になった。
- Con Dao: 刑務所史跡とウミガメの島。静けさと歴史を求める人向け。島の珍しい海鮮も朝市で安く手に入る。
- Phu Quoc: 直行便が増えた離島リゾート。Expediaの世界9位にも入り、連休の逃避先として勢いがある。
連休の予約は順位を見て逆算する
5都市の顔ぶれは、連休のベトナムが「集まる場所」と「逃げる場所」に割れていることを示す。都市の刺激を取りに行くならホーチミンやハノイ、混雑を避けたいなら4位のコンダオより外側、あるいはランク外の地方都市が狙い目になる。連休の日程が近づくほど離島の便と宿は埋まる。フーコックやダナンを本命にするなら、便と宿だけは今のうちに押さえ、街歩きの予定は現地で足すのが現実的だ。
