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ハノイ西湖カフェに『カメラの森50人』──映え撮りに外国人観光客困惑、戸惑いコメント続出

ハノイのTây Hồ(西湖)坊にある無名のカフェに、平日午後でも撮影者50人とカメラの群れが押し寄せる。VnExpressが2026年4月26日に伝えた現地ルポでは、マレーシア人観光客Nur Delima氏が「KOLイベントかと思って引き返しかけた」、ロシア人Aleksandra Sorokina氏が「歴史的建造物だと思った」、アメリカ人Monica Niebrit氏が「西側にこんな習慣はない」とそれぞれ戸惑いを口にしている。ベトナム若年層の「カフェチェックイン文化」が外国人観光客の目にどう映っているのか、現場の温度差を整理する。

起点ニュースの詳細

VnExpressが2026年4月26日朝に掲載した記事は、ハノイTây Hồ坊と中心部の数店舗を取材し、外国人客から見た「カフェ撮影現象」を伝えている。記者が訪れたTây Hồの店では、撮影者が50人ほど密集し、メイクと撮影で30分以上待たないと入店できない時間帯もあった。

マレーシア・クアラルンプールから旅行で訪れたNur Delima氏(30歳)は、店の入口で立ち止まったときの感想をこう述べている。

「私は約50人のフォトグラファーと、カメラの森にぶつかりました。30分待ちました」

ロシア・サンクトペテルブルクから来たAleksandra Sorokina氏(24歳・ロシア語講師)は、初見で別の解釈をしたと語る。

「その場所が特別な歴史的意味を持つと思った」

アメリカ・コロラド州出身のMonica Niebrit氏(26歳)は、欧米との温度差をこう表現した。

「西側では人々がその習慣がないため躊躇する傾向がある」

背景・全容──「カフェチェックイン」が生んだ独自経済

ベトナムの若年層では、「カフェに行く」目的が飲食からSNS投稿用の写真撮影にシフトする傾向が強まっている。インスタ・TikTokでの拡散が来店動機になり、店舗側もそれを織り込んで内装・照明・小物を設計する動きが定着した。一部のカフェでは、撮影機材の持ち込みや長時間滞在に対して1時間30万〜60万ドン(約1,800〜3,600円)の撮影料金を設定し、撮影目的と通常利用を分離する運用を始めている。「専門用カメラ禁止」と書かれた看板も増えた。

ハノイのTây Hồや旧市街、ホーチミン市の1区・3区などでは、無名のカフェが映え撮影スポットとしてバズり、開店から数週間で「カメラの森」が常態化する事例が相次ぐ。メイクで30分〜1時間滞在し、撮影後に交代で別グループが入る回転構造が出来上がっている。

データテーブル──現象の規模

項目内容
取材地ハノイTây Hồ坊(西湖エリア)ほか中心部
1店舗あたりの撮影者数約50人(ピーク時)
入店までの待機30分以上のケースあり
撮影料金(一部店舗)1時間 30万〜60万ドン(約1,800〜3,600円)
メイク〜撮影の滞在30分〜1時間
店舗の対応「専門用カメラ禁止」看板/撮影プラン分離
主な発信先Instagram/TikTok
ベトナム全土のカフェ数50万軒超(業界推計)

※円換算は2026年4月時点の参考値(1ドン=約0.006円)。

現地の反応──外国人観光客のコメント

  • Nur Delima氏(マレーシア・30歳):「カメラの森にぶつかった。30分待った」と入店までのハードルを語る。撮影目的の常連と、観光で訪れる外国人の動線が交錯している実態が見える。
  • Aleksandra Sorokina氏(ロシア・24歳):「歴史的建造物だと思った」。撮影者が密集する光景を、最初は文化財や記念施設の前と勘違いしたという率直な反応。
  • Monica Niebrit氏(米国・26歳):「西側にこんな習慣はない」と困惑。カフェで職業カメラマンが集中して撮影する光景は、欧米の都市には少ない。

日本人観光客への影響

日本人旅行者がハノイで「インスタ映えカフェ」を訪れる場合、想定する利用シーンと現地の運用がズレる可能性がある。注文してゆっくり休憩できると思って入った店が、実態は撮影専用で「席は撮影グループ用」「机上の小物は撮影セット」という構成のことがあるためだ。撮影目的でなく休憩目的なら、看板に「撮影料金」「専門カメラ禁止」が出ている店は避け、ロカール客が多い古典的な路地カフェに切り替える選択が現実的だ。プーニュアン区の隠れ家カフェ「An Miên」のような落ち着いたローカル店は外国人にも穏やかだ。

逆にSNS発信を主目的とするなら、平日午前中の早い時間に入る/撮影プランを最初から購入するなど、現地の運用に合わせた段取りで臨む方が衝突は減る。ハノイのカフェシーンが2026年に進化ベトナム全土にカフェ50万軒超が背景理解に役立つ。

カフェ業界への波及

カフェ業界では、撮影需要を取り込みつつ通常客の体験を守るための「分離運用」がスタンダード化しつつある。撮影料の有料化、機材制限、時間枠の指定、専用ブースの設置、店外側からは映え用ファサード/店内側は飲食専用というレイアウトの分割など、運用の工夫が各都市で広がる。ハノイのスペシャルティコーヒー革命のように味と空間の両方を売る店は、撮影需要との折り合いをどうつけるかが今後の差別化軸になる。SNS文化を否定せず取り込みつつ、外国人観光客にも分かりやすい案内表示(英語・日本語)の整備が、カフェ業界全体の成熟度を測る指標になっていく。

実用情報テーブル──ハノイのカフェ巡り

項目内容
主な撮影集中エリアハノイTây Hồ/旧市街/ホアンキエム湖周辺/ホーチミン1区・3区
撮影料金の目安1時間 30万〜60万ドン(約1,800〜3,600円)
撮影可能を確認する方法Instagramの店舗アカウント/入口看板の英語表記
静かに過ごしたい人向け路地裏のローカル店/専門用カメラ禁止の看板を避ける
SNS発信向けのベスト時間平日午前9〜11時(撮影者が少なくスムーズに入店可)
注意点店外撮影でも私有地侵入に注意/ベトナム人スタッフへの英語確認は丁寧に

まとめ

ハノイのカフェ撮影現象は、ベトナム若年層のSNS文化と店舗側の収益化が結びついた独自経済として広がっている。外国人観光客の戸惑いコメントは、現地の若者文化との温度差をそのまま映している。日本人旅行者は「撮影目的」と「休憩目的」を最初に切り分け、訪れる店舗のスタイルを事前に確認することで、無用な衝突を避けられる。カフェ業界も、運用の見える化と多言語表示で外国人の戸惑いを減らすフェーズに入りつつある。

出典

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