Vietnam Airlinesが2026年夏ダイヤで欧州・アジア路線を大幅拡充──ハノイ〜アムステルダム新規就航、マニラ・上海は週15〜18便体制へ

ベトナムのフラッグキャリアVietnam Airlinesが、2026年夏ダイヤ(5〜10月)で欧州・アジア路線の大規模な増便・新規就航を進めている。最大の目玉は6月16日に就航するハノイ〜アムステルダム直行便(A350で週3便)で、ベトナムとオランダを結ぶ初のノンストップ路線となる。さらに、ホーチミン〜マニラは週8便→15便、ハノイ〜上海は週14便→18便へと大幅に増便。ロンドン・ヒースロー線(3月就航済み、B787-9で週5便)を含め、欧州ネットワークは計12路線・8都市体制に拡大する。

目次

路線拡充の全容:欧州12路線+アジア主要都市の増便一覧

2026年夏ダイヤの主要変更点を路線別に整理すると、以下の通りだ。

路線 変更内容 運航頻度 使用機材 開始日
ハノイ〜アムステルダム 新規就航 週3便 Airbus A350 2026年6月16日
ハノイ〜ロンドン・ヒースロー 新規就航済み 週3便 Boeing 787-9 2026年3月29日
ホーチミン〜ロンドン・ヒースロー 新規就航済み 週2便 Boeing 787-9 2026年3月29日
ホーチミン〜マニラ 増便(8→15便) 週15便 A321 2026年5月31日
ハノイ〜上海 増便(14→18便) 週18便 A321 2026年夏
ハノイ〜プノンペン 増便(10→15便) 週15便 A321 2026年夏
ホーチミン〜プーケット 新規就航済み 週5便 A321 2026年4月12日

欧州路線では既存のパリ、フランクフルト、ミュンヘン、ミラノ、コペンハーゲン、モスクワに加え、ロンドンとアムステルダムが追加され、計8都市・12路線という過去最大のネットワークとなる。

背景:2026年Q1の国際旅客数が前年比19%増の1,390万人

Vietnam Airlinesの大規模増便は、ベトナムの航空需要の急拡大が直接的な背景にある。2026年第1四半期の国際線旅客数は前年同期比19%増の1,390万人に達した。特に中国・韓国・日本からのインバウンド需要が全体の約40%を占め、ベトナムの外国人観光客が史上最高の676万人を記録した状況と連動している。

ベトナム航空業界全体を見ると、VietJetがホーチミン〜名古屋・福岡線を4月に新規就航し、ハノイ〜プラハ線を7月に開設するなど、LCC側も欧州・日本路線を急拡大中だ。さらにVietravel Airlinesがハノイ〜バンコクを4月24日に再開、Sun PhuQuoc Airwaysがフーコック〜ソウルを4月17日に就航するなど、ベトナム発の国際路線は各社が競い合う状態にある。

ハブ戦略の深読み:4空港の役割分担

Vietnam Airlinesの2026年夏ダイヤからは、4つの国際空港の戦略的な役割分担が読み取れる。

ハノイ(ノイバイ空港)は欧州・中国のゲートウェイとして強化される。アムステルダム新規就航、ロンドン週3便、上海増便はすべてハノイ発着。ベトナム北部を起点とするビジネス需要の取り込みを狙う。

ホーチミン(タンソンニャット空港)はASEAN域内とオセアニアへの接続を担う。マニラ週15便体制、プーケット新規就航は、東南アジア域内のレジャー・ビジネス需要に対応するものだ。

ダナンは北東アジア(韓国・日本・中国)路線に特化し、VietJetとの棲み分けが進む。フーコックはリゾート直行便に絞り込み、Sun PhuQuoc Airwaysのソウル線など、韓国市場を起点としたリゾートアクセスを強化している。

現地の反応:「やっとアムステルダム直行が実現」「マニラ増便は在越フィリピン人に朗報」

ベトナムの航空フォーラムやSNS(Flyertalk Vietnam、Facebook航空グループ)では、以下のような反応が見られる(意訳・匿名)。

「ハノイ〜アムステルダム直行は待望のルート。これまでバンコクやシンガポール経由で18時間以上かかっていたのが、12時間で行ける」

「マニラ便が週15本になるのは、ホーチミンのフィリピン人コミュニティにとって大きい。週末帰省の選択肢が劇的に増える」

「ロンドン線のB787-9はビジネスクラスのシートが良い。GBP 799からという運賃も、エミレーツ経由と比べて競争力がある」

日本人旅行者への影響:乗り継ぎ選択肢の拡大と運賃競争の恩恵

日本からベトナムへの直行便は既に充実しているが、Vietnam Airlinesの欧州路線拡大は「ベトナム経由の欧州旅行」という乗り継ぎ需要に新たな選択肢を提供する。たとえば、成田→ハノイ→アムステルダムという経路は、中東経由よりも総飛行時間が短くなるケースがある。

アジア路線の増便は、日本発のマルチシティ旅行にも好影響を与える。ホーチミン→マニラ→東京という周遊ルートが週15便の高頻度で組めるようになり、東南アジア2カ国周遊のハードルが下がる。ロンドン線の運賃はGBP 799(約16万円)からで、欧州系キャリアの直行便と十分に競争できる水準だ。

路線例 運賃目安 円換算 所要時間
ハノイ〜ロンドン(片道) GBP 799〜 約160,000円〜 約12時間
ハノイ〜アムステルダム(片道) 未発表(推定GBP 750〜850相当) 約150,000〜170,000円 約11.5時間
ホーチミン〜マニラ(往復) 約300〜500万VND 約18,000〜30,000円 約3時間
ホーチミン〜プーケット(往復) 約250〜400万VND 約15,000〜24,000円 約2時間

業界への波及:ベトナム発の国際ハブ競争が本格化

Vietnam Airlinesの拡大は、ベトナムが東南アジアの国際航空ハブとしてタイやシンガポールと本格的に競合する段階に入ったことを示す。欧州12路線体制は、タイ国際航空(Thai Airways)の欧州ネットワークに匹敵する規模だ。

一方で、ハノイのノイバイ空港はターミナル容量が限界に近づいており、2028年完成予定の第3ターミナル(T3)建設が急務となっている。ホーチミンも2025年10月に開業予定だったロンタイン国際空港の第1フェーズが稼働開始を控えており、空港インフラの拡充が路線拡大のボトルネック解消の鍵を握る。

実用情報:2026年夏の主要新規路線まとめ

航空会社 路線 就航日 頻度
Vietnam Airlines ハノイ〜アムステルダム 6月16日 週3便
Vietnam Airlines ハノイ〜ロンドン 3月29日(就航済み) 週3便
Vietnam Airlines ホーチミン〜ロンドン 3月29日(就航済み) 週2便
Vietnam Airlines ホーチミン〜プーケット 4月12日(就航済み) 週5便
VietJet ハノイ〜静岡 4月28日 未公開
Vietravel Airlines ハノイ〜バンコク 4月24日 未公開
Sun PhuQuoc Airways フーコック〜ソウル 4月17日 未公開

まとめ

Vietnam Airlinesの2026年夏ダイヤは、ベトナムの航空業界が「アジア域内キャリア」から「グローバルネットワーク航空会社」への転換を加速させる局面を映し出している。アムステルダム新規就航で欧州8都市12路線、マニラ・上海・プノンペンの大幅増便でアジア域内の接続を強化。ロンドン線のB787-9投入と合わせ、日本人旅行者にとっても「ベトナム経由の欧州旅行」やプーケット直行便との組み合わせなど、旅程の選択肢が格段に広がった。予約は公式サイト(vietnamairlines.com)から可能だ。

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この記事を書いた人

ベトナム・ホーチミン在住3年目|旅行で来るだけでは知ることができない、現地にいるからこそわかるローカル情報を中心に発信していければと思いベトナム旅行の専門情報サイトを立ち上げました。

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